2019年7月に運行開始から10周年を迎えた南海電鉄の観光列車「天空」。大阪市内から空海が金剛峰寺を開いた高野山を結ぶ観光列車です。列車が走る南海電鉄高野線の橋本駅 から高野山駅の間は「こうや花鉄道」という愛称が名付けられ、観光促進の取り組みが行われています。
「天空」の名前の由来
空海が金剛峯寺を開いた世界遺産・高野山は、標高約900mに位置しています。その街並みはまさに天空都市の趣です。橋本駅を出ると列車は急勾配の斜面を24のトンネルをくぐって、極楽橋へを向かいます。標高差は443メートル。急勾配・急曲線の険しい山間を縫いながら、高野山へ向かう道中を味わうようにゆっくりと進んでいくことから名づけられました。
「天空」の車両コンセプト
「天空」の車両は大阪市内から真言宗の総本山高野山へと向かう中で、物質・モノ世界から、自然・精神世界へと向かうための、こころの準備、感受性の取戻しを誘うよう工夫が凝らされています。車両は2両編成。車窓からは連なる山々、清々しい木々の緑、季節の花々に渓谷美といった風景を眺めることができます。山岳区間の風景を大切にし、森林をイメージした深いグリーンと、高野山にある根本大塔をイメージした朱色のラインを基本とした車体カラー、車内には展望デッキも設けられています。
「天空」の運行日・運転スケジュール
運行区間
天空の運行区間は橋本駅から極楽橋駅間です。途中、学文路駅と九度山駅に停車します。なんば駅から橋本駅までは「天空」に接続できるよう、ダイヤが組まれています。また極楽寺駅から高野山駅まではケーブルカーに乗車。こちらも接続できるよう、ダイヤが組まれています。
運行日
「天空」の運行日は下記の通りです。
【3月~11月】水曜日・木曜日を除く毎日運行
※ただし水曜日・木曜日が休日の場合は運行
【12月~2月】土・休日のみ運行
※年末年始(12月30日~1月3日)は運行
運行本数
【3月~11月の土・休日】1日3往復
【3月~11月の平日 ならびに 12月~2月の土・休日】1日2往復
「天空」の乗車方法
「天空」は全席座席指定です。座席の予約は乗車希望日の10日前午前9時から前日の午後5時まで、「天空予約センター」で電話のみ予約を受けつけています。予約専用の下記フリーダイヤルがあります。
予約専用フリーダイヤル天空予約センター
大阪からも日帰りが可能な高野山。真言密教の修行の場として厳かで神秘的な雰囲気を今に伝える高野山。「天空」に乗っての高野山参りに出かけてはいかがでしょうか。