福岡市は九州の中心都市。古くから「アジアの玄関口」として、大陸との交流が盛んに行われ、発展してきました。志賀島から出土した「漢委奴国王」はそれを物語っています。大宰府は律令制の下に置かれた地方最大の役所として、外国との交渉の窓口、西の防衛、また九州諸国をまとめるという役割を持ち「遠の朝廷」と呼ばれました。
そこで博多発の宿泊バスツアーのコースでよく立ち寄る人気スポットを紹介します。
角島
角島は山口県の北西にある、日本海にぽっかりと浮かぶ、つつみの形をした島。平成12年(2000)に角島大橋が完成して人気の観光スポットとなりました。角島の魅力は目を見張るばかりの白い砂浜とエメラルドグリーンの海。様々な映画やテレビ番組、コマーシャルのロケ地にもなっています。角島大浜海水浴場・キャンプ場としおかぜコバルトブルービーチは夏は海水浴で賑わいます。角島灯台は明治9年(1876)に初点灯した総御影石造り、日本海側初の洋式灯台。現在も毎日点灯しています。海士ヶ瀬公園は角島大橋と角島、そしてエメラルドグリーンの海と一望できる絶景スポットです。
元乃隅神社
元乃隅神社は地元の漁師であった岡村斉(おかむらひとし)さんの枕元に白狐が現れ、「これまで漁をしてこられたのは誰のおかげか。」と過去からの関わりを詳細に述べた後、「吾をこの地に鎮祭せよ。」というお告げがあったことをきっかけに建てられた神社です。商売繁盛、大漁、海上安全をはじめとして、良縁、子宝、開運厄除、福徳円満、交通安全、学業成就、願望成就にご利益があります。目の前に広がる日本海のコバルトブルーと、丘を降って海に向かってずらりと並ぶ123基の朱色の鳥居、そして草花の緑が織りなす色彩のコントラストは見応え抜群です。
草千里ケ浜
草千里ヶ浜は烏帽子岳の北麓に広がる大草原。中央には雨水がたまってできた大きな池があり、牛や馬が放牧されていて、季節によってまったく異なる景色を楽しむことができます。緑鮮やかな夏、白銀の幻想的な冬と四季の彩りもさることながら、緑の草原と新鮮な空気、そして大きな青空のなか自由に牛や羊たちがのんびりと草をはむ姿が心を癒してくれます。今も噴煙を上げる中岳の雄姿も見ることができます。
大観峰
世界有数の巨大なカルデラとカルデラ内にある今も噴煙を上げる中岳を中心とした阿蘇五岳、カルデラの外側にはなだらかな火砕流台地によって形成された外輪山など自然の営みによって創り出された阿蘇の景観は阿蘇ジオパークに登録されています。大観峰は阿蘇五岳と阿蘇カルデラの景観を一望することができるビュースポット。360度の雄大なパノラマを楽しむことができます。阿蘇外輪山の一部であり、名前は大正時代の文豪徳富蘇峰によって名づけられました。
熊本城
「築城の名人」加藤清正によって築かれた城。武者返しと呼ばれる石垣は熊本城の特徴のひとつです。下はゆるやかになっていて簡単に登れるように見えますが、上に向えば向かうほど反り返りが激しくなり、登ることができません。忍者も登ることができないということから「武者返し」という名前が付けられました。
大天守、小天守は明治時代の西南の役で焼失しましたが、昭和35年(1960)に正確に外観を復元したうえで再建されています。平成28年(2016)の熊本地震で甚大な被害を被りましたが、順調に復興への道を歩んでいます。
令和3年(2021)から第三弾特別公開として天守内部の見学も可能となりました。市内にある細川氏の庭園水前寺成趣園に訪ねるコースもあります。
高千穂峡
高千穂は熊本県、大分県との県境にある「神々の里」。神話や伝説が言い伝えられているスポットが数多く残ります。自然が織りなす美しく神秘的な景観やパワースポットとしても知られる神社を巡って、「神話のふるさと」の魅力を感じることができます。高千穂峡は阿蘇山の火山活動で噴出した火砕流が五ヶ瀬川に流れ出て冷え固まり侵食された断崖がそそり立つ峡谷です。高いところで100m、平均して80mの断崖が東西7㎞にわたって続いています。
峡谷内には「日本の滝百選」に選ばれている真名井の滝があります。真名井の滝は天孫降臨の際、この地に水がなかったので、 天村雲命が水種を移した「天真名井」から湧き出る水が水源の滝と伝えられています。流れ落ちる高さ17mの滝は神秘的な魅力抜群。遥か昔の神話の世界を創造することができるでしょう。
