銀山温泉は大正ロマンたっぷりのノスタルジックな温泉地。子供たちにも大人気のアニメ「鬼滅の刃」のモデルではといわれていて、「アニメ聖地巡礼」のスポットとしても注目が集まっています。家族・ファミリー揃ってアニメの世界を感じながら歩くことができる温泉地の魅力を紹介します。
銀山温泉
銀山温泉はかつて江戸時代初期の大銀山として栄えた「延沢銀山」の名称に由来している温泉地。大正末期から昭和初期に建てられた洋風木造多層の旅館が銀山川の両岸に沿って軒を並べていて大正ロマンを感じながら歩くことができます。1986年に「銀山温泉家並保存条例」を制定して景観整備に努めています。
温泉街は、銀山川沿いに木造の温泉旅館が軒を並べ、唐破風の玄関や格子の窓、木造のバルコニー、そして鏝絵（こてえ）と呼ばれるカラフルなレリーフが特徴です。夕暮れになると、ガス灯の明かりが点灯し、ノスタルジックな日本情緒を感じることができます。
またきめ細やかな霜降りのブランド牛「尾花沢牛」や、地元産のそば粉で作られた「尾花沢蕎麦」など地元グルメも楽しめます。「カリーパン」も人気で、おやつにぴったりです。
幻想的な冬の雪景色
銀山温泉は、国内有数の豪雪地帯として知られており、冬季には深い雪に覆われます。雪の積もり方は年によって異なりますが、例年1月から2月にかけてが見頃で、最大で256センチの積雪も記録されています。雪化粧をした街並みは、まるで映画「千と千尋の神隠し」の舞台のように幻想的です。
夜になると銀山川沿いの温泉街はガス灯のやわらかな灯りで照らされます。このライトアップは、16:30から17:00頃に始まり、雪に覆われた温泉街をドラマチックに照らします。訪れる人々をやさしい気持ちで包み込み、特別な体験を提供します。
冬の銀山温泉では、雪見の露天温泉を楽しむことができます。温泉街の中にある「和楽足湯」や各旅館の露天風呂で、雪の中で温泉を楽しむことができるのは、銀山温泉の冬の魅力の一つです。
銀山温泉の効能
銀山温泉の泉質は、ナトリウム・塩化物・硫酸塩温泉（低張性中性高温泉）と分類されます。特に、硫黄泉として知られており、肌に優しい成分を多く含んでいます。
硫黄成分が肌の新陳代謝を促進し、古い角質を取り除くため、しっとりとしたツヤのある肌を実感できることが多いです。特に、アトピー性皮膚炎や乾燥肌に効果的です。温泉にはメタケイ酸やカルシウムイオンが含まれており、湯上がりの肌がしっとり、夏でもベタベタしない効果があります。
また温泉が血行を良くするため、筋肉の緊張を和らげ、疲労回復やリラックス効果が得られます。身体の芯から温まり、日常のストレスや疲れを解消することができます。
次のような病気や症状に効果があるといわれています。
- 皮膚病:
切り傷、火傷、慢性皮膚炎などに効果があります。 - 筋肉・神経痛:
筋肉の緊張を和らげ、神経痛や筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺などに効果があります。 - 消化器病:
慢性消化器疾患、慢性便秘、慢性胆嚢炎、胆石症などに効果があります。飲泉でもこれらの症状を改善する効果が期待されます。 - 婦人病:
慢性婦人病に効果があります。 - 動脈硬化・心臓病:
動脈硬化症や心臓病の軽減に効果がありますが、重度の場合には高温浴を避ける必要があります
アニメの聖地としての注目
宮崎アニメの「千と千尋の神隠し」の温泉街と歓楽街が銀山温泉をモデルにしている可能性が高いとされています。特に、能登屋旅館前の赤い橋とその向こう側にある湯屋「油屋」がモデルとされる場面があります。特に夜のライトアップ時には映画のような雰囲気を感じることができます。大正ロマンな雰囲気たっぷりの温泉街は、映画「千と千尋の神隠し」の街並みと似ているといわれていて、ガス灯が灯る木造多層の旅館が並ぶ町並みは、映画の舞台と似た幻想的な風景です。
また大人気のアニメ「鬼滅の刃」の「刀鍛冶の里編」では、銀山温泉の温泉街とその背景の山の様子が登場する建物や景観と酷似しています。大正ロマンを感じさせる建物や街並みが作品の中で再現されています。刀鍛冶の里では、切り傷ややけどに効く温泉が登場する場面があり、これは銀山温泉の温泉効能とも共通しています。
