九州では美しい自然の景観や歴史的建造物など各県ごとに異なる魅力を満喫することができます。温泉地では温泉に浸かってゆっくりしたり、海の幸・山の幸などご当地の美味しいグルメを堪能する、歴史的な街並みを散策するなど旅行日数や目的、興味に応じた様々な滞在プランが考えられます。そんな九州への旅の魅力について県別に紹介します。
福岡県
福岡市と北九州市の2つの政令指定都市を持つ福岡県。福岡市は古くから「アジアの玄関口」として発展してきて、公園が多く、豊かな自然にも恵まれている「住みやすい町」「住み続けたい町」のランキング上位常連の町。北九州市は官営八幡製鉄所の開業以来、日本の近代化を牽引し、門司港は国際貿易の拠点として栄えました。県内には歴史・文化遺産や古い町並み、屋台などのグルメを楽しめます。
おすすめの観光スポット
寺社仏閣では寺社仏閣では「学問の神様」で有名な大宰府天満宮、世界遺産に登録されている宗像大社、「博多祇園山笠」でおなじみの櫛田神社。城下町では北原白秋ゆかりの水郷・柳川、「筑前の小京都」秋月。明治から昭和にかけて建てられたレンガ造りの建物が大正ロマンを醸し出している門司港レトロ地区。福岡城の外堀を活用した美術館やレストランがある森に包まれた水の公園大濠公園は福岡市民の憩いの場。福岡城跡や鴻臚館跡がある舞鶴公園とあわせて散策するのがおすすめです。また教科書でおなじみの金印が見つかった志賀島と海の中道は気軽に足を運べる海岸リゾート。広々とした公園でめいっぱい遊べる海の中道海浜公園,多彩な海の生き物に大接近できるマリンワールド海の中道、展望台から360度の絶景を望む潮見公園などが見どころです。糸島は近年、お洒落なエリアとして注目が集まっています。縁結びの神様桜井神社やマイナスイオンたっぷりの清涼スポット白糸の滝などが見どころ。また福岡市中心部では19世紀のヨーロッパの街並みをイメージした天神地下街は歩くだけでも落ちつきます。また滞在時間に余裕があればおすすめなのは四季折々の花が楽しめるのこのしまアイランドパーク。福岡市から市営渡船で気軽に足を運べます。
おすすめのホテル・旅館
福岡県内の滞在先はやはり福岡市が便利。博多駅から天神にかけてのエリアに宿泊すれば、昼は観光、夜はグルメを満喫できること間違いなしです。THE BLOSSOM HAKATA Premierは博多の粋を尽くした博多織をモチーフとした外観や和モダンを取り入れたデザインが魅力のホテル。ソラリア西鉄ホテル福岡は西鉄福岡駅直結の洗練された都会的なシティホテルです。
佐賀県
佐賀県は北は玄海国定公園に指定された風光明媚な海岸線を誇る玄界灘に面し、南には最大干満差6mの広大な干潟の広がる有明海に接した肥沃な佐賀平野が広がっています。のんびりとした田園風景が広がる農業や水産業の盛んな県。佐賀には世界的に有名な陶磁器、豊かな自然に育まれた高い品質の食べ物、のんびりとくつろげる温泉やお祭りなど歴史的な伝統ある豊かな文化など魅力的な見どころがたくさんあります。
おすすめの観光スポット
佐賀といえば有田焼・伊万里焼を思い浮かべる人も多いでしょう。鍋島藩窯公園は鍋島藩の藩窯として栄えた大川内山の関所や登り窯を再現した公園。大川内山の町並みの一角には大川内鍋島窯跡もあります。佐賀県立九州陶磁文化館では伊万里焼の磁器や唐津焼の陶器をはじめとした肥前の陶磁器を中心に、九州各地の陶磁器の名品を収蔵展示しています。呼子朝市はイカの活造りが有名な日本の三大朝市の一つ。玄武岩が玄界灘の荒々しい波にさらされ浸食されてできた景勝地七ツ釜とあわせて観光するのがオススメです。また吉野ケ里公園は日本最大規模の弥生時代の環壕集落跡。鹿島は人口当たりの酒蔵の数が日本一、お酒の無料試飲や購入、酒蔵スイーツ、酒蔵見学を楽しめます。