さらに神話に由縁のある「おのころ島」や「月形」「鬼八の力石」など、 高千穂峡の遊歩道のみで高千穂の魅力を十分に感じることができるスポットです。高千穂峡といえば貸しボート。ボートから見上げる真名井の滝は迫力満点です。
<天孫降臨の地> 神都 高千穂を感じる旅 ~伝統の神事「夜神楽」&神秘の峡谷「高千穂峡」大満喫~
軍艦島
軍艦島の正式名称は端島といいますが、岸壁が島全体を囲い、高層鉄筋コンクリートの建造物が建ち並ぶその外観が、三菱重工長崎造船所で建造されていた軍艦「土佐」に似ていたことから「軍艦島」と呼ばれるようになりました。
世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産~製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の一つです。島の見学・上陸には予約制の軍艦島上陸クルーズに参加する必要があります。バスツアーではコースの一部になっているので、上陸クルーズを予約する手間が省けます。
島原城
島原城は小高い丘を利用した南北に連なる連郭式平城です。外郭は周囲約4kmの長方形で塀をめぐらされていて、城門が7か所、平櫓が33か所ありました。内郭は堀にかこまれた本丸・二の丸を設け、その北に藩主の居館である三の丸が続きます。
本丸には安土桃山式建築の粋を集めた総塗り込めの五層の天守閣をはじめ、3か所に三層櫓がそびえ立つ豪壮堅固な城構えでした。城は島原藩の初代藩主松倉重政によって築かれました。
松倉氏が島原の乱の責任を取らされて改易された後、高力氏、松平氏、戸田氏、松平氏と藩主が変わり、明治維新を迎えました。島原城下町は当時の面影を残す武家屋敷が今も残されています。
「九州の小京都」日田
江戸時代は徳川幕府の直轄地である天領だった日田。筑後川に流れる三隈川に面した豊富な水資源に恵まれていて、「水郷日田」とも呼ばれています。一番の見どころは豆田町。往時をしのばせる江戸時代から残る白壁の旧家が建ち並んでいて、国の重要伝統的建造物保存地区にも指定されています。
「日本遺産」にも登録されている咸宜園跡は広瀬淡窓が開いた江戸時代末期の私塾。高野長英や大村益次郎を輩出しました。
夏の風物詩!一度は見たい、美しき伝統の川漁。 日本三大鵜飼!約400年の歴史を受け継ぐ「水郷日田」の鵜飼をご観賞&屋形船で会席料理に舌鼓!2日間
くじゅう高原
くじゅう高原のある「阿蘇くじゅう国立公園」は「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づく「国立公園満喫プロジェクト」に選ばれた8つの国立公園の一つ。くじゅう連山などの火山群とその周囲に広がる雄大でなだらかな高原、そして湧き上がる豊かな温泉が魅力。そんな魅力たっぷりのくじゅう高原の中で博多発宿泊バスツアーが立ち寄るイチ押しスポットを2か所紹介します。
九重“夢”大吊橋
「九重“夢”大吊橋」は鳴子川渓谷の標高777m地点に架かる長さ390m、川床からの高さ173mでともに日本一の規模を誇る日本一の人道専用吊橋。橋の上からは日本の滝百選に選ばれた震動の滝の雄滝や雌滝、紅葉で有名な九酔渓の絶景を楽しめます。
くじゅう花公園
「くじゅう花公園」ではくじゅう連山や遠くに阿蘇五岳を背景とした美しい自然が満喫できて、春はチューリップやビオラ、シバザクラ、ポピー、初夏から夏にかけてはラベンダーやひまわり、秋はラベンダーやケイトウ、ひまわりと四季折々の花々に囲まれて癒しとくつろぎのひと時を過ごすことができます。
天草
熊本県南西部にある天草は「雲仙天草国立公園」の一角をしめていて、青い海や豊かな山に囲まれている大小120余の島々からなる諸島です。九州本土とは天草五橋と呼ばれる5つの橋で結ばれていて、「天草パールライン」とも呼ばれるドライブスポット。
一年中楽しむことのできるイルカウォッチングや東シナ海に沈む夕日を楽しめる海岸など風光明媚な自然景観に恵まれています。
キリシタン信仰や文化と歴史的に縁が深く、当時の信仰をしのばせる場所が多く残されています。天草は鉄道がなく、公共交通機関は路線バスが中心。本数も決して多くなく、バスツアーならではのメリットが大いに活かされます。
世界遺産・崎津集落