2016年に放送されたテレビアニメ「ガーリッシュナンバー」の第8話『ねぼすけ千歳と湯煙旅情』で登場する温泉街が銀山温泉です。銀山温泉入口の橋「白銀橋」はアニメの冒頭で登場します。無料の足湯「和楽足湯」は苑生百花と柴崎万葉が登場するシーンがあります。さらに木造4階建ての建物「古山閣」は柴崎万葉の実家のモデルとされています。食事処「伊豆の華」も登場、メニュー表や内部の描写も一致しています。
またアニメ「ラブひな」の聖地でもあり、現在改装中（2024年12月現在）の「小関館」は主人公の浦島景太郎が住んでいた「ひなた荘」のモデルとされています。
銀山温泉のおすすめ旅館
能登屋旅館
能登屋旅館は温泉街の中心部に佇む1892年創業の老舗旅館。銀山川を挟んで建つ本館と別館からなります。本館は1921年に建てられて、国指定登録有形文化財に指定されています。館内は大正時代の姿をそのまま留めた飴色の階段や吹き抜けの談話室など、大正レトロな趣ある空間。
宮崎アニメの「千と千尋の神隠し」の中に登場する神々の世界に迷い込んだ千が辿り着いた赤い橋とその向こう側にある湯屋「油屋」のモデルだといわれていて、子供たちが喜ぶこと間違いなし。館内には天然温泉の大浴場、露天風呂、白銀の滝を望む高台にある展望露天風呂、貸切の洞窟風呂が完備されています。
住所：山形県尾花沢市大字銀山新畑446
藤屋
江戸時代に創業した老舗旅館の藤屋。2006年に新国立競技場の設計を手掛けた隈研吾氏の設計によって改装が行われ、伝統を周囲の景観と調和しつつ、洗練されたスタイリッシュなデザインの温泉旅館に生まれ変わりました。
ステンドグラスや和紙、簾虫籠（すむしこ）と呼ばれる竹製のフィルターなどを重ね合わせてデザインされた優しさを感じる空間は、日常を忘れたひと時を過ごすことができます。全8室に対して5つの貸切風呂が用意されていて、宿泊者限定。24時間空いていればいつでも湯浴みを楽しめます。
住所：山形県尾花沢市銀山新畑443
古勢起屋旅館別館
銀山温泉街のほぼ中央に位置し、切妻屋根の木造四層構造の川側の建物と鉄筋五階建の山側の建物が一体となった風情のある旅館です。客室は伝統的な木製建具と床の間を備え、上質の家具をあつらえた純和室で、落ち着いた雰囲気。ベッド2台の板の間＋和室の定員2〜4人の客室のほか、飾り障子や欄間を設け和室にベッド2台を備える二間続きの客室なども用意されていて家族・ファミリーにはぴったりです。
住所：山形県尾花沢市銀山新畑417
銀山温泉にはホテル・旅館の数自体はそれほど多くありません。「鬼滅の刃」の聖地ではと注目されていて、予約もより困難になることが予想されます。天童など周辺の宿の宿泊もおすすめです。
銀山温泉へのアクセス
列車で行く場合、最寄りとなる駅は山形新幹線の大石田駅。大石田駅から市営バスに乗って銀山温泉バス停まで約40分。バス停から温泉街まで徒歩で約10分です。大石田に停車する新幹線は数が限られるので要注意です。また宿から送迎サービスもあるので、予約の際に問い合わせると対応してくれます。
銀山温泉に行くバスツアー
幻想的な冬景色に加えて、「アニメの聖地」ということもあって銀山温泉の人気は年々高まっています。混雑や事故防止のため、2024年12月20日から2025年3月末までの冬期間、日帰り観光客を対象にマイカー規制と入場制限を実施されます。そんな銀山温泉の散策を楽しめるバスツアーもあります。雪道はトラブルや事故の心配も大きく、運転にも何かと気を使います。バスツアーならそんな気苦労もありません。
【新宿[都庁]発】＜期間限定クリスマスクーポン配布中＞ノスタルジックな冬の東北へ！大正浪漫を感じる「銀山温泉街」＆江戸時代の街並み「大内宿」 天童温泉２日間
まとめ
「鬼滅の刃」の新シリーズとともに「アニメの聖地」として改めて注目が集まっている銀山温泉。「鬼滅グッズ」は子供たちに大人気。数々の人気アニメの舞台とされる日本の原風景を感じさせる温泉地散策は家族・ファミリーのとっても思い出に残る旅になること間違いなし。アニメをきっかけに銀山温泉を訪ねる家族・ファミリーの旅行の参考になると幸いです。
