家族旅行はいつまで経ってもかけがえのない思い出になります。日常を離れて、家族水入らずで過ごすひと時は、「家族の絆」を改めて感じることができるいい機会。秋といえば紅葉。日本全国各地で自然が織りなす色彩の世界を堪能することができて、家族・ファミリーでそろって楽しむことができます。ここでは秋色に染まる大和路の魅力を満喫できるスポットを紹介します。
奈良県のおすすめ紅葉スポット
奈良公園
東大寺や春日大社、興福寺といった日本を代表する寺社仏閣が建ち並ぶ古都奈良の中心地。総面積は約660ha。若草の芝生に覆われ、園内は国の天然記念物のシカが愛らしく歩き回っています。
遠くに故郷への思いに駆られた阿倍仲麻呂が唐で詠んだ歌「天の原 ふりさけ見れば 春日なる三笠の山に 出でし月かも」でおなじみの風光明媚な若草山(三笠山)を眺めながら、紅葉に彩られた自然景観と古都奈良の悠久の歴史を感じさせる風格ある堂塔伽藍を家族・ファミリーで巡ることができます。
奈良公園内にある奈良国立博物館で開催される正倉院展。令和6年(2024)は10月26日(土)~11月11日(月)に開催されます。東大寺二月堂から見渡す紅葉、春日大社境内、そして奈良公園に近接している名勝依水園・寧楽美術館の紅葉がおすすめです。
奈良公園周辺の宿泊予約
正暦寺
正暦3年(992)、一条天皇の発願によって関白九条兼家の子、兼俊が創建しました。境内の3,000本を超えるカエデが秋になる順番に色づきます。木々の黄色と赤の紅葉があでやかに境内を彩ります。紅葉の時期にはJR奈良駅、近鉄奈良駅から臨時バスが出ます。
長谷寺
白鳳時代に僧道明上人が天武天皇のために銅板法華説相図を西の岡に安置したことが始まりと伝えられる古刹です。平安時代には貴族、江戸時代には徳川家の崇敬を集め帰依を受けて栄えました。
国宝に指定されている舞台造の本堂は江戸時代に徳川家光によって再建されました。本尊十一面観音像をはじめ、約千点にも及ぶ文化財を所しています。仁王門を抜け、本堂へと続く国指定重要文化財の登廊は399段に渡る石段になっていて、天井には楕円形の灯籠が吊られています。
境内から眺める紅葉は、色合いがとても豊かです。
談山神社
奈良県桜井市の多武峰(とうのみね)にある神社。大化の改新で知られる藤原鎌足を祀っています。国指定重要文化財の木造十三重塔をはじめ、楼門、漆塗極彩色、三間社春日造の本殿、権殿をはじめとする朱塗りの華麗な社殿が建ち並んでいます。紅葉の時期には色づいた境内一帯のモミジが朱塗りの建物に華を添えます。
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室生寺
奈良時代末、当時、皇太子だった桓武天皇の平癒を願った興福寺の僧賢憬によって創建されました。その後、一時衰退しましたが、江戸時代元禄年間に5代将軍徳川綱吉の生母桂昌院の庇護を受け再興されました。
同じ真言宗で女人禁制だった高野山金剛峰寺に対し、室生寺は女人の参詣を許可していたため、女人高野と呼ばれ、女性の信仰を集めました。
国宝に指定されている柿葺きの金堂、檜皮葺きの本堂や国指定重要文化財の弥勒堂などが境内に散在しています。紅葉の時期にはライトアップも行われます。
壷阪寺
西国六番札所で建立は大宝3年(703年)、法相大徳弁基上人の開基で、京都の清水寺の北法華寺に対し「南法華寺」といい、長谷寺と共に古くから観音霊場として栄えました。秋になると境内一帯のもみじが色づきます。ライトアップも行われ、紅紅葉に包まれた堂塔伽藍や天竺(インド)から来た大石仏が夜空に浮かび上がる様は幻想的です。
吉野山
春は桜で有名な吉野山ですが、秋の紅葉も見ごたえ抜群。吉野山全体が世界遺産に登録されていて、修験道の総本山金峯山寺をはじめ、吉野水分神社、金峯神社、吉水神社、大峰山寺が、構成資産に含まれています。
紅葉のおすすめスポットは高城山展望台、花矢倉展望台、七曲りです。
2024年は世界遺産登録20周年。吉野山では夏から秋にかけて、様々なイベントが開催されます。
「YOSHINO 20 ART FESTIVAL」 2024年10月12日(土)〜11月4日(月・祝)
金峯山寺を中心とした歴史ある門前町の街並みでアートと音楽を通じて、吉野山の魅力を体感するイベントです。
金峯山寺蔵王堂ご本尊特別開帳 2024年10月12日(土)〜12月1日(月)
秘仏となっていて普段は見ることができない蔵王大権現3体を拝観することができます。
吉野山の宿泊予約
曽爾高原
曽爾高原(そにこうげん)は、標高約700m、奈良県と三重県の県境に位置する国立公園です。秋になると高原一帯が見渡す限り黄金色のススキの穂に覆われます。特に夕日を浴びて、高原一帯が金色に輝くさまはまさに幻想的です。
みたらい渓谷
みたらい渓谷は大峰山より流れ出る山上川が天の川に合流する場所にあり、特に狭まった山の裾の大岩壁を大小の滝が流れ落ちる自然の一大傑作です。特に新緑と紅葉の美は近畿随一ともいわれています。
大台ヶ原
大台ヶ原は、標高1,695mの日出ヶ岳を主峰に森林、草原、断崖、瀑布、渓流、湿地が展開する大自然のパノラマゾーンです。春の緑、夏の高山植物、秋の紅葉、冬の霧氷など四季折々の美しさも格別です。
和歌山県のおすすめ紅葉スポット
高野山
高野山は弘法大師こと空海が平安時代の初期に開いた真言宗の総本山。平安時代の弘仁7年(816年)に嵯峨天皇から空海(弘法大師)が下賜され、修禅の道場として開きました。
明治以前は高野山全体が「総本山金剛峯寺」とされていて、「一山境内地」とされていました。山内に点在するお寺は、塔頭寺院といいます。現在では、この境内にある117の寺院があります。 寺院の中で52の寺院は宿坊を設けていて、一般の人でも宿泊することができます。
山内は「奥之院」と「壇上伽藍」を二大聖地としています。金剛峯寺から壇上伽藍に通じる路で紅葉のトンネルをくぐることができます。
高野山の宿泊予約
まとめ
奈良県内では一年を通じて秘仏公開や特別開帳といった行事が開催されています。紅葉巡りとあわせて、こうしたこの時期ならではの見どころを巡るのも楽しいです。悠久の時が流れる奈良が受け継いできた歴史・文化に紅葉が彩を添えます。奈良・和歌山への家族・ファミリー旅行の参考になると幸いです。