北海道への旅行で意外におすすめなのがフェリーの旅。道内の移動は車が中心。日ごろ乗り慣れたマイカーやバイクでの現地観光は安心です。フェリーならマイカーやバイクを航走して現地で観光を楽しむことができます。さらに愛犬家にうれしいペット同伴が可能な部屋・設備もあります。本州各地と北海道を結ぶフェリーの発着地の一つが苫小牧。本州へ向けてのフェリーが多数発着する北海道の海の玄関口です。
苫小牧のフェリターミナル
苫小牧には「苫小牧西港フェリーターミナル」と「苫小牧東港フェリーターミナル」の二つのフェリーターミナルがあります。二つのターミナルは20㎞以上離れていて、フェリーターミナル同士を結ぶ連絡バスなどはありません。フェリー会社ごとの乗船場所の確認は要注意ですね。二つのフェリーターミナルそれぞれを発着するフェリー会社、そしてターミナルへのアクセスなどを紹介します。
苫小牧西港フェリーターミナル
苫小牧西港フェリーターミナルの売店・レストラン
「フェリーターミナルショップ メモリア」では苫小牧の名産品「ホッキ」「ハスカップ」をはじめ、北海道を代表する銘菓・グッズといったおみやげを買うことができます。また「レストランカーム」では日替わりランチやドリンクバーなど、食事からサイドメニューまで多彩なメニューが用意されています。
苫小牧西港フェリーターミナルへのアクセス
苫小牧駅から路線バスで約17分。苫小牧駅前1番のりば1番から24系統フェリー線のバスに乗車します。また札幌駅バスターミナル13番乗り場を出発する中央バスの高速とまこまい号、また札幌からは
札幌駅前バスターミナル10番のりばを出発する道南バスの高速ハスカップ号の2つの高速バスがあります。
苫小牧西港フェリーターミナルを発着するフェリー会社
太平洋フェリー
太平洋フェリーの苫小牧発着フェリーは苫小牧~仙台~名古屋の間を運航しています。「クルーズシップ・オブ・ザ・イヤー」のフェリー部門で太平洋フェリーのは28年連続で第1位を受賞。クオリティの高いサービスには定評があります。
太平洋フェリーの運航スケジュール
苫小牧~仙台間は毎日運航、仙台~名古屋間は隔日運行です。運航ダイヤは以下の通りです。
苫小牧 19:00発→仙台 翌日10:00着/ 12:50発→名古屋 翌々日10:30着
名古屋 19:00発→仙台 翌日16:40着/19:40発→苫小牧 翌々日11:00着
太平洋フェリーの客船・客室・船内設備
太平洋フェリーは3隻の船を所有していて、それぞれにデザインコンセプトが定められています。まず「いしかり」は「エーゲ海の輝き」がコンセプト。エーゲ海のきらめく青い海と空、白壁の家々を思わせる明るい船内が特徴です。「きそ」は「南太平洋のしらべ」がコンセプト。南太平洋のリゾートホテルのように優雅で洗練された豪華船です。「きたかみ」は「SPACE TRAVEL」がコンセプト。宇宙船をイメージした白色に様々な光の演出が映える新感覚フェリーです。
バスタブ、シャワートイレ付きの客室はロイヤルスイートルームが1室、スイートルームが1室、セミスイートルームが2室、特等客室(洋室53室、和室10室)。1等客室(和室48室、洋室6室、和洋室24室)はシャワー・トイレ付、バリアフリー対応の部屋が他に2室あります。他に一段ベッドのS寝台、上下完全セパレート2段ベットのB寝台があります。S寝台、B寝台は女性専用客室があって安心で格安な女子旅を楽しめます。
商船三井フェリー
商船三井フェリーの苫小牧発着のフェリーは苫小牧~大洗(茨城)の間を運航しています。夕方便と深夜便と1日2便運航しています。関東と北海道を結ぶ唯一のフェリーです。東京から北海道でフェリーで向かう時は商船三井フェリーが発着する大洗が最寄りになります。
商船三井フェリーの運航スケジュール
夕方便
大洗(19:45発)→苫小牧(翌13:30着)/ 苫小牧(18:45発)→大洗(翌日14:00着)
深夜便
大洗(01:45)→苫小牧(19:45)/ 苫小牧(01:30)→大洗(19:30)
商船三井フェリーの客船・客室・船内設備
