新幹線で指定席を予約する時は、どの席を予約するか迷うところ。グリーン車は座席に電源コンセントが設置されていますが、指定席や自由席の車両は窓際の座席もしくは車両の前後にあります。乗車中にスマートフォンやパソコンを充電したい!、後ろの座席に気兼ねすることなく、リクライニングをゆっくり倒したい!という場合、どこの席をとるかは気になるところ。
そこで方面別に新幹線の車両編成、座席番号についてまとめてみました。加えて、車内でのスマホ利用に欠かせない電源コンセントや大きな荷物がある時の特大荷物の持ち込みについてもまとめています。
東海道・山陽新幹線
東海道・山陽新幹線の座席位置・車両編成
東海道・山陽新幹線は下りの博多方面の列車は進行方向の先頭車両が1号車です。上りの東京方面の列車は進行方向の最後尾が1号車です。座席番号も下り列車は座席番号1番が車両の先頭、上り列車は座席番号1番が車両の最後列になります。座席配置はABCの3列席、通路を挟んでDEの2列席です。
東海道・山陽新幹線の車窓の景色
「富士山が見える」ということで人気が高いのは2列席の窓側、E席です。E席からは浜名湖や静岡の茶畑、世界遺産・姫路城も眺めることができます。A席からは小田原~熱海間、浜名湖周辺で海を眺めることができます。また京都駅に到着する際には現存する木造塔で日本一の高さを誇る東寺の五重塔を見ることができます。
東海道・山陽新幹線の電源コンセント
最新のN700S系の車両は全ての座席に電源コンセントを完備しています。N700系はグリーン車は全席、普通車は窓側席(A席,E席)・最前列(A~E席)・最後列(A~E席)に電源コンセントがあります。
山陽新幹線の「ひかり」「こだま」で使用されている700系は一部車両の最前列と最後列座席の壁にモバイル電源用コンセントが設置されています。山陽新幹線で「こだま」として使用されている500系には電源コンセントはありません。
東海道・山陽新幹線の車内チャイム
よく新幹線に乗る人は知っているかと思いますが、東海道・山陽新幹線の車内チャイムは列車によって異なります。これは車両がJR東海所有かJR西日本所有かで異なります。座席別コンセント装備状況
JR東海所有の車両では2003年の品川駅開業以来TOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」が使用されてきました。しかし、2023年7月21日からJR東海所有の車両については、2023年夏頃からUAの「会いにいこう」に変更されました。JR西日本所有の車両は鬼束ちひろの「いい日旅立ち・西へ」。どちらの編成で運行されるのかはわからないので当日のお楽しみです。
ホームに新幹線が入ってきたとき、車両の下にある「JR」の文字がオレンジならJR東海、ブルーならJR西日本所有の車両です。JR東海の新幹線品川駅の開業と、JR西日本のDISCOVER WESTキャンペーンにあわせて曲が使われ始めて現在に至っています。
東北・北海道・山形・秋田新幹線
東北・北海道・山形・秋田新幹線の座席位置・車両編成
東北新幹線、北海道新幹線、山形新幹線、秋田新幹線はそれぞれ東京発の下り列車は1号車が進行方向の最後尾の車両になります。座席番号も1番が車両の最後列になります。東京方面の上り列車は1号車が進行方向の先頭車両、座席番号も1番が車両の最前列になります。座席配置は東北・北海道新幹線がABCの3列席、通路を挟んでDEの2列席。山形・秋田新幹線はABの2列席、通路を挟んでCDの2列席です。
東北・北海道・山形・秋田新幹線の車窓の景色
東北・北海道新幹線ならE席、山形・秋田新幹線ならD席からは宇都宮駅から那須塩原駅間を走行中に見える日光連山や那須連山、郡山駅から福島駅間を走行中に見える磐梯山、安達太良山、蔵王山、A席なら大宮駅から小山駅間を走行中に筑波山、新白河駅から福島駅間を走行中に阿武隈山地を見ることができます。
東北・北海道・山形・秋田新幹線の電源コンセント
グリーン車の全座席と指定席車両・自由席車両の窓側、最前列と最後列座席にモバイル電源用コンセントが設置されています。JR北海道所有のH5系と呼ばれる車両は全座席にモバイル電源用コンセントが設置されています。また山形新幹線を走るE3系はモバイル電源用コンセントを設置していない車両が多いです。