おすすめのホテル・旅館
「日本三大美肌の湯」に挙げられる嬉野温泉。旅館大正屋は大正十四(1925)年創業の老舗旅館。唐津・呼子への観光は福岡市内からも日帰りでアクセス可能です。
長崎県
鎖国時代は唯一の海外への窓口だった長崎。三方を海に囲まれ、多くの半島と島々から成る豊かな自然と美しい景観に出会うことができます。島の数は日本一を誇り、五島列島、壱岐、対馬など何とその数は594の島。江戸時代には幕府のキリスト教禁教政策の下で、ひそかに信仰を伝えた人々の歴史は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産に登録されています。また雲仙の火山活動によって育まれた自然景観と温泉も魅力です。
おすすめの観光スポット
長崎の観光スポットとして真っ先に思い浮かぶのはハウステンボスでしょう。複雑に入り組んだリアス海岸と島々が織りなす美しい自然景観が広がる九十九島や日本で最初の西洋貿易港が開かれ、キリシタン信仰の名残を今も伝える平戸。異国情緒あふれる長崎市内では大浦天主堂やグラバー園、出島、日本の三大中華街の一つ新地中華街もおすすめ。 日本の近代化を支えた産業遺産軍艦島はツアーに参加する必要があります。島原半島では雲仙の豊かで多彩な自然を楽しめる雲仙温泉、安土・桃山様式の壮麗な面影を残す島島原城と城下町のレトロな街並み散策、島原の乱の舞台になった原城跡。五島列島は受け継がれてきたキリシタン信仰の名残を伝える教会の数々と現在も色濃く残る手つかずの自然が魅力。五島列島だけで2泊~3泊の旅を楽しめます。
おすすめのホテル・旅館
長崎市内では「世界新三大夜景」の一つに数えられている長崎の夜景を楽しめる稲佐山観光ホテル、ハウステンボスではクラシカルで気品溢れるインテリア、運河を望むレストランなどが魅力のホテルヨーロッパ古き良き時代のアムステルダムの町に立ち並ぶ伝統的な家々の面影を再現したホテルアムステルダム、雲仙では昭和初期創業の由緒あるクラシックな雲仙観光ホテル、五島列島では五島の海をイメージしたGOTO TSUBAKI HOTELがおすすめです。
熊本県
人気のご当地キャラ「くまモン」でおなじみの熊本県。東に阿蘇山、西に有明海、八代海、天草諸島と、豊かな自然に恵まれて美しい景観が広がり見どころも多数。世界最大級のカルデラを誇り、今の噴煙を上げる阿蘇の雄大な景観から「火の国」と呼ばれました。豊富な水資源にも恵まれていて阿蘇の雄大な牧草地でのんびりと育ったあか牛や、生産量が全国1位の馬肉などグルメも楽しめます。平成28年(2016)の熊本地震によって甚大な被害を受けましたが、その後、着実に復興の道を歩んでいます。
おすすめの観光スポット
「日本三名城」に数えられる築城の名人加藤清正によって築城された熊本城は熊本のシンボル。地震の被害から着実に復興への道を歩んでいます。桃山式の回遊庭園水前寺成趣園と新町・古町散策。阿蘇では阿蘇五岳が横たわる阿蘇きっての景勝地大観峰、名水の里を代表する水源スポット白川水源、噴煙を上げる阿蘇中岳の景観と見渡す限り広がる広大な草原が魅力の草千里ヶ浜、マイナスイオンをたっぷり浴びることができる菊地渓谷。天草では世界遺産に登録されている崎津教会、天草キリシタンの歴史を紹介する天草市立天草キリシタン館。野生のイルカに会えるイルカウォッチングもおすすめ。九州本土と天草を結ぶ天草五橋は美しい景観を楽しみながらドライブできます。黒川温泉や杖立温泉、内牧温泉といった温泉地も豊富です人吉・球磨地方では「日本三急流」の1つである球磨川を下る球磨川下り、相良氏が700年統治した人吉城と城下町も見どころです。
