クルーズの寄港地 舞鶴
日本海のクルーズの中には京都府の北部、舞鶴に寄港するコースも含まれています。舞鶴と聞いてもあまり耳なじみがないかもしれません。日本海に面した港湾都市、戦前から戦中にかけては海軍の一大拠点でした。戦後は大陸に進駐していた軍人や一般人の日本本土への引き揚げてくる港でした。舞鶴から足を運んでいただけるスポットについて紹介させていただきます。
日本三景 天の橋立に行こう
宮城県の松島、広島県の厳島神社とならぶ日本三景の一つに数えられているのが天橋立です。天橋立のある宮津市は舞鶴から近く、日帰り観光を楽しんでいただけます。幅は約20~170m・全長約3.6kmの砂浜です。砂浜には大小約8000本もの松が茂っている珍しい地形になっていて天に架かる橋のように見えることから「天橋立」と呼ばれるようになりました。長い年月ををかけて自然がつくりだした神秘的な風景は必見です。
宮津天橋立の文化的景観
百人一首の中にも「大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみもみず 天の橋立」と詠われている天橋立一帯は「宮津天橋立の文化的景観」として重要文化的景観に登録されています。重要文化的景観とは平成16年度における景観法の制定と同時に文化財保護法が改正され、新しく設けられた文化財の一つです。都道府県や市町村の申出にもとづいて、特に重要な文化的景観を、国が「重要文化的景観」として選定し、その保護・保全が図られます。「宮津天橋立の文化的景観」は平成26年3月18日に選定されました。
宮津市のウェブサイトによると選定基準は「養殖いかだ・海苔ひびなどの漁ろうに関する景観地」「道・広場などの流通・往来に関する景観地」、「垣根・屋敷林などの居住に関する景観地」であり、「前項各号に掲げるものが複合した景観地のうち我が国民の基盤的な生活又は生業の特徴を示すもので典型的なもの又は独特なもの 」と記載されています。景観の概要は「古代の丹後国府推定地から中・近世の信仰地、近・現代の行楽地へと発展してきた、当地の歴史的重層性を示す土地利用の在り方と、宮津湾西岸及び阿蘇海西岸及び北岸で営まれる農業・漁業による土地利用の在り方とが複合した、独特の文化的景観」とのことです。
天橋立のビューポイント
天橋立を見ていただけるビュースポットとして次の4つが挙げられます。
- 北から南を見た「股のぞき観」。股のぞき発祥のかさ松からの股のぞきからこのように呼ばれます。
- 龍が天に昇るように見立てられることから名付けられた飛龍観。南から北を見た眺望です。
- 雪舟が絵に描いたことで知られる雪舟観。東から西にかけての眺望です。
- 漢字の「一(いち)」の字に見えることから呼ばれる一字観。西から東にかけての眺望です。
舞鶴に寄港するクルーズに参加する際にはぜひ、天橋立に足をお運びください。