最近、その良さが見直されているフェリー。近年は設備も充実して、ホテルに滞在している感覚で乗船を楽しむことができます。フェリーの魅力はマイカーやバイクを航送して、現地で利用できること。日本で航行しているフェリーの中で名門大洋フェリーの「フェリーふくおかⅡ」を紹介します。
「フェリーふくおか」とは?
「フェリーふくおか」は名門大洋フェリーが所有している船です。名門大洋フェリーは設立当初から大阪~新門司間を結ぶ瀬戸内海航路の運航を続けています。船は「フェリーふくおかⅡ」をはじめ、「フェリーきょうとⅡ」「フェリーおおさかⅡ」「フェリーきたきゅうしゅうⅡ」の4隻の船を保有しています。「シティライン」の愛称で親しまれています。大阪南港と新門司港を上下2便ずつ運航。夕方に出港して翌日の早朝に入港する便と、夜に出港し翌日朝に入港する便があります。展望レストランや展望浴場を備えた船内設備は、大海原を間近に望むことができて、ホテルに滞在している気分を感じることができます。
「フェリーふくおか」 航海中の見どころ
「フェリーふくおかⅡ」は瀬戸内海を航行します。航行中、明石海峡大橋、瀬戸大橋、来島海峡大橋の三大架橋の下を航行します。これらの橋が演出する美しい夜景は見ごたえ抜群。特に大阪南港発の船便に乗船するとイルミネーションランプによるライトアップされた明石海峡大橋の美しい夜景が楽しめます。
「フェリーふくおか」の客室紹介
豪華な雰囲気とヨーロッパ調の調度品は、まるでエグゼクティブホテルそのもののスイートとデラックスはバス、トイレに加えて冷蔵庫、洗面台も完備した客室。ファーストは洋室と和室があり、洋室は1,2,4名部屋、和室は2,3名部屋が用意されていて、一人旅からカップル、家族旅行まで旅行人数に応じて、部屋を選ぶことができます。またベッドタイプの相部屋ツーリスト、大部屋タイプの相部屋エコノミーはレディースルームも設けられていて、リーズナブルに女子旅でも安心して宿泊することができます。
「フェリーふくおか」 新門司 おすすめ観光スポット
「フェリーふくおか」の発着港、新門司港でおすすめのスポットは「門司港レトロ地区」。横浜や神戸と並ぶ国際貿易港として栄えた当時をしのぶ赤レンガの建物などが観光資源として見直されています。JR門司港駅は大正三年(1914)に建てられた重厚なネオ・ルネサンス様式の建物で国の重要文化財に指定されています。やはり国の重要文化財に指定されているハーフティンバー様式と呼ばれるヨーロッパの伝統的な木造建築工法で建てられた旧門司三井倶楽部、明治45年に煉瓦造り瓦葺2階建構造で建設された旧門司税関、オレンジ色タイルと白い石の帯が調和したデザインの外観と八角形の塔屋が目印旧大阪商船門司支店といった「古き良き大正ロマン」を感じることができます。
2021年度就航予定の新造船
現在、名門大洋フェリーでは2021年度の就航を目指して新造船の建造が進められています。新造船が就航すると、「フェリーふくおかⅡ」は「フェリーきょうとⅡ」とともに新造船に道を譲ることになります。新造船は「きょうと」「ふくおか」の都市名を継承することから、居住空間のデザインは歴史的建築物の凛とした佇まいや四季折々の風情が息づく京都の街並みをモチーフとした「古都のたたずまい」と、近代的なウォーターフロント開発が進む博多湾の臨海エリアと、海の中道や能古島の自然が共存する福岡の活力をモチーフとした「ベイサイドシティのきらめき」を基本コンセプトにするとのこと。プライバシーを重視して、多様化する旅のスタイルに対応して洋室(2~3 名部屋)にはトイレ・シャワー設置、1名部屋を数多く設置するとのことです。女性客や小さな子供様連れの家族に優しいフェリーを目指してパウダールーム、授乳室、キッズルームを設置するとのこと。さらに地球環境にやさしい運航を目指してハイブリッド型アジマス推進加勢方式、空気潤滑システムを採用して、ハイブリッド型スクラバーを設置するとのことです。
「フェリーふくおか」の予約方法
名門大洋フェリーの予約は乗船日2ヶ月前の同日午前9:00からウェブサイトと電話にて受け付けています。飛行機は早期割引があったり、格安航空会社(LCC)もあって、格安の運賃があったりしますが、名門大洋フェリーの場合、今のところそうした割引制度は設けていません。しかし、飛行機の「格安」運賃は予約完了後、取消料が発生したり、取消不可だったりリスクが大きいところも実情ですね。観光だけでなく、ビジネスでの利用も多いので早めの予約したほうが希望通りの部屋を取ることができます。
現在、運航している「フェリーふくおかⅡ」は残すところ約1年ちょっとの運航期間を残すところとなりました。退役後はどうなるか現時点で未定ですが、記念に一度、乗船してみてはいかがでしょうか。