天草下島の西部にある熊本県天草市河浦町に位置する「崎津集落」では江戸時代のキリスト教の禁教下では仏教、神道、キリスト教が共存し、漁村特有の信仰形態が育まれました。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一部として世界遺産に登録されています。
﨑津教会
崎津協会は明治21年(1888)に完成。現在の建物は昭和9年(1934)に建てられました。教会の場所はキリシタン弾圧の象徴である「踏絵」が行われた庄屋役宅跡が選ばれて、祭壇は絵踏みが行われた場所に位置しています。建物はゴシック様式。堂内は畳敷きになっていて、鮮やかなステンドグラスから光が差し込みます。羊角湾のそばに建つことから「海の教会」とも呼ばれています。
﨑津諏訪神社
禁教時代、潜伏キリシタンはこの神社の氏子となりました。そして参拝の際には密かにオラショと呼ばれるお祈りを唱えていたという密かな信仰を守るために、長い期間にわたって重要な役割を果たした場所です。
大江教会
明治維新以後、キリスト教信仰が解禁されて、天草で最も早く造られた教会です。現在の建物は昭和8年(1933)に建てられました。丘に建っていることから崎津協会が「海の教会」と呼ばれているのに対して、「丘の教会」と呼ばれています。
博多発 宿泊バスツアー 温泉 人気ランキング5選
宿泊付きバスツアーの宿泊先として人気なのが温泉地の温泉旅館。九州は良質の温泉が豊富で情緒あふれる温泉街、日ごろの疲れを癒すことができる気持ちの良い温泉がいっぱい。九州の温泉で真っ先に思い浮かぶのは「おんせん県おおいた」が誇る2大温泉地、別府と由布院。しかし他にも素晴らしい温泉がたくさんあります。そんな九州の温泉の中で博多発の宿泊バスツアーで人気の温泉地を5か所紹介します。
黒川温泉
緑豊かな山々に囲まれた三十軒の旅館が集う山間の温泉地。季節ごとに美しく表情を変える景観と、「入湯手形」で楽しむ豊富な泉質を堪能できる露天風呂の湯巡り。里山ならではの、ゆったりと流れる上質な時間を楽しめます。
長湯温泉
長湯温泉は久住山麓にある奥豊後の温泉地。炭酸濃度、湧出量、温度から「世界屈指の炭酸泉」、「日本有数の炭酸泉」とされ、その効能で知られています。岡藩主・中川候が入湯宿泊のために温泉を取り込んだ御茶屋が建設するなど古くから湯治場として広く知られています。また歌人の与謝野鉄幹や種田山頭火など多くの文人にも愛されました。温泉街の中心を流れる芹川の川原にあり、人間の娘に恋をしカニの伝説が残る混浴露天風呂「ガニ湯」や、ドイツ風の建築が特徴的な「御前湯」、そして炭酸の気泡がはっきり見える湯で有名な「ラムネ温泉」などバラエティに富んだ温泉を楽しめます。
内牧温泉
20軒を超えるホテルや旅館が建ち並ぶ、阿蘇を代表する温泉街です。地元の人の憩いの場として愛されている「町湯」と呼ばれる公衆温泉めぐりも楽しみの一つです。夏目漱石や与謝野晶子といった文化人もこの地を訪れています。
雲仙温泉
雲仙温泉では荒涼とした大地から聞こえる湯の湧く音や蒸気が激しく立ち昇る様子を見ることができます。地獄地帯の中にある「雲仙地獄茶屋」は地熱を直に感じることが出来る「雲仙地獄足蒸し」や、温泉卵を販売する「雲仙地獄工房」がある人気スポットです。春はツツジ、夏は緑、秋は紅葉、冬は霧氷と、雄大な山々が四季それぞれの姿を見せ、豊かで多彩な自然を楽しむことができます。
長門湯本温泉
開湯は室町時代の1427年。大寧寺の住職が、住吉大明神の神託によって発見したといわれています。開湯時に発見した源泉は現在も湧出しています。江戸時代には長州藩の藩主も湯治に訪れています。泉質はアルカリ性単純温泉で、無色透明。アルカリ度はかなり高く、肌にやわらかな湯で、化粧水成分に近く「美肌の湯」ともよばれています。平成28年(2016)には安倍首相とプーチン大統領による日露首脳会談が行われました。
まとめ
季節に応じた話題の絶景スポットや、グルメや温泉ほか、旅の旬を熟知している旅行会社の「こだわり」が詰まった魅力的な商品があって選ぶのに迷うほどです。九州本土は温泉や古い町並み、自然にグルメと各県それぞれ魅力を持ち合わせています。博多発の宿泊バスツアーに参加して九州の魅力、そして今まで知らなかった新しい発見に出会う旅に出かけてみてはいかがでしょうか。