ハネムーンでも人気のある憧れの地中海クルーズ。ターコイズブルーの海を船で移動しながら歴史の舞台になった町や中世の面影を残すノスタルジックな町、のんびりとした田園風景と洗練された雰囲気が漂う町などを巡ります。地中海クルーズの魅力的な寄港地、シチリア島の州都パレルモを紹介します。
パレルモの歴史
パレルモは「文明の十字路」といって過言でなく、古くから多くの民族の支配下に置かれました。街にはアラブ人やノルマン人の支配下にあった名残を残すエキゾチックな雰囲気の建物が建ち並び、数々の歴史的建造物を眺めながら街歩きを楽しむことができます。
街は紀元前8世紀ごろ、古代フェニキア人の交易の拠点として街が成立しました。その後、ローマ帝国の属州となり、東ローマ帝国の支配下に置かれました。アラブ人によってパレルモが陥落されると、約300年に渡ってイスラム教徒による支配が続き、さらにノルマン人の支配下に置かれました。その後、ホーエンシュウタウフェン家、フランス・アンジュー家、アラゴン家、スペイン・ハプスブルク家、スペイン・ブルボン家の支配下に置かれました。
パレルモのおすすめ観光スポット
マッシモ劇場
映画「ゴッドファーザー」のロケ地として有名なオペラハウス。イタリアでは最大のオペラハウスでヨーロッパでもパリ・オペラ座、ウィーン国立歌劇場に並ぶ威容を誇ります。1897年にヴェルディの「ファルスタッフ」でこけら落としが行われました。パレルモの象徴ともいえるオペラハウス。建築資材から内装に至るまで、ほとんどがシチリア産でまかなわれています。外観が新古典主義様式、内部はアール・ヌーヴォーの優美な劇場です。
マルトラーナ教会
マルトラーナ教会は1143年に創建されたノルマン時代の教会。ノルマン王国の初代ルッジェーロ2世王に使えた総督、ジョルジョ・ダンティオキアによって建てられたため、正式名称は「サンタ・マリア・デッランミラーリオ(総督の聖母マリア教会)」と呼ばれます。12世紀の黄金に輝くモザイク画をはじめ、聖母マリアに捧げられた教会であるため、「キリストの生誕」、「聖母マリアの昇天」、「受胎告知」など、聖母マリアに関連するモザイクが多いのが特徴です。
プレトーリア広場
プレトーリア広場はパレルモのほぼ中央に位置している街の象徴的な広場。大理石の彫刻が多く建ち並び、パレルモ港から数分のところにある広場です。階段で囲まれた中央の一段高い所にルネッサンス様式の大きな噴水があります。
クアットロカンティ
クァットロカンティを日本語に訳すと「四つ角」。パレルモのメイン・ストリート、ヴィットリオ・エマヌエレ通りマクエダ通りが交差する交差点です。交差点の四つ角にある4つの建物の壁面は対称に見えるように建てられています。それぞれの建物に春夏秋冬を表す彫刻やスペイン・ハプスブルク家の支配者たち、パレルモの四つの区域の守護聖人の像が置かれています。
ノルマンニ宮殿
ノルマンニ宮殿の起源は紀元前8世紀頃にまで遡ります。ローマ帝国、ビザンチン帝国の時代を経て、ノルマン人によってノルマン人の宮殿へ変容しました。その後シチリア王ルッジェーロ2世によって居城と定められて、拡張が行われました。その後、増改築が繰り返され、16世紀半ばのスペイン副王時代、18世紀から19世紀初頭にかけてのブルボン家支配の時代にも宮殿として利用されていました。宮殿内に残る「パラディーナ礼拝堂」。壁一面が金箔モザイクで装飾された豪華絢爛な内装です。
パレルモからおすすめのエクスカーション
アグリジェント
パレルモから約130㎞。「神殿の谷」と呼ばれる20近くの古代ギリシャ時代の神殿遺跡群が遺されているアグリジェント。一帯は「アグリジェントの遺跡地域」として世界遺産に登録されています。一帯からはヘレニズム、ローマ時代の都市遺跡や前キリスト教時代の埋葬跡等も出土しています。ギリシャにも負けず劣ることがない荘厳な神殿群。パレルモからは日帰りツアーも多く組まれています。クルーズに参加の場合、寄港地観光ツアーに参加してもいいでしょう。
地中海クルーズでは南仏の町やマルタ島、マヨルカ島、コルシカ島といった地中海沿岸の魅力的な都市や島々も一緒に巡ることができます。紺碧の地中海を移動しながら文化と歴史の宝庫シチリアの魅力に触れてみてはいかがでしょうか。