バスツアーは季節に応じた話題の絶景スポットや、グルメや温泉ほか、旅の旬を熟知している旅行会社の「こだわり」が詰まった魅力的な商品がいっぱい。冬の味覚の王様として人気のカニ料理。バスツアーでも日帰り、宿泊付きを問わず、旨味たっぷりのカニ料理を楽しめるコースが盛りだくさんです。
目次
カニのブランド
甘みがたっぷりなのがズワイガニ。ズワイガニは地域や水揚げされた港によって呼び方が異なります。
松葉ガニ
ズワイガニの中でも山陰沖の日本海で水揚げされるズワイガニを「松葉ガニ」と呼びます。大きい殻に身がぎっしりつまっているため、歯ごたえがしっかりして、濃厚な味わいです。重さ1.2kg以上、甲羅幅13.5cm以上など5つの基準をクリアしたカニはとっとり松葉がに五輝星いう特選ブランドに認定されます。また隠岐諸島周辺で「かにかご漁」により漁獲され、重さ500g以上で形、身入りの基準を満たしたものは隠岐松葉ガニとして認定されます。山陰の松葉ガニは漁港ごとにブランド差別化されていて、 柴山港で水揚げされたズワイガニは柴山カニ、津居山港で水揚げされたズワイカニは津居山カニ、浜坂漁港で水揚げされたズワイガニは浜坂産ズワイガニと呼ばれます。
香住ガニ
兵庫県の香住漁港で水揚げされた紅ズワイガニを「香住ガニ」とよびます。抜群の鮮度の良さが自慢で、茹でると甘みが強く、殻は柔らかく身ばなれの良い、食べやすいカニです。重さ1.4kg以上などの基準を満たすと、「香住PREMIUM」タグが付きます。
間人ガニ
京都府丹後地方の間人港で水揚げされたズワイガニは「間人ガニ」とよびます。丹後半島の山のミネラルが流れ込む栄養豊富な海で育つカニは甘みも香りもしっかりしています。緑のタグが目印です。
越前ガニ
越前漁港や三国港など福井県内で水揚げされる雄のズワイガニを「越前ガニ」と呼びます。カニには黄色いタグがつけられていて、水揚げされた漁港名が記載されています。漁場は暖流の対馬海流と寒流のリマン海流がぶつかる場所にあり、カニの餌となる栄養価の高いプランクトンなどが豊富です。殻の中に身がぎゅうっと詰まっていて、みずみずしく適度な甘みと脂を感じることができます。安土桃山時代の公家である三条西実隆の日記にも登場して、皇室にも献上されたことがある由緒あるカニです。平成30年9月27日には国が地域の農林水産物や食品をブランド化して保護する「地理的表示(GI)保護制度」に登録されました。
加能ガニ
橋立漁港、金沢港、富来漁港、輪島港、蛸島漁港など石川県内で水揚げされる雄のズワイガニを「加能ガニ」と呼びます。9cm以上で漁師(船主)が品質に自信を持てるものにだけ、漁港の名称を刻印した青タグを付け、「加能ガニ」として市場へ出しています。空の中にはあふれそうなくらいに身がぎっしり詰まっていて、しっとりとしていて甘く、繊細な旨味を堪能できます。石川県の漁港で水揚げされた雌のズワイガニを「香箱ガニ」と呼びます。
カニの食べ方
焼きがに
焼けた殻の香ばしさと濃縮されたカニのほっこりとした甘い味が魅力です。
かに刺し
生のままカニの脚の殻を剥して刺身にしたものです。ぷりぷりの食感で旨味を堪能することができます。
かにすき
カニ料理の中でも手軽に美味しくカニを食べることができて、カニの美味しさを一番楽しめる料理です。甘めに味付けした出汁ががカニの甘さと旨さを一層引き立たせます。
ゆでがに
かに料理の定番です。身の繊維に旨みエキスが絡んで、芳醇な味わいを堪能することができます。
かに雑炊
カニ鍋の締めの定番。具材の出汁がたっぷり出たスープにごはんに吸わせて食べるとほっぺたが落ちるほどです。
カニ ツアー×温泉
