フランスの観光といえばパリやモンサンミシェルが有名ですが、まだまだ魅力的なスポットが国内各地に点在しています。スペインと国境を接するオクスタニー地域圏もその一つ。クルーズを楽しみながら美しい田園風景を眺めることができるフランス南西部にあるミディ運河について紹介します。
ミディ運河とは?
ミディ運河はフランスのトゥールーズでガロンヌ川から分岐し、地中海に面したトー湖にいたる全長240kmの運河です。支流部分も含めた総延長では360kmに及びます。運河の建設は17世紀、南仏の経済発展の基礎となる物流を助けるため、徴税師ピエール・ポール・リケが発案した、地中海と大西洋を結ぶ大運河計画にはじまりました。当時、大西洋から地中海にものを運ぶには、イベリア半島をぐるっと大回りする航路しかなく、スペインにジブラルタル海峡の通行税を支払う必要がありました。運河は時間と通行税削減のために考え出されたものでした。運河は1667年から1694年にかけて建設されました。この運河の登場で南仏のワインの出荷量は飛躍的に増えたといわれています。17世紀の産業革命を支えたミディ運河でしたが、鉄道の登場と普及によってその役割を終えることとなります。現在は遊覧船が運航していて、運河クルーズを楽しみながら運河沿いの田園風景を楽しむことができます。ミディ運河は1996年に世界遺産に登録されています。
歴史的城塞都市カルカッソンヌ
運河沿いの見どころの街の一つがカルカッソンヌ。街は二重に城壁をめぐらせたヨーロッパ最大級の城塞都市で、フランスでは「カルカッソンヌを見ずして死ねぬ」と言われているほどの見応えがある景観です。その特徴的な二重の城壁は総延長3kmもあります。1997年に世界遺産に登録されました。
バラ色の街トゥールーズ
ミディ運河の起点であり、オクスタニー地域圏の中心都市がトゥールーズ。航空機でおなじみのエアバスの本社がある街です。赤いレンガがイタリアの雰囲気を醸し出しています。長大な新古典様式のファサードを擁する市庁舎とカピトール広場、ロマネスク芸術の傑作と称えられているサン・セルナン大聖堂、ゴシック様式が際立つジャコバン修道院、広場や小路を飾るルネサンス様式の壮麗な邸宅群の中でもひときわ美しいアセザ館などが見どころです。
運河クルーズのすすめ
ミディ運河は現在は観光活用されていて、遊覧船やクルーズ船が運航されています。カルカッソンヌ駅前から遊覧船に乗って船上から世界遺産の街並みを楽しむことができます。また運河沿いの田園風景や街並みを楽しみながら航行するクルーズの運航されています。フランスに行ったことがある人にはおすすめ。ミディ運河を中心にフランス南西部を楽しんではいかがでしょうか。