JR九州では九州内各地で「D&S列車」と呼ばれる観光列車を走らせています。この記事で紹介するのは宮崎県を走る「海幸山幸」。風光明媚な日南海岸の海岸線を走っていたと思ったら、緑濃い山間へと入り、変化に富んだ景色が楽しむことができます。
「海幸山幸」の概要
「海幸山幸」は宮崎駅から日南線の南郷駅まで運行しています。運転日は金、土、日曜日と祝日が中心で学校が春休み、夏休み、冬休みの時期、ゴールデンウィークの時期にも運転されます。ちなみに海幸山幸という名前は、神話に登場する「海幸彦」「山幸彦」に由来しています。
運行は一日一往復。下り列車は宮崎10:11発、終点の南郷駅に11:47着。上り列車は南郷駅を15:35発、終点の宮崎駅に17:15着です。途中、「鬼の洗濯板」で有名な青島、城下町の風情と情緒のある町飫肥などに停車します。
運賃・料金は宮崎~南郷 まで乗車した場合、乗車券が片道1,310円、特急料金が片道1,050円(大人、小人は半額)です。
「海幸山幸」の車内
「海幸山幸」は2両編成。1号車が山幸、2号車が海幸と名付けられています。車内には沿線の名産である飫肥杉がふんだんに使われていて、落ち着いた雰囲気。海幸、山幸いずれの車両にもソファシートが設けられていて、語らいやくつろぎのひとときを楽しむことができます。座席の配列は2列-1列。指定席はリクライニングシートになっていて、ゆったりとくつろぎながら南国の景色を楽しむことができます。また、山幸側にはソファーシートに隣接するサービスカウンターを設置。宮崎の郷土玩具や飫肥杉製のおもちゃを展示されています。
沿線の見どころ
「九州の小京都」飫肥
飫肥は天正16年(1588)から明治維新まで約280年間伊東氏5万1千石の城下町として栄えました。城下町は現在も武家屋敷を象徴する門構え、風情ある石垣、漆喰塀が残る町並みが残されていて昭和52年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。商人町通りには樽を店頭に置いた商家や、格子に壁燈籠、番傘を飾った商家が軒を連ね、町を流れる堀割の清流など、江戸時代の面影を残した街並みを楽しむことができます。沿線では一押しの途中下車しての観光スポットです。
青島 「鬼の洗濯板」
「鬼の洗濯板」は青島から南の巾着島までの約8kmにわたる海岸線に見られる波状岩は、通称「鬼の洗濯板」。長い間に波に洗われ、固い砂岩層だけが板のように積み重なって、巨大な洗濯板のように見えることから「鬼の洗濯板」と呼ばれています。「海幸山幸」の車内からもその絶景を楽しむことができます。
高度成長期には人気のハネムーンの目的地だった宮崎。毎年2月にはプロ野球のキャンプが宮崎県各地で行われます。1年を通じて温暖な気候。列車から眺める車窓だけではなく、途中下車しての旅も楽しむことができます。宮崎に行った際にはぜひ、状うしゃしてみてください。