古くからの歴史を持つ港
伏木港は富山湾沿岸奥部に位置しています。能登半島によって遮られて風波の影響を受けにくいといった地理的条件に恵まれています。古くは越中国の国府が置かれていた場所。万葉集の時代には歌人大伴家持が国司として赴任、5年間の着任中に美しい自然のなかで数多くの優れた歌を詠み、万葉集に残しました。室町時代には当時の日本の十大港湾とされた「三津・七湊」の一つでもありました。江戸時代には北前船の寄港地として栄えました。近年ではクルーズ船の寄港も増えています。富山から寄港地観光ツアーも設定されている立山黒部アルペンルート、中でもツアーでも立ち寄るスポットを紹介します。
日本最古の山小屋のある景観スポット 室堂
室堂は標高2,450mに位置している立山黒部アルペンルートの中心地です。目の前には剱岳、立山三山をはじめとする3,000m級の雄大な山々を一望することができます。立山火山の火山湖である「みくりが池」、火山活動を目の当たりにすることができる「地獄谷」を見ることが出来ます。立山室堂は日本最古の山小屋といわれています。1980年代までは実際に山小屋として使用されていました。解体修理の際の発掘調査で12世紀の宗教的な遺物が発見され、更に15世紀頃に建てられた建物の礎石も確認されています。古くから僧侶や修験者による宗教活動と思われます。
ラムサール条約登録地の湿原 弥陀ヶ原
弥陀ヶ原は約10万年前に立山の火山活動で噴出した多量の軽石や火山灰などで出来た立山の西斜面に広がる溶岩台地です。標高1,600mから2,000m、東西4km、南北約2kmにわたる高原です。中央部には高山植物の草原や湿地帯が分布していて大日平や称名滝とともに2012年にラムサール条約に登録されました。11月から翌年7月ごろまで雪に覆われています。秋の紅葉の時期には赤や黄色の絵葉書のような美しい景色を楽しむことができます。
立山黒部アルペンルートには富山から寄港地観光ツアーが組まれています。3000メートル級の山々が長い年月を経て形作ってきた美しい景色をお楽しみください。