国道九四フェリーは豊予海峡を挟んで大分県と愛媛県を結ぶフェリー。フェリーの航路は国道197号線の一部です。陸続きではない九州と四国は「近くで遠い」と思われがち。九四フェリーを使えばわずか70分で移動することができます。
国道九四フェリーのダイヤについて
国道九四フェリーは大分県の佐賀関半島と愛媛県の佐田岬半島を結ぶ31㎞の航路を70分で結びます。本数も毎時1本と比較的多く、便利です。
佐賀関港出港時刻
7:00、8:00 、9:00、10:00、11:00、13:00、14:00、15:00、16:00、17:00、18:00、19:00、20:00、21:00、22:00 23:00
三崎港出港時刻
7:30、8:30、9:30、10:30、11:30、12:30、14:30、15:30、16:30、17:30、18:30、19:30、20:30、21:30、22:30 23:30
国道九四フェリー 使用船舶
「涼かぜ」、「遊なぎ」、「速なみ」の3隻の船で運航しています。いずれも平成22年(2010)以降、相次いで投入された船舶で近年のフェリーに見られる船内設備の拡充が図られていて、あらゆる世代の人たちが快適に過ごせるよう配慮がなされています。最も新しい「涼かぜ」は令和3年(2021)2月に就航しました。
国道九四フェリーの運賃・料金
国道九四フェリーの乗船料金は大人が1090円、小学生の子供が550円です。展望席は乗船料金に加えて大人が500円、小学生の子供が250円別途かかります。船には6名まで利用可能な個室があります。個室は1部屋1,500円別途かかります。国道九四フェリーは国道197号線の一部。車やバイクも乗せることができます。
車は車長に応じて、以下の運賃が設定されています。下記運賃には運転手一人分の運賃が含まれています。
3m未満 5,130円/4m未満 7,120円/5m未満 8,860円/6m未満 10,610円/7m未満 12,360円/
8m未満 14,110円/9m未満 15,850円/10m未満 17,490円/11m未満 19,220円/12m未満 20,960円/
1m増すごとに 1,750円
さらにバイクや自転車も乗せるが可能。ただし1便に5台までなので、事前の予約がおすすめです。
予約はインターネットと電話で受け付けています。インターネット予約は乗船日の59日前から、電話予約は乗船日の前月の同日から予約が可能です。受付期間はインターネット予約が乗船前日23:00まで、電話予約が乗船前日18:00までです。また旅行代理店でも予約可能。その場合、クーポン券(乗車票)が発行されるので、乗船前に乗船券と引き換える必要があります。
佐賀関フェリーターミナル
新ターミナルビル
佐賀関フェリーターミナルビルは令和元年(2019)12月1日から供用開始された新しいビル。外壁にガラス素材を多用するなど明るく開放感のある空間デザインとなっていて、3階には佐賀関港を一望でき、送迎にも利用できる展望デッキが設置されています。佐賀関港の新ランドマークとして乗客だけでなく、地元の人にも親しまれるようにという願いが込められています。乗船予約・発券システムを更新し、乗船券の「インターネット事前決済」や、事前決済した乗船券を窓口に並ぶことなく、受け取り可能な自動発券機「らくらくチェックイン端末機」を導入しています。
FOOD & COFFEE カルマーレ
「FOOD & COFFEE カルマーレ」はターミナルビル2Fにあるレストラン&カフェ。佐賀関名産の海藻「くろめ」が入ったくろめうどんや大分名物のとり天定食などを食べることができます。「くろめ」はくろめは、豊後水道速吸のきれいな海で採れる海藻。ねばりが強く、アミノ酸、天然ミネラル、食物繊維が豊富です。
FOOD & COFFEE カルマーレ
営業時間:10:00~16:45(L.O. 16:20)※フェリーが欠航の場合は休業。
売店
大分県の特産品を中心に、九州各地のお土産や珍しい焼酎などを数多く取り揃えています。
アクセス
最寄りの駅はJR幸崎駅。幸崎駅からタクシーで約15分です。大分バスの路線バスD75、D77でもターミナルへ向かうことができます。バスは大分駅発着、幸崎駅経由です。大分駅からそのまま乗車してターミナルに向かうこともできますが、交通渋滞による遅延の可能性は高くなります。
おすすめ周辺観光 関崎海星館
佐賀関の岬に建つ展望・天文施設。全国的に有名なブランド魚「関あじ・関さば」の漁場として知られる豊予海峡を望む300度のパノラマが楽しめます。テラスや展望室は持ち込み飲食OKです。天体観測室では大型望遠鏡を使い、昼は太陽のほか金星や明るい一等星などを、夜は季節の星々を巡る星空散歩を楽しめます。初夏のアジサイをはじめ、四季折々の花が彩る遊歩道を下りて、「幸せの鐘」や明治34年(1901年)に初点灯した大分県最古の「関崎灯台」への散策もお薦め。日豊海岸国定公園内にあり、渡り鳥の中継地としても賑わいます。
ちょっと足を延ばして 臼杵城下町
臼杵は佐賀関フェリーターミナルから車で約30分のところにある日豊海岸に面した城下町。戦国時代にキリシタン大名大友宗麟が丹生島城(臼杵城)を築城して、南蛮貿易で栄え、南蛮文化が花開きました。江戸時代になると稲葉家5万石の城下町として栄えました。現在も当時の町割りが残されていて、当時の面影をしのぶことができる歴史情緒あふれる街並みが残されています。特に二王座の歴史の道は狭い路地のいたるところに城下町特有の面影が残っていて、高い石垣、重厚感のある瓦屋根、白壁の建物や多くの寺院が坂道沿いに長く続いています。作家野上弥栄子の生家「尾道三部作」などで一世を風靡した故・大林宣彦監督が現在も歌い継がれている名曲「なごり雪」をモチーフにした同名のタイトルの映画の撮影地にもなりました。
国道九四フェリーの佐賀関ターミナルビルはフェリーの乗り降りだけでなく、展望スポットとしてもおすすめ。船に乗らなくても楽しめます。地域にとってもかけがえにない公共交通機関として、「生活の足」として、日常生活にも浸透しています。