「おんせん県おおいた」を代表する温泉地の一つ、由布院温泉。「豊後富士」と呼ばれる美しい由布岳の山麓に広がるのどかな田園地帯が広がる中に佇む温泉地です。温泉湧出量、源泉数ともに全国2位の豊富な湯量を誇ります。由布院温泉には個性的な宿がたくさん。そんな中でおすすめの由布院の宿を厳選して紹介します。
憧れの「御三家」に泊まろう!
由布院温泉の旅館の中で憧れとされているのが「御三家」と呼ばれる「由布院玉の湯」、「旅館亀の井別荘」、「山荘無量塔」の3つの高級旅館。まずは3つの旅館を比較してみましょう。
由布院 玉の湯
約3,000坪の広々とした敷地にわずか17室の離れの客室が点在しています。全室に温泉かけ流しの木造りの内風呂があり、目の前に広がる森林の香りやざわめきを楽しみながら温泉に浸かることができます。宿泊しなくても旅館の魅力を楽しむことができます。「ティールーム Nicol(ニコル)」のアップルパイは売り切れ必至の人気メニュー。別府の老舗「友永パン」のあんぱんもおすすめです。「山里料理葡萄屋」は地元の食材にこだわった食事処。夏は古代杉の大テーブルを、冬は囲炉裏を囲む掘りごたつ席のほか、雑木林に面したテーブル席もあります。「由布院 玉の湯」は由布院のメインストリート、湯の坪街道やJR由布院駅からも近いのが魅力。にもかかわらず、周囲を緑に囲まれた静寂の中でくつろぎのひとときを過ごすことができるのが魅力です。
亀の井別荘
「亀の井別荘」は大正10年創業。泉都「別府」の観光開発に尽力し、田園的な温泉保養地「由布院」の礎を築いた油屋熊八の貴人招待用の別荘として建てられた老舗旅館です。金鱗湖に面していて約1万坪の敷地の中に本館洋間6室と民家風離れ15室とが点在しています。全ての客室で源泉かけ流しの温泉を楽しむことができます。離れの部屋では静かな庭の中で季節の風情を間近に感じながら過ごすことができます。本館の洋室では品格のある家具や調度品がノスタルジックな大正ロマンを感じることができます。山家料理「湯の岳庵」は大きな茅葺屋根が目印。地元の旬の食材をふんだんに使った料理が魅力です。茶房「天井棧敷」は造り酒屋を改装したカフェ。由布岳の雪化粧をイメージしたデザート「モン・ユフ」が有名です。
山荘無量塔
明治や昭和期の一軒家を移築した客室など、全国から移築した伝統的な日本家屋を活用して、それぞれ異なる趣のレトロモダンな客室12棟からなる旅館。全室に専用のバスとトイレが完備されています。食事は季節感を生した山里創作膳を食べることができます。宿泊施設以外にも思わず立ち寄りたくなる魅力的な施設が多いのも特徴。音楽にまつわるアートを集めた美術館「artegio(アルテジオ)」は併設されているチョコレートショップ「theomurata」とともに楽しめます。「Tan’s bar (タンズバー)」ではティータイムはクラシック、バータイムはJAZZを中心に1930年代のアメリカ製劇場用スピーカー、WE16Aホーンが奏でる重厚な音楽が楽しむことができます。
まだまだある!由布院温泉の素敵な旅館
ゆふいん山水館
創業明治44年の老舗旅館。由布院駅から徒歩8分という好立地です。夕食は平成16年に黄綬褒章、平成22年に瑞宝単光章を受章した日本料理の大御所・大田忠道がプロデュースした創作和食会席です。愛弟子の山本料理長が腕をふるいます。朝食は大分の郷土料理や地元産の新鮮野菜のサラダバーなど約50種類のバイキングです。由布岳を一望できる露天風呂、サウナや水風呂、ジェットバスがある「ゆふの湯」、由布院、由布院盆地を大パノラマで見渡せる「あさぎりの湯」と由布院の景観を楽しみながら温泉に浸かることができます。部屋はスイート、特別和室、洋風和室、トリプル、DXツイン、和室、和洋室、スタンダードツインがあります。オススメは由布岳を見渡せる由布岳ビューの部屋です。
