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映画『国宝』の世界を巡る!関西・近畿の聖地巡礼ガイド|舞台裏まで楽しめるロケ地まとめ

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映画『国宝』は、歌舞伎役者としての人生を歩む主人公・喜久雄の半生を描いた壮大な物語です。関西・近畿には、映画の舞台やロケ地として使用された歴史ある劇場や名建築が点在しており、巡礼スポットとして多くの映画ファンを魅了しています。本記事では映画『国宝』ゆかりの聖地を詳しく紹介し、舞台裏まで楽しめる訪問ポイントやアクセス情報もまとめました。

「出石永楽館」(兵庫県豊岡市)

近畿地方最古の芝居小屋としての魅力

兵庫県豊岡市出石町にある「出石永楽館(いずしえいらくかん)」は、明治34年(1901年)に建てられた、近畿地方で最も古い現存する芝居小屋です。出石城下に築かれたこの劇場は、かつては歌舞伎や新派劇、寄席など多彩な演劇の舞台として栄え、但馬地方の大衆文化の中心地として知られていました。建物は土壁や太鼓櫓、直径6.6メートルの回り舞台、奈落、花道、すっぽん(セリ)など、伝統的な劇場機構が今なお残されています。改修工事を経て、当初の姿が忠実に復元されており、木造でありながら現代の施設では味わえない風情あふれる空間が魅力です。

映画での登場シーンと舞台裏見学ポイント

映画「国宝」では、出石永楽館が地方巡業の舞台として映し出され、重要な劇中シーンの撮影地となりました。映画出演者が熱演を繰り広げた舞台は、観客との距離が非常に近く、臨場感あふれる演出が特徴です。見学では、役者の楽屋、舞台上の回り舞台やすっぽん、奈落の地下スペースといった舞台裏を体験可能で、劇場の構造や歴史を実感できます。また、壁には大衆文化の証として昔の看板や柱の落書きも残されており、100年以上の時の流れが感じられます。一般公開日には専門スタッフの案内もあり、写真撮影も自由にできます。

アクセス情報と観光のヒント

出石永楽館へのアクセスは、京都や大阪から日帰り圏内です。京都駅からJR山陰本線で豊岡駅まで約2時間半、そこからバスまたはタクシーで約20分で到着します。大阪からは新大阪駅から特急で豊岡駅まで約2時間15分の距離で、電車とバスの組み合わせも便利です。周辺には歴史ある出石城跡や出石そば店街など観光スポットが点在し、映画の余韻に浸りながら地域の文化と食を楽しむことができます。神戸や姫路といった近隣都市からのアクセスも良く、文化と自然が調和する豊岡市の旅を満喫できるでしょう。

びわ湖大津館(旧琵琶湖ホテル)(滋賀県大津市)

歌舞伎劇場「日乃本座」として登場した外観

映画「国宝」では、滋賀県大津市にある「びわ湖大津館」が歌舞伎劇場「日乃本座」として登場します。もとは1934年に外国人観光客誘致を目的に建てられた旧琵琶湖ホテルの本館で、その威厳ある桃山様式の和風建築の外観が歌舞伎座としての風格を見事に表現。曲線を描く唐破風の大屋根や銅板葺きの屋根が特徴的で、映画の舞台に華やかさと歴史的な重みを添えています。

建築ファンも必見!岡田建築事務所の設計

びわ湖大津館の設計は、東京歌舞伎座や明治生命館などを手掛けた名建築家・岡田信一郎氏の岡田建築事務所によるものです。鉄筋コンクリート造の地上3階・地下1階建てで、外観は桃山様式和風、内装は洋風で和洋折衷の美をたたえています。大正から昭和初期の高度な建築技術と優美なデザインが融合した建物は、大津市有形文化財かつ経済産業省の近代産業遺産群にも認定されており、建築ファンにも必見のスポットです。

