JR九州 D&S列車
JR九州では九州の自然豊かな景観を車内から楽しんでいただこうと「D&S列車」として様々な列車を運行しています。「D&S」のDはデザイン、Sはストーリーの略、個性的なインテリアなどをあしらった様々な列車が九州本土を走っています。そんな九州の「D&S列車」の中の一つが豊肥本線を走る特急「あそぼーい」です。
阿蘇カルデラを走る豊肥本線
豊肥本線は大分と熊本を結ぶ路線。阿蘇カルデラのほかに沿線では滝廉太郎が作曲した名曲「荒城の月」のモデルになった岡城のある城下町竹田もあります。また大分県内では大野川の流れに沿って走る区間もあり、川と対岸の山々、そして田園風景も見ることができます。何といっても豊肥本線のハイライトは立野駅の三段式スイッチバック。スイッチバックをしながら阿蘇カルデラの自然が形作った平原部を眺めながらの列車の旅は格別です。平成28年(2016)の熊本・大分地震で豊肥本線も被害を受け、不通が続いていましたが、令和2年(2020)8月8日(土)に全線開通しました。
特急あそぼーい!
「クロちゃんづくし」の列車
エクステリアにもクロちゃんのデザインが描かれていて、乗る人を出迎えてくれます。車内もクロちゃんづくしです。乗車した人全員に記念乗車証のプレゼント。スタンプ台紙にもなっているので旅の記念になります。
車両編成
特急あそぼーいは4両編成。1号車と4号車にはパノラマ席が設けられていて、大きな窓から美しい自然を見ることができます。小さなお子様連れにうれしいのが3号車のファミリーシート。座席は窓側がいつも子供席になるように配慮された転換クロスシートの親子席、クロちゃんシート。窓側の席は幼児のお子様は両親と一緒に追加代金なく座ることができます。家族連れや友達同士の小さなグループ旅行にうれしい席が2号車のボックスシート。3名以上の予約から受付ということで合席になることがありません。小さな子供連れから友人同士まで誰でも楽しめます。
「あそぼーい!」の運行時刻
「あそぼーい」は別府・大分~熊本間を一日一往復します。
「あそぼーい!」の運行日
「あそぼーい」の運行日は土日祝日を中心に運行されます。ゴールデンウィーク、夏休み、年末年始、春休みは毎日運行されます。
沿線の見どころ
岡城跡
夭折した悲劇の天才作曲家、滝廉太郎の名曲「荒城の月」のモデルになった城。滝廉太郎は少年時代を竹田の町で過ごし、音楽の道を志すようになりました。高等小学校を卒業後、東京音楽学校(現在の東京芸術大学音楽学部)に進学、優秀な成績で卒業した後、ドイツのライプチヒのメンデルスゾーン音楽院に留学しました。留学中に当時、不治の病といわれた肺結核を患い、志半ばで帰国。病状は回復することなく、現在の大分市内の自宅で23歳11か月の若さでこの世を去りました。周囲を河川に囲まれた阿蘇溶岩の台地の上にある天然の要塞。城跡は石垣を残すのみですが、哀愁を帯びた名曲のメロディを彷彿とさせることができます。勇壮でユニークな曲線デザインを多用し石垣は難攻不落といわれた堅固さを誇ったかつてをしのぶことができます。大手門跡はヨーロッパの古城を彷彿させます。日本で岡城にしかない通路の石垣塀の上ある半円柱状の「かまぼこ石」も見どころです。令和2年10月には城下町に開館した竹田市歴史文化館・由学館では岡城跡について楽しみながら学べる「岡城ガイダンスセンター」があります。また滝廉太郎旧宅や武家屋敷も近く。江戸時代の町割りが今も残る城下町巡りもおすすめです。
草千里ヶ浜
世界最大級のカルデラに、壮大な自然が展開する阿蘇は「阿蘇ジオパーク」として世界ジオパークに認定されています。草千里ヶ浜は烏帽子岳の北側に広がる2つの池がある大草原。直径約1kmの火口の中に約400mの新たな火口が生じた二重の火口地形です。馬が放牧されている様子はのどかで牧歌的な風景です。緑鮮やかな夏、白銀の幻想的な冬と四季の彩りもさることながら、乗馬に散策にと一年を通じて多くの人達に親しまれています。阿蘇の代表的な風景の一つでもあり、多くの歌人によってその広大は風景が歌われてきています。今も噴煙を上げる阿蘇中岳の雄姿も眺めることができます。
大観峰
目の前に阿蘇五岳、周囲には広大な草原、眼下には阿蘇谷を見渡すことができる360度パノラマビューの展望スポットです。
車窓からの景色が意外と楽しめる豊肥本線。山や川、田園地帯を楽しめます。豊後竹田で途中下車して城下町の雰囲気を楽しむこともできます。特急あそぼーいに是非乗ってみてください。ダイナミックパッケージは、飛行機やJRなどの交通手段と同時にホテル宿泊を予約できるツアー商品のこと。空席がある便と空室のあるホテルの中から自由に選んで、旅程を組み立てることができて、旅行会社によっては前日まで予約することが可能です。おすすめの時期はミヤマキリシマが咲き誇る5月下旬から6月下旬。ピンクと緑の美しいコントラストは訪れる人の目を惹きつけてやみません。平成28年の熊本・大分地震から着実に復興している熊本・大分への旅を楽しんでください。