京都府で京都市以外のエリアの魅力を発信するプロジェクト「もうひとつの京都」。「海の京都」、「森の京都」、「お茶の京都」、「竹の里・乙訓」の4つのエリアで展開されています。京都の奥深い魅力に迫る「もうひとつの京都」。ここでは日本海に面した丹後地方の「海の京都」の魅力を紹介します。
「海の京都」とは?
「海の京都」は日本海に面する京都府北部地域(福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町)の観光による地域活性化を目指しています。天橋立をはじめ、日本海に面した空と海が織りなす青の絶景、古代より大陸との交流の窓口として栄え、江戸時代には北前船も寄港した貿易の拠点として栄えた丹後地方の魅力を多くの人に知っていただき、足を運んでいただこうという試みです。
「海の京都」の見どころ
天橋立
天橋立は幅は約20~170m・全長約3.6kmの砂浜です。砂浜には大小約8000本もの松が茂っている珍しい地形になっていて天に架かる橋のように見えることから「天橋立」と呼ばれるようになりました。長い年月ををかけて自然がつくりだした風光明媚な景観は古代から多くの人々を魅了してきました。
百人一首にも収められているた「大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみもみず 天の橋立」の和歌は有名。室町幕府第3代将軍・足利義満も何度も足を足を運びました。一帯は「宮津天橋立の文化的景観」として国の重要文化的景観に登録されています。
天橋立神社は恋愛のパワースポットとしても有名。
「日本の名松百選」、「日本の名水百選」、「日本の道百選」、「日本の白砂青松百選」、「日本の渚百選」、「美しい日本の歴史的風土百選」、「日本の歴史公園百選」、「日本の地質百選」とたくさんの「日本の●●」に選ばれています。
伊根の舟屋
まるで海に浮かんでいるように見える海際に立ち並ぶ家並みが「舟屋」。伊根にはこうした「舟屋」と呼ばれる建物が約230軒、軒を連ねています。
「舟屋」は、船を海から引き上げて、風雨や虫から守るために建てられた施設です。かつては木造船で漁をしていたため、船を乾かすために引き上げて、建物の1階に収納されました。2階は2次的な居室として、網の干し場や漁具置き場として使われていました。伊根湾は漁業が古くから盛んで「舟屋」は漁業と生活が一体となった様子をうかがい知ることができます。
海面ぎりぎりまで家が建ち並ぶ様子はイタリア・ヴェネツィアのカナルグランデ沿いに建ち並ぶ家並みを彷彿させることから「日本のヴェネツィア」と称されています。日本の原風景を感じさせるノスタルジックな景観で、どこか懐かしさを感じます。一帯は国指定重要伝統的建造物保存地区に指定されています。
伊根湾巡り遊覧船では、三方を山と島で囲われていて、波も穏やかな伊根湾を船で周遊しながら船上から町並みを眺めることができます。
舞鶴・赤れんがパーク
1901年(明治34年)の旧海軍舞鶴鎮守府の開庁に伴って舞鶴では明治期から大正期に赤れんがの建造物が建てられて、現在も数多く残っています。中でも12棟からなる「赤レンガ倉庫群」のうち、8棟が国の重要文化財。ノスタルジックな雰囲気を醸し出す建物を活かしてオープンしたのが「舞鶴赤れんがパーク」です。代表的な建物は次の3棟です
市政記念館 (赤れんが2号棟)
国の重要文化財に指定されている倉庫群のひとつ。明治35年に旧海軍兵器廠予備艦兵器庫として建設されました。今は展示スペースやホール、喫茶コーナーを備えていて交流の場となっています。
まいづる智恵蔵 (赤れんが3号棟)
明治35年に建てられた赤れんが倉庫をそのまま利用した展示エリア。瓦屋根や木枠ガラス窓なども当時の設計図を基に忠実に復元されています。
赤れんが博物館 (赤れんが1号棟)
国の重要文化財に指定されている建物の一つです。明治36年に海軍の魚型水雷庫として」建設されました。館内ではれんがの歴史、世界各国のれんがなどが展示されています。
夕日ヶ浦温泉
京都北部の日本海に突き出た丹後半島の西の付け根に位置する海辺の温泉地。周囲を茜色に染めながら沈む夕陽、そして日本海に映る黄金色の照り返しは幻想的。低張性弱アルカリ高温泉で、「美人の湯」と呼ばれ肌がツルツル美容に効果があります。「海の京都」への旅の宿泊にもおすすめです。
海の京都 天橋立・伊根フリーパス「海の京都」観光におすすめの切符
1枚のきっぷで、京都丹後鉄道全区間および丹後海陸交通の路線バス、観光船、ケーブル、リフト、伊根湾めぐり遊覧船を利用することができます。1dayと2dayの2種類の切符があります。
利用可能な交通機関
京都丹後鉄道: 線内の普通列車・快速列車または特急列車の普通車自由席
路線バス: 宮津駅~天橋立駅前~天橋立ケーブル下~伊根湾ぐり・日出~伊根
天橋立観光船: 宮津桟橋~天橋立桟橋~一の宮桟橋
天橋立傘松公園ケーブルカー・リフト: 府中駅~傘松駅 往復
伊根湾めぐり遊覧船: 日出桟橋~(伊根湾周遊)~日出桟橋
運賃
1day: 大人 3,550円 小児 1,780円/ 2days: 大人 4,550円 小児 2,280円
まとめ
近年、人気が高まっている「海の京都」の観光情報を紹介しました。日本海に面していて、観光スポットも豊富、新鮮な海の幸もいっぱい楽しめる「もうひとつの京都」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
「海の京都」のホテル・旅館・宿の予約はこちらから