館内・周辺の見どころ

館内には琵琶湖が一望できるレストラン、ショップ、貸会議室や市民ギャラリーを備え、地域の文化交流拠点として活用されています。2階には展望テラスがあり、天気の良い日は琵琶湖の雄大な景色を楽しめます。3階には旧琵琶湖ホテルの歴史を伝える展示室があり、皇族や著名人の宿泊記録をパネルで紹介しています。周辺は柳が崎湖畔公園として整備され、季節ごとに色とりどりの花が咲き誇るイングリッシュガーデンも人気。特に春と秋のバラの季節には多くの観光客で賑わいます。

南座(京都市東山区)

映画での舞台シーンと見どころ

映画「国宝」では、京都市の南座が重要な舞台シーンの撮影場所として登場します。南座の荘厳な舞台空間は歌舞伎の伝統美を見事に映し出し、劇中の緊迫感や華やかさを高めています。観客席は赤いシートが鮮やかで、舞台と観客の距離が近いため、迫力ある演技が間近に感じられます。見どころは、舞台の仕掛けや照明、そして歴史ある桟敷席の装飾に至るまで、伝統と現代性が織り交ざった空間そのものの美しさです。

歴史ある劇場としての魅力

南座は、約400年の歴史を持つ日本最古の劇場の一つで、江戸時代初期から京都四条河原歌舞伎の中心舞台として発展を遂げてきました。現在の建物は1929年(昭和4年)に鉄筋コンクリート造で再建され、桃山風の破風造りと櫓が特徴的な優雅な外観を誇ります。平成30年(2018年)に約3年の大規模耐震改修工事を終えて新開場し、国の登録有形文化財に指定されています。伝統的な意匠と最新の設備を融合させ、快適で安全な観劇環境を実現しました。南座はただの劇場にとどまらず、芸術的価値と文化遺産としての魅力も多くの訪問者を惹きつけています。

アクセス情報

南座は京都市東山区の四条通沿い、京阪電鉄「祇園四条駅」6番出口から徒歩すぐ、阪急電鉄「河原町駅」からも徒歩約3分とアクセス抜群です。京都観光の中心地である祇園エリア内に位置し、鉄道やバスの便も良好なため、観光やショッピングのついでに気軽に訪れることができます。

東映京都撮影所(太秦)(京都市右京区)

映画ロケの舞台裏と撮影エピソード

東映京都撮影所は、1926年に剣劇スター阪東妻三郎が竹藪だった太秦の地に開設した日本の代表的な映画撮影所で、「日本のハリウッド」とも称されます。映画「国宝」もこの歴史ある撮影所で多くのシーンが撮影されました。撮影所内には江戸時代の道具や衣装を扱う職人たちの工房もあり、特に刀の竹光の補修やかつらの手入れなど、伝統技術が活かされています。かつては毎週1本以上の新作時代劇が製作され、撮影が絶え間なく行われる活気溢れる現場でした。映画の撮影エピソードとして、時代劇に欠かせないセットや大道具、小道具の工夫がストーリーの世界観を支えています。

見学可能なエリアとポイント

撮影所自体は通常は非公開ですが、年に一度の「太秦シネマフェスティバル」などの特別なイベントで、撮影現場の見学やスタジオツアーが可能です。見学では、東映の昔の衣裳や小道具、時代劇セット、撮影機器などが展示され、映画製作の現場を身近に感じられます。また、スタッフによる解説があり、東映映画の歴史や撮影技術について学べる貴重な機会となっています。

周辺観光スポット

撮影所の隣接地にある「東映太秦映画村」は、1975年に開設されたテーマパークで、時代劇のセットを歩いて見学したり、アクションショーや忍者ショーなどのライブイベントを楽しめます。家族連れや観光客に人気で、映画の世界観を体感しながら日本の伝統文化にも触れることができます。周辺は京都の静かな住宅街で、落ち着いたカフェや和食店も点在しています。

アクセス情報

東映京都撮影所は京都市右京区太秦蜂ヶ岡町に位置し、京福電鉄嵐山本線「太秦広隆寺駅」または「帷子ノ辻駅」から徒歩約5分です。京都駅からのアクセスも便利で、地下鉄と嵐山線を乗り継いで約30分程度で到着します。周辺の観光と組み合わせて訪れやすいロケ地です。