山のホテル 夢想園
「山のホテル夢想園」は由布岳と盆地が一望できる高台にある旅館。昭和13年開業の旅館で本館、別館の湯山亭、新館の弘法亭の3館から成ります。露天風呂から由布岳の姿をじっくりと楽しむことが出来ます。「山のホテル夢想園」の自慢は露天風呂。男性専用露天風呂「御夢想の湯」は広さが約100畳。今ではなかなか見られない茅葺き屋根の建物が印象的で由布院の自然の美しさを肌で感じながら温泉に浸かることができます。同じく男性専用露天風呂の「弘法の湯」は夢想園のお風呂の中で一番歴史のある露天風呂。600年前からこんこんと沸き出る源泉そのままを感じることができます。女性専用露天風呂「空海の湯」は150畳以上の圧巻の広さを誇る大きな露天風呂。由布院盆地と由布岳を一望することができます。夕食は地元でとれた新鮮な野菜や山菜、厳選された九州産の国産和牛や地鶏、川魚・近海の魚をふんだんに使った会席料理を楽しめます。
柚富の郷 彩岳館
その名の通り四季折々の由布岳の景観を望める温泉旅館。4000坪の広大な敷地の中に和の趣があり、本館、宿泊棟、温泉棟が建つ敷地内には日本庭園もあります。館内は民芸品、絵画、骨董家具など設えていて、レトロな空間になっています。敷地内に2か所の源泉を持ち、温泉は100%源泉かけ流し。宿の基本理念は「人に優しく、からだに優しく、自然にやさしい」。「温泉」「食」で、身体の内と外の両方から綺麗になれる温泉旅館を目指しているとのこと。開放感を感じながら日常を忘れた寛ぎとやすらぎのひと時を過ごすことができます。
由布院温泉からエクスカーション
「阿蘇くじゅう国立公園」はくじゅう連山などの火山群、そして、その周囲に広がる雄大でなだらかな草原、そして湧き上がる豊かな温泉が魅力。日本の滝百選に選ばれた震動の滝の雄滝や雌滝、紅葉で有名な九酔渓の絶景を楽しめる「日本一の人道の吊り橋」の「九重夢大吊橋」、くじゅう連山と高山植物を楽しめるラムサール条約に登録されている「タデ原湿原」、くじゅう連山や遠くに阿蘇五岳を背景とした美しい自然が満喫できて、春はチューリップやビオラ、シバザクラ、ポピー、初夏から夏にかけてはラベンダーやひまわり、秋はラベンダーやケイトウ、ひまわりと四季折々の花々を楽しめる「くじゅう花公園」など見どころもいっぱい。また春は桜、初夏はミヤマキリシマ、秋は紅葉、冬は樹氷と四季折々の自然を楽しめる鶴見岳、由布院盆地の田園風景を一望できる狭霧台もおすすめです。宇佐八幡宮と神仏習合の独自の文化「六郷満山文化」が花開いた「仏の里」国東半島の石仏と寺院も見ごたえあります。「おんせん県おおいた」は温泉以外の魅力もいっぱい。連泊して、由布院温泉から足を延ばしてみましょう。
大分空港から由布院温泉まで直通バスが走っています。ただ飛行機の発着時刻によってはうまく接続していないバスもあるので、大分空港からのバスの時刻を確認して、飛行機を予約するのがお薦めです。またJR九州が誇るD&S列車と呼ばれるリゾート列車「ゆふいんの森」号が博多駅を発着しています。車内に乗っている時からリゾート気分を味わえる「ゆふいんの森」号。飛行機で行く場合、福岡空港から博多駅に移動して、「ゆふいんの森」号で由布院に向かうのもいいかもしれません。美術館やお洒落なお店も多い由布院温泉。「温泉+α」も楽しんでください。