北陸・上越新幹線
北陸・上越新幹線の座席位置・車両編成
北陸新幹線、上越新幹線も東京発の下り列車は1号車が進行方向の最後尾の車両になります。座席番号も1番が車両の最後列になります。東京方面の上り列車は1号車が進行方向の先頭車両、座席番号も1番が車両の最前列になります。座席配置はABCの3列席、通路を挟んでDEの2列席。
北陸・上越新幹線の車窓の景色
A席からは高崎駅付近を走行中に赤城山、榛名山、軽井沢駅から佐久平駅間を走行中に浅間山、糸魚川駅から富山駅間を走行中に遠方に日本海を臨むことができます。E席からは上越妙高駅付近を走行中に妙高山、火打山、黒姫山、黒部宇奈月温泉駅から富山駅間を走行中に立山連峰を眺めることができます。
北陸・上越新幹線の電源コンセント
北陸新幹線金沢開業に向けて開発されたE7/W7系の車両は全ての座席にモバイル用電源コンセントが設置されています。上越新幹線で使用されているE2系の列車はグリーン車は中央の肘掛先端に左右両席用として1箇所、指定席、自由席車両は一部の車両に窓側、最前列と最後列座席にモバイル電源用コンセントが設置されていますが、付いていない車両が多いです。
九州新幹線
九州新幹線の座席位置・車両編成
九州新幹線は新大阪を起点にして下り方面の列車は進行方向の先頭車両が1号車、車両の最前列は座席番号が1番になります。新大阪方面の上り列車は進行方向の最後尾の車両が1号車、車両の最後列の座席番号が1番になります。座席配置はABの2列席、通路を挟んでCDの2列席です。
九州新幹線の電源コンセント
N700系の新幹線はグリーン車の全座席と指定席車両・自由席車両の窓側、最前列と最後列座席にモバイル電源用コンセントが設置されています。JR九州エリア内のみを走る800系の新幹線は指定席・自由席各車両の最前列と最後列座席の壁にモバイル電源用コンセントが設置されています。
西九州新幹線
西九州新幹線の座席位置・車両編成
武雄温泉駅から長崎駅の間で開業した西九州新幹線。車両は全てN700Sで6両編成。1号車から3号車が指定席、4号から6号車が自由席です。座席配置は指定席車両がABの2列席、通路を挟んでCDの2列席、自由席車両はABCの3列席、CDの2列席、下り列車は進行方向の先頭車両が1号車、座席番号1番が最前列、上り列車が6号車が進行方向の先頭車両、座席番号1番は車両最後尾になります。
西九州新幹線の電源コンセント
全座席にモバイル電源用コンセントが設置されています。
「特大荷物スペースつき座席」サービス
「特大荷物スペースつき座席」とは
以前は新幹線の車両は最後列の座席の背後にスペースが空いていて、大きなスーツケースを持って乗車する時などは、荷物を置いていました。荷物が多いときは「みどりの窓口」で指定席を予約するときは、「車両最後尾」を指定していたものです。
しかし、2020年5月20日からは東海道・山陽・九州新幹線(東京~新大阪~博多~鹿児島中央)では「特大荷物スペースつき座席」の事前予約制「baggage160」と呼ばれる新しいサービスがスタートしました。
「baggage160」は車両最後部座席の後ろを荷物置場に指定して、特大荷物を新幹線車内に持ち込む際には、この座席と最後部スペースをセットで事前に予約する制度です。
「特大荷物」はタテ・ヨコ・高さの三辺の合計が160cmを超える荷物のこと。「特大荷物スペースつき座席」の設定が無い、自由席や一部の指定席号車に「特大荷物」を持ち込むことができません。
タテ・ヨコ・高さの三辺の和が160cm以下の荷物は座席に持ち込むことができます。新幹線の座席の上にある荷物棚に収納することができます。3辺合計160cm程度の荷物であれば、おおむね収納できます。ちなみに旅客営業規則で鉄道車内に持ち込める手回り品を三辺の合計250cm以内と規定しているため、三辺の和が250cmを超える荷物は、車内に持ち込むことができません。
「特大荷物スペースつき座席」が設定されている車両
「特大荷物スペースつき座席」は全ての車両に設定されているわけではありません。東海道・山陽新幹線では