先斗町歌舞練場(京都市中央区)

歌舞伎稽古場としての役割

先斗町歌舞練場は、1927年(昭和2年)に完成した歴史ある劇場兼稽古場で、京都の花街・先斗町の文化を象徴する施設です。芸妓や舞妓の舞踊や歌舞伎の稽古、披露の場として、また「鴨川をどり」などの伝統的な舞台公演が行われてきました。鉄筋コンクリート造で、劇場建築の名手・木村得三郎の設計による和洋折衷の美しい建築様式が特徴で、長年にわたり芸能文化の拠点として機能してきました。

映画での使用シーン

映画「国宝」では、先斗町歌舞練場が歌舞伎の稽古場や舞台シーンで使われ、劇中の表現に深みをもたらしました。舞台の「すっぽん」(花道のセリ)や客席の華やかな千鳥の提灯など、独特の舞台装置や装飾が映像美に彩りを加えています。映画ファンにとっては、劇場内部の細部まで楽しめる貴重な撮影地となっています。

観光としての楽しみ方

先斗町歌舞練場は観劇だけでなく、建築好きや文化愛好家にも人気のスポットです。年に数回行われる特別公開や見学ツアーで内部見学が可能で、オーディオガイドを使って建築の細部や歴史を学べます。周辺の先斗町は京都屈指の花街として、伝統的なお茶屋や料亭が軒を連ね、夜には舞妓さんが歩く風情ある街並み散策も楽しめます。

アクセス情報

先斗町歌舞練場は京都市中京区先斗町通三条下ルに位置し、最寄り駅は京阪「三条駅」、地下鉄「京都市役所前駅」、市バス「河原町三条」バス停が便利です。四条河原町や祇園からも徒歩圏内であり、京都観光の中心地からアクセスしやすい場所にあります。

上七軒歌舞練場(京都市上京区)

伝統文化を感じる稽古場

上七軒歌舞練場は京都最古の花街、上七軒にある歴史ある劇場兼稽古場です。1897年(明治30年)頃に建設され、以降何度かの増改築を経て現在の姿となりました。地元の芸舞妓が日々の稽古の成果を披露する場として、春の「北野をどり」や秋の「寿会」といった舞踊公演が開催され、日本の伝統文化を深く体感できる場所です。建物は歴史的風致形成建造物に指定されており、和洋折衷の美しい建築様式も見どころの一つです。

映画での登場場面

映画「国宝」では、上七軒歌舞練場が伝統的な舞踊や歌舞伎の稽古場として使われ、華やかな舞台や稽古風景が映し出されました。劇場の落ち着いた佇まいや舞台の照明、伝統的な舞台装置が映画の世界観を豊かに彩り、観る者に深い印象を残しています。

周辺散策と写真スポット

上七軒は北野天満宮の東側、千本釈迦堂の西側に広がる京都の歴史的花街で、茶屋街としての風情ある町並みが残っています。散策中は、昔ながらの料亭やお茶屋が軒を連ね、石畳の路地や情緒ある町家の景観が写真愛好家に人気です。季節によっては舞妓さんの姿も見られ、風情ある記念撮影スポットとしても好評です。

アクセス情報

上七軒歌舞練場は京都市上京区今出川通り七本松西入ルの真盛町に位置し、市バス「北野天満宮」または「上七軒」停留所から徒歩約3分の便利な立地です。京都駅からは市バスが使え、北野天満宮参拝や周辺散策とあわせて気軽に訪れることができます。

玉手橋(大阪府柏原市)

