ハネムーンでも人気の地中海クルーズ。世界遺産に登録されている中世の街並みや風光明媚な都市が沿岸には点在しています。コバルトブルーの海を移動しながらロマンチックな都市を巡る旅は日常を忘れた至福の時を過ごすことができます。紺碧の海がまぶしいリゾート地が南仏コート・ダジュール。寄港地の一つ、ヴィルフランシュ・シュル・メールと周辺の素敵な町と村を紹介します。
クルーズ寄港地 ヴィルフランシュ・シュル・メール
ニースに寄港するクルーズ船はほとんどなく、大半の船がヴィルフランシュ・シュル・メールという町に寄港します。ヴィルフランシュ・シュル・メールはニースから鉄道で10分のところにある小さな町。海に面して黄色やピンクのカラフルな家々が建ち並んでいます。旧市街は中世の面影が残っていて、坂道をのぼるとコバルトブルーの地中海の絶景を眺めることができます。主な見どころはサン・ピエール礼拝堂。1957年にジャン・コクトーが礼拝堂の修復を手がけました。
コート・ダジュールの中心都市ニース
温暖な気候と風光明媚な景観から数多くの芸術家に愛されたコート・ダジュール。ニースは説明不要のコート・ダジュールの中心となる町です。高級ホテルやレストラン、カジノなどが集まる華やかな海岸遊歩道がプロムナード・ザングレ。フランス語で「イギリス人の散歩道」という意味です。アルバート1世の噴水を中心に周囲を赤を基調とした建物が取り囲むのがマセナ広場。コート・ダジュールに春の訪れを告げる華やかなニースのカーニバルのメイン会場です。美術館巡りもニースの楽しみの一つ。シャガール美術館はマルク・シャガールの美術館。旧約聖書をモチーフにした作品を中心に450点程が展示されています。中でも17点の油絵で構成される超大作は一見の価値があります。マティス美術館ではマティスの作品約330点が展示されています。マティスは1917年から1954年に他界するまでニースの町で暮らしました。ニース美術館はナポレオン3世が所蔵していた作品を中心に17世紀～18世紀のイタリア絵画の作品、ロダンの作品が展示されています。建物は1878年に建てられたイタリアのルネサンス様式です。近代・現代美術館は1960年代以降のアメリカ、フランスの前衛芸術が展示されています。はじめてニースを訪れる人はプロムナード・ザングレ、マセナ広場を訪ねて、シャガール美術館を見学するのがオススメです。
コート・ダジュールを代表する鷲の巣村 エズ
ファッション雑誌などでもよく取り上げられているエズ。地中海を見下ろすことができる高台の村です。村内ではブーゲンビリアやジャスミンの花が一年中絶えることなく咲き誇り、中世の面影を残すメルヘンでロマンティックな雰囲気の村です。エズを代表する2つのシャトーホテルがシャトー・ド・ラ・シェーヴル・ドールとシャトー・エズ。ホテルのレストランでの食事は優雅なひと時を過ごすことができます。クルーズの寄港地ヴィルフランシュ・シュル・メールからはバスでアクセスすることができます。
イタリアとの国境にあるレモンの町 マントン
イタリアとの国境の町マントン。マントンの名物といえばレモン。毎年2月中旬から3月初旬にかけて開催されるレモン祭り。数えきれないほどの柑橘類で作られた巨大なモニュメントや華やかなパレードは見ごたえ抜群です。この町の魅力に取りつかれて晩年を過ごしたのがジャン・コクトー。美しい地中海の海を眺めながら歩くことができる海岸沿いの散歩道「太陽のプロムナード」の東端にあるジャン・コクトー美術館で彼の作品と地中海の景観を楽しむことができます。またマントン市庁舎婚礼の間は1957年から58年にかけてコクトーが内装を手掛けました。日本からもここで結婚式を挙げるカップルがいます。ヴィルフランシュ・シュル・メールからは鉄道で約30分の町です。
ここで紹介した町は公共交通機関で寄港中に観光することももちろんできます。それぞれの船会社は各寄港地でクルーズ参加者向けの寄港地観光ツアーも用意しています。ツアーに参加するとコート・ダジュールの個性あふれる魅力的な町や村を効率よく回ることができるのでツアーの活用もおすすめです。
