都心からもアクセスが便利な「小江戸・川越」は歴史情緒あふれる人気スポット。「川越まつり」は毎年10月中旬に行われる「小江戸・川越」の年内最大のイベント。きらびやかな山車が練り歩く様子はとっても幻想的。そんな「川越まつり」の魅力を紹介します。
川越まつり」の歴史
「川越まつり」は江戸時代の慶安元年(1648)に当時の川越藩主松平信綱が、
氷川神社へ神輿・獅子頭を寄進したのがはじまりといわれています。
そして3年後の慶安4年(1651)に信綱の命によって祭礼が引き渡され、
この年から川越十ヶ町の人々が神輿に随行するようになったとされています。
そして江戸の天下祭(神田明神、赤坂日枝神社の各祭礼の総称)の影響を強く受けて発展し、
祭で曳き出される山車の形も天下祭の流行を敏感に感じ取りながら変化していきました。
江戸時代から続く伝統を守りながらも、現代においても多くの人々を魅了しています。
平成17年(2005)、「川越氷川祭の山車行事」として 国指定重要無形民俗文化財となり、
平成28年(2016)には、「川越氷川祭の山車行事」として、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」に登録されました。
2024年の「川越まつり」開催日
2024年10月19日(土)、10月20日(日)
「川越まつり」のスケジュール
10月19日(土)
午前中
それぞれの山車が町内を巡行午前中から町中ではお囃子の音色に包まれます。
山車の町内引廻しで動いている山車を見ることもできます。
13:00~15:00ごろ 市役所前での山車
巡行川越市役所本庁舎前で山車が巡行します。多くの山車が見ることができます。
18:00~19:00ごろ 宵山
中心市街地の各所で山車がじっくり見られ、囃子演舞で盛り上がります。
19:00~21:00ごろ 曳っかわせ
巡行している山車が出会うと向かい合い、お囃子と踊りの競演が始まります。
提灯を掲げた若衆の威勢の良い掛け声で祭りは盛り上がります。
10月20日(日)
11:00~12:00ごろ 市役所前での山車揃い
川越市役所前に多くの山車が揃います。一度に多くの山車を見ることができます。
18:00~19:00ごろ 曳っかわせ
祭りもいよいよクライマックス。若衆の威勢の良いかけ声と共に入り乱れるお囃子と踊りの競演。
川越まつりの雰囲気は最高潮に達します。
「川越まつり」の見どころ
動く文化財・絢爛豪華な山車
川越まつりの山車(だし)は、祭りの主役とも言える存在で、その豪華さや歴史的価値が高く評価されています。
山車は全部で29台あって、そのうち15台前後が祭りに参加します。
これらの山車は、江戸時代の町人文化を象徴するもので、それぞれ異なるデザインやからくり人形が施されています。
山車は二重の鉾と、伸縮自在の迫りあげ式構造が大きな特徴。
横の前には唐破風か欄間を乗せた舞台があって、多くの山車はせいご台の上で360度水平回転する回り舞台になっています。
山車の上部には、江戸時代の名工たちが手掛けた精巧な人形が飾られており
、多くの場合、歴史的な武将や神話の人物が題材となっています。
四ツ車、又は三ツ車と台座(せいご台)の上に、二重のあんどん(鉾)を組み、
上層に出る部分と人形は、それ ぞれ迫りあげ式のエレベーター構造になっていて、
城の門をくぐる際に伸び縮みできるようにした仕掛けといわれています。
鉾の前に唐破風か欄間を乗せた舞台(囃子台)があり、
多くの山車はせいご台の上で360度水平回転する回り舞 台になっています。
山車には、黒や赤の漆が塗られ、金箔も使われていてとっても煌びやか。
勾欄や腰まわりの彫刻はけやき材で、はめこみ式。
さらに上、下の鉾には金銀の彩りが煌びやかな刺しゅう仕上げの幕が張られています。
高さは8〜10mにも及びます。
山車は、地域住民によって大切に保管され、毎年の祭りのために修復やメンテナンスが行われています。
お囃子や踊りの見事な競演「曳っかわせ」
「曳っかわせ」とは、数台の山車が狭い路地や交差点で向かい合って、繰り広げられるお囃子と踊りの競演。
囃子(笛、太鼓、鉦、踊り)で競演して、盛り上がると急テンポのリズムで展開され、
威勢の良い若衆のかけ声とともに提灯を高々と振り上げて祭りを盛り上げます。
山車が擦れ合う瞬間や、お囃子のリズムが高揚感を引き立て、
観客はその迫力あるパフォーマンスに魅了されます。
とくに夜の「曳っかわせ」は最高潮の盛り上がりを見せます。
まとめ
祭り期間中は、川越市内の各所で山車が巡行し、国の重要伝統的建造物保存地区に指定されている歴史的な町並みと調和した光景が広がります。
特に、夜の巡行は提灯の明かりが山車を照らし出し、幻想的な雰囲気が楽しめて、川越の伝統文化と現代が融合した祭りの醍醐味を味わうことができます。