日帰り・宿泊ともバスツアーでは温泉地の旅館などでカニ料理を楽しむコースが多いです。涼しくなるとあったかい温泉が心地よいもの。ツアーでよく訪れる温泉地を紹介します。
城崎温泉
720年に温泉が湧出して開かれたと言われる約1300年の歴史を誇る温泉地城崎温泉を訪ねるコースが人気。「城の崎にて」の作者、志賀直哉や有島武郎をはじめ、多くの文人に愛されてきました。城崎には23箇所の文学碑があり、文豪ゆかりの地に建てられた文学碑をたずねる「文学碑めぐり」も楽しめます。趣の異なった外湯と呼ばれる7つの共同浴場を楽しめます。冬は「カニ食べ放題」のツアーで城崎温泉を訪ねるコースが多く、温泉と冬の味覚を楽しめます。大阪発着の「カニ」の日帰りバスツアーといえば「城崎温泉」といっても過言ではないでしょう。情緒あふれる温泉街とあったかい温泉、日本海の海の幸を満喫できる温泉地です。
三朝温泉
世界でも有数の放射能泉です。高濃度のラドン含有量を誇り、「三たび朝を迎えると元気になる」ことから温泉の名前が名付けられたといわれています。平安時代末期に源義朝の家臣・大久保左馬之祐が三徳山に参詣中に年老いた白い狼を救ったところ、妙見菩薩が現れて、お礼に温泉の場所を教えてくれたとの伝承が残されています。青御影石で造られた純和風の三朝橋を中心に温泉情緒溢れる昭和レトロな街並みが続きます。
夕日ヶ浦温泉
京都北部の日本海に突き出た丹後半島の西の付け根に位置する海辺の温泉地です。周囲を茜色に染めながら沈む夕陽、そして日本海に映る黄金色の照り返しは幻想的。低張性弱アルカリ高温泉で、「美人の湯」と呼ばれ肌がツルツル美容に効果あり、カップルや女子旅にもおすすめです。
あわら温泉(芦原温泉)
「関西の奥座敷」と呼ばれる福井県を代表する田園風景が特徴の風雅な温泉街。発見は明治16(1883)年で各旅館ごとに温泉の泉質や効能が異なるのも特徴です。JR北陸本線芦原温泉駅、えちぜん鉄道あわら湯の町駅、バス路線も充実していて、公共交通機関でのアクセスも便利な温泉地。日本最古の現存天守を持つ「丸岡城」、世界的にも珍しい奇岩が必見の「東尋坊」、曹洞宗の本山「永平寺」、戦国武将の栄華を偲ぶことができる「一乗谷朝倉氏遺跡」といった観光スポットへのアクセスの拠点としても便利です。
加賀温泉郷
加賀温泉郷は山中、山代、片山津、粟津4つの温泉地からなります。それぞれ4つの温泉は次のような魅力を持っています。
- 「美肌の湯」として知られる里山に囲まれた箱庭のような粟津温泉
- 霊峰白山をのぞむ柴山潟の湖畔に佇む片山津温泉
- 田園が見渡せる丘陵地の広がる明智光秀が傷を癒しに湯治に訪れたという山代温泉
- 景勝地の鶴仙渓に面していて、四季折々の自然美も楽しめる開湯1,300年を誇る芭蕉の句にも詠まれた山中温泉
バスツアーの魅力
最後に「バスツアー」の魅力について。その大きな魅力は何といっても移動が楽ということではないでしょうか。公共交通機関ではアクセスが不便な場所でも「バスツアー」なら直行することができます。またマイカーで行く場合、カーナビが普及しているとはいえ、慣れない道の運転でありがちなのが道迷い。道に迷って、大幅に時間をロスすることも少なくないです。道路事情にも精通した「運転のプロ」が運転する「バスツアー」ならそんな心配もありません。また自分で運転しなくてもいいので、日本酒やワインといったアルコールも飲むことができます。また料金には食事代に加えて、立ち寄りスポットの入場料や施設使用料、高速料金などが含まれているものもあるので、とてもお得。参加の受付も出発日の間際近くまで受け付けるコースも多いです。
風情溢れる温泉街で温泉に浸かって、カニ料理を楽しむ日常を忘れたひと時。思い立ったらバスツアーに参加して気軽に、手軽にカニ料理を楽しんでみませんか。