おすすめホテル・旅館
熊本ホテルキャッスルは熊本城の目の前に建つ国際的シティホテル。黒川温泉の湯峡の響き優彩は静かな山間にあり、100%源泉のかけ流しの温泉が楽しめて、本格的な天文台も備える旅館。阿蘇プラザホテルは敷地内に二ヶ所の源泉を湧出している創業半世紀を超える老舗旅館。星野リゾート界阿蘇は大分県との県境、瀬の本高原にあるホテル。天草下田温泉 望洋閣は天草西海岸に面していて、美しいサンセットを楽しめます。
大分県
「おんせん県おおいた」は温泉の源泉数・湧出量ともに日本一。源泉総数は日本全国の約16%を占め、湧出量は日本全国の約11%占めています。戦国時代から安土桃山時代にかけて、キリシタン大名大友宗麟の庇護の下、南蛮貿易で繁栄をして、西洋からの文化が流入しました。また石仏も多く、大分県内にある石仏の数は日本全国の4分の3を占めるといわれる「仏の里」でもあります。江戸時代の豊後国は「小藩分立」。県内に8つの藩と天領が入り混じっていたこともあり、城跡と歴史情緒溢れる城下町散策も楽しめます。「豊の国」と呼ばれた大分は海の幸・山の幸も豊富。関アジ・関サバをはじめ、豊後牛やとり天などグルメも堪能できます。
おすすめ観光スポット
別府と由布院は日本に誇る「おんせん県おおいた」を代表する温泉地。他には「日本一の炭酸泉」長湯温泉やくじゅう連山を望む山間の温泉地九重”夢”温泉郷など豊富な温泉に恵まれています。別府では定番の地獄めぐりに加えて、江戸時代より約300年つくり続けてられている国指定重要無形民俗文化財湯の花、国の重要文化的景観に指定されている湯けむりを楽しめる湯けむり展望台もおすすめ。「六郷満山」という独特の神仏習合の仏教文化が華開いた宇佐八幡宮と国東半島の寺院・石仏、国宝臼杵石仏などの仏教関連のスポット、くじゅう連山とその周囲に広がる雄大でなだらかな草原、そして湧き上がる豊かな温泉が魅力の阿蘇くじゅう国立公園では四季折々の花々を楽しめるくじゅう花公園やラムサール条約に登録されているタデ原湿原、雄大な吊り橋からくじゅうの絶景を楽しめる九重“夢”大吊橋。名曲「荒城の月」のモデルになった岡城跡と滝廉太郎が少年時代を過ごした城下町竹田、大ヒット曲をモチーフにした大林信彦監督の映画「なごり雪」の舞台臼杵(うすき)、南北の高台に武家屋敷が立ち並ぶ「サンドイッチ型城下町」杵築(きつき)、国木田独歩ゆかりの城下町佐伯(さいき)、天領日田などの歴史情緒あふれる街並み散策がおすすめです。
おすすめホテル・旅館
別府では 別府駅から徒歩圏内の好立地に位置して 繁華街にも近い場所でありながら静けさと趣のある老舗ホテル白菊、全室別府湾を望むオーシャンビューのAMANE RESORT SEIKAI(潮騒の宿 晴海)、星野リゾート界別府が2021年4月にオープンします。由布院では何といっても「御三家」を呼ばれる由布院玉の湯、旅館亀の井別荘、山荘無量塔、長湯温泉の老舗大丸旅館、阿蘇くじゅう国立公園内に立地する雄大な自然に囲まれたレゾネイトクラブくじゅうなどがオススメです。
宮崎