映画ロケに使われた橋の見どころ

大阪府柏原市と藤井寺市の間を流れる石川に架かる「玉手橋」は、昭和3年(1928年)に大阪鉄道(現近鉄の前身)が遊園地への通路として建設した歴史ある吊り橋です。赤い欄干と白い塔が中世ヨーロッパの城を思わせる美しい景観を作り出し、映画「国宝」でも象徴的なシーンでロケ地として活用されました。5径間(橋の区間が5つに分かれている構造)は日本でも珍しい設計で、歩行者と自転車専用のため橋の上からはゆったり景色を楽しめます。歴史とモダンな美しさが融合した橋の魅力は訪れる人を惹きつけています。

写真撮影や散策スポットとしての魅力

玉手橋周辺は住宅地のすぐそばにありながら、橋の独特のデザインと川の流れが織りなす景観が写真愛好家に人気です。橋のたもとには柏原市立玉手山公園があり、四季折々の花や緑を楽しめる散策スポットとしても親しまれています。地元住民の通勤・通学路である一方、歴史的な文化遺産としての価値も高く、橋を背景にしたフォトスポットとして訪れる人が多いエリアです。春には遊歩道の桜も美しく、散策と撮影の両方を楽しめる場所です。

玉手橋へのアクセス

近鉄南大阪線の「道明寺駅」から徒歩約3~4分の場所にあります。駅から南東方向に進み、踏切を渡ったら堤防に上がるとすぐ見えてきます。アクセスが良好で、公共交通機関を利用して気軽に訪れることができます。車の場合は周辺に駐車場が限られるため、電車での訪問が特におすすめです。

聖地巡礼におすすめの宿泊エリア

京都駅周辺

京都駅周辺は、観光や聖地巡礼の拠点として非常に優れたエリアです。新幹線やJR、私鉄、バスなど交通網が発達しているため、京都市内の主要スポットはもちろん、兵庫県の出石永楽館や大阪府柏原市の玉手橋など、関西圏の聖地巡礼スポットへのアクセスも抜群です。朝に京都駅から出発し、日帰りで出石永楽館や玉手橋を訪問して、夜には京都へ気軽に戻れる利便性が魅力です。駅周辺は大型ホテルからカジュアルな宿泊施設まで選択肢が豊富で、荷物預かりやサービスも充実しています。観光だけでなく、聖地巡礼で複数エリアを巡る予定の方にも最適な滞在拠点です。

河原町周辺

河原町周辺は、京都市内観光や徒歩で巡る聖地巡礼スポットに便利なエリアです。繁華街でありながら、四条通や祇園、先斗町、南座など伝統文化の聖地が集まっているため、「国宝」ゆかりの劇場や稽古場にもアクセスしやすいです。また、飲食店やカフェが多く、古都の雰囲気と快適さを両立して過ごせます。ショッピングや食事、夜の散策など京都ならではの体験も楽しめるため、観光と聖地巡礼を満喫したい方にぴったりです。徒歩や市バスを利用すれば主要スポットを効率よく巡ることができます。

まとめ

映画『国宝』の聖地巡礼では、兵庫県豊岡市の歴史的な出石永楽館や滋賀県大津市のびわ湖大津館、京都市内の南座や歌舞練場など、関西の文化と伝統が息づく名所を巡ることができます。各スポットは映画の重要な舞台となり、訪れることで作品の世界観をより深く体感可能です。アクセスの良い京都駅や河原町周辺の宿泊を拠点に、効率よく巡る旅が楽しめます。歴史と芸能の魅力あふれる関西で、映画ファン必見の聖地巡礼をぜひ体験してください。

 

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ホテル、外資系航空会社勤務を経て、個人旅行に特化した旅行会社で企画を担当、お客様の希望に応じた「オーダーメイドの旅」の企画・提案に携わり、ヨーロッパ各地の音楽祭、オペラ・クラシック公演鑑賞、音楽家ゆかりの地巡りなど音楽旅行を中心に手掛ける。現在は「日本再発見」をテーマに西日本を中心に各地に残る歴史・文化遺産の魅力を発信している。過去に手掛けた旅行は1000件以上。奈良大学文学部文化財歴史学科卒業。博物館学芸員資格。日本考古学協会賛助会員。2020年度「吉野アンバサダー」。大分県生まれ、福岡市育ち。

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