- 16両編成の列車:14~16号車の最後部座席
- 8両編成の列車:4・5号車の最後部座席
以上の車両に設定されています。
九州新幹線の場合、次の通りになります。
- N700系新幹線(「みずほ」「さくら」「つばめ」)
4・5・6・8号車の普通車指定席とグリーン車の最後部の座席 - 800系新幹線(「さくら」「つばめ」)
6号車の普通車指定席の最後部の座席(2席または4席)
2022年9月に開業した西九州新幹線は1号車と2号車に「特大荷物スペースつき座席」が設けられています。
新しく登場!「特大荷物コーナーつき座席」
2023年5月24日に新しく登場した東海道・山陽新幹線の「対象座席の最寄りのデッキ部にある荷物置場を利用できる「特大荷物コーナー」がスタート。16両編成の「のぞみ」「ひかり」「こだま」号に設けられます。
「特大荷物コーナー」は、上段と下段があり、利用可能な荷物のサイズは上段が3辺の長さがそれぞれ80cm以内×60cm以内×50cm以内、下段が3辺の長さがそれぞれ80cm以内×60cm以内×40cm以内です。
「特大荷物コーナー」は座席から離れた位置にあるため、セキュリティのため、施錠機能があります。施錠には交通系ICカード等の非接触型ICカードが必要です。
東北・北海道・上越・北陸・秋田・山形新幹線の「荷物置場スペース」
東北・北海道・上越・北陸・秋田・山形新幹線では、客室内やデッキなどに「荷物置場スペース」が整備されています。(予約不要)「荷物置場スペース」の場所は次の通り。
- 東北・北海道新幹線E5系・H5系
1~8号車(普通車)/9号車(グリーン車) - 上越・北陸新幹線E7・W7系
1~10号車(普通車)/ 11号車(グリーン車) /12号車(グランクラス) - 秋田新幹線E6系
12~17号車(普通車)/11号車(グリーン車) - 山形新幹線E3系
14~17号車(普通車)/ 11号車(グリーン車) - 東北・上越新幹線E2系
1~8号車(普通車)/9号車(グリーン車)
「特大荷物スペースつき座席」と「特大荷物コーナーつき座席」の予約方法と料金
気になる予約方法と料金ですが、予約は東海道・山陽新幹線のネット予約サービス「エクスプレス予約」「スマートEX」「e5489」「JR九州インターネット列車予約」、そして駅に設置している指定席券売機でも予約可能です。事前予約に別途料金がかかることはありません。
「特大荷物コーナーつき座席」を予約する場合、上段を利用する場合は「特大荷物コーナーつき座席」の通路側座席を、下段を利用を希望する場合は「特大荷物コーナーつき座席」の窓側座席を予約します。
事前予約なしに「特大荷物」を持ち込んだ場合、所定の手数料として1,100円(税込)が収受され、乗務員の指定した場所に荷物を置くことになります。他の指定席と同様に、乗車日の1か月前朝10時から発売開始です。
エクスプレス予約が九州新幹線でもスタート
エクスプレス予約は一年中、お得な会員価格で新幹線で乗車する事ができる会員制予約サービス。サービス開始から東海道・山陽新幹線で利用することができましたが、2022年6月25日(土)より九州新幹線の区間(博多~鹿児島中央)にサービスが拡大されました。
エクスプレス予約の会員IDとJR九州インターネット列車予約サービスのアカウントを連携させるとエクスプレス予約サービスで九州新幹線を含む区間を予約するとJR九州のポイントサービス「JRキューポ」も貯めることができます。
発車間際までスマートフォンで列車の変更が何度でもできて、シートマップから座席も選べる「エクスプレス予約」がより一層便利になります。
まとめ
車両・座席番号で注意が必要なのは東北・秋田・山形新幹線、上越新幹線、北陸新幹線から東海道・山陽新幹線に東京駅で乗り継ぐ場合。例えば仙台から新幹線に乗車した場合、1号車は最後尾、車両の最後列が1番の座席です。東海道・山陽新幹線は1号車が先頭車両、車両の最前列が1番になります。
「車両の最後列の座席希望」の場合、要注意。実は時々、「みどりの窓口」の駅員さんも間違えてしまいます。新幹線に乗ってみたら「あれ?」ということもありますので要注意ですね。