かつては人気のハネムーンの目的地だった宮崎。毎年、プロ野球では多くの球団がキャンプを行う温暖な南国の地です。天の岩戸開きを中心とした高千穂夜神楽が伝承する高千穂町や、海幸彦・山幸彦伝説の地である青島など「神話のふるさと」としても知られています。
おすすめの観光スポット
宮崎市街から近い青島では亜熱帯植物に囲まれた古社で縁結びを祈願できるパワースポット青島神社や鬼の洗濯板。西都原古墳群は春は菜の花、秋はコスモスを楽しめます。日南海岸は日向灘に面した景観を楽しめて南国ムードも満点。鵜戸神宮は鵜戸崎岬の突端にある神秘的な洞窟の中に朱塗りの色鮮やかな本殿を有する日南海岸のパワースポット。7体のモアイ像が見られるサンメッセ日南、世界的にもめずらしい天然記念物の野生馬「御崎馬」が中央の丘陵地帯に生息している都井岬、「九州の小京都」飫肥城下町。高千穂では孫降臨にかかわった神様を祀る杉木立に囲まれた高千穂神社、天照大神の岩戸隠れの神話ゆかりの天岩戸神社、切り立った崖に囲まれた神秘の峡谷高千穂峡。高千穂へは熊本県、大分県から足を運ぶ方が便利です。
おすすめホテル・旅館
宮崎観光ホテルは宮崎市街に立地する宮崎随一の老舗ホテル。穏やかな南国の雰囲気が漂うモダンな佇まいで、街の中心部にありながら天然温泉を楽しめるのが魅力です。高千穂の旅館神仙は「和」の安らぎを感じることができる高千穂神社にほど近いところに静かに佇む料亭旅館です。
鹿児島
自然豊かな鹿児島県。明治維新の立役者の一人である西郷隆盛の出身地としても有名です。自然や歴史的名所などの観光スポットに加え、温泉や全国的に有名な黒豚や焼酎などもグルメも楽しめます。
おすすめ観光スポット
鹿児島市内からも一望できる桜島はまさに鹿児島のシンボル。中心地からは桜島フェリーで容易にアクセスが可能です。島津家別邸の仙巌園(せんがんえん)には世界遺産の構成資産でもある尚古集成館があります。鶴丸城跡は島津氏の居城で西南戦争の最後の戦いの舞台になりました。指宿では「天然砂むし温泉」で有名な指宿温泉、薩摩の小京都知覧武家屋敷群、霧島では天孫降臨の神話ロマンが香る霧島連峰の山ふところにある霧島温泉郷と南九州最大の規模と歴史を誇る霧島神宮などが見どころです。
おすすめホテル・旅館
SHIROYAMA HOTEL kagoshimaは「展望露天温泉 さつま乃湯」が名物の鹿児島を代表する名門ホテル。霧島では霧島観光ホテルは霧島唯一の展望温泉を持つホテル。2021年1月にオープンした星野リゾート界霧島も注目です。指宿温泉では指宿白水館は錦江湾に面していて、海の青と松の緑に囲まれた旅館。指宿ロイヤルホテルはロビーや客室など館内いたるところから錦江湾を見渡すことができる絶景自慢のホテルです。
九州 往復交通機関+宿 セットプランのメリット
旅行会社の「往復交通機関(JRもしくは飛行機)+宿」のセットプランを申し込むとツアー申込者限定のJRフリーきっぷが買えたりします。主に首都圏発着、「往復航空券+宿」のフリープランのオプションで購入可能なことが多いです。またJR九州は九州各地で「D&S列車」という観光列車を運行しています。こうした観光列車の乗車券を安く購入できることが多いです。また現地での観光施設の入場券が割引で購入できたり、宿ではハネムーンや記念日旅行の場合、ツアー客限定のサービスを受けられたりします。
「九州」といっても各県それぞれ魅力がいっぱい。一度の旅行だけで駆け足で済ませるのはもったいないです。旅行に行くたびに目的地を変えて、足を運んで九州各県の歴史・文化、グルメそして地元の人々との触れ合いを楽しんでいただけたらと思います。