夕方便で運航する「さんふらわあ さっぽろ」「さんふらわあ ふらの」の客室は専用バルコニーとバス、トイレ、レストランでのお食事サービスがあるスイートが1室、専用バルコニーとバス、トイレが設置されているプレミアムが20室あり、1室はバリアフリー対応の部屋になっています。(バリアフリーの部屋は専用デッキ無し)スーペリアの客室もトイレ、シャワー付き。オーシャンビューの部屋は洋室が18室、和室13室、窓がないインサイドの部屋は洋室が34室あります。更にはペットと一緒に泊まれるウィズペットの部屋が計8室、ペット用備品も備えられていて、ワンちゃんと一緒に船旅を楽しめます。コンフォートは階段式のテレビ付きカプセル寝台、ツーリストは仕切りカーテン付きの大部屋です。船体後方の両舷2ヶ所にドッグランが設置。ワンちゃんも大喜びです。深夜便を運航する「さんふらわあ しれとこ」「さんふらわ だいせつ」は全室1段ベッドのカジュアルルームに加えて、ユニットバス付のデラックスルームが2室あります。
シルバーフェリー
4隻の船で苫小牧西港と青森県の八戸間のフェリーを運航しています。
シルバーフェリーの運航スケジュール
シルバープリンセス 八戸08:45発→苫小牧16:00着/ 苫小牧 21:15発→八戸 翌日04:45着
シルバーティアラ 八戸13:00発→苫小牧20:15着/ 苫小牧23:59発→翌日07:30着
べにりあ 八戸17:30発→苫小牧 翌日01:30着/ 苫小牧 05:00発→ 八戸13:30着
シルバーエイト 八戸22:00発→苫小牧 翌日06:00着/ 苫小牧 09:30発→八戸18:00着
苫小牧東港周文フェリーターミナル
苫小牧東港周文ターミナルは苫小牧市に隣接する勇払郡厚真町にあります。苫小牧西港フェリーターミナルからは20キロ以上離れています。
苫小牧東港フェリーターミナルの売店・レストラン
フェリーの運航日にあわせて、軽食コーナーとショップが営業します。
苫小牧東港フェリーターミナルを発着するフェリー会社
苫小牧東港フェリーターミナルを使用するフェリー会社は本州の日本海側各地の港と北海道を結ぶ航路を運航している新日本海フェリーです。
新日本海フェリー
新日本海フェリーの苫小牧発着フェリーは苫小牧と秋田、敦賀(福井)、新潟、舞鶴の日本海側の各港を結んでいます。それでは、航路別に運航スケジュールを見てみましょう。
新日本海フェリーの運航スケジュール
- 敦賀~苫小牧東港
敦賀(23:55発)→ 苫小牧東港着(翌日20:30着)/苫小牧東港(23:30発)→ 敦賀(翌日20:30着)
- 敦賀~苫小牧東港 (新潟・秋田経由)
敦賀(09:30発)→新潟(21:30着/22:30発)→秋田(翌日05:05着/06:15発)→苫小牧東港(翌日16:45着)
毎週月曜日運航
苫小牧東港(19:30発)→秋田(翌日07:35着/08:35発)→新潟(15:30着/16:30発)→敦賀(翌々日05:30着)
毎週土曜日運航
- 新潟~苫小牧東港 (秋田経由)
新潟(22:30発)→秋田(05:05着/06:15発)→苫小牧東港(翌日16:45着) 運航日:月~土
苫小牧東港(19:30発)→秋田(07:35着/08:35発)→新潟(翌日15:30着) 運航日:月~土
新日本海フェリーの客船・客室・船内設備
新日本海フェリーの北海道発着フェリーで使用している客船・客室・船内設備などについて、下記のリンクで記事をまとめています。
苫小牧東港周文フェリーターミナルへのアクセス
苫小牧東港フェリーターミナルとJR南千歳駅を結ぶ連絡バスが運行されています。所要時間は約45分。JR沼ノ端駅、苫小牧駅の立寄りはないので、注意が必要です。運賃は大人1,020円、小人510円です。連絡バスの運行はフェリーのスケジュールに合わせています。JR南千歳駅から苫小牧東港フェリーターミナルへのバスは以下の時刻にJR南千歳駅北口交通広場を出発します。バスの時刻は次の通りです。
15:45発 (17:00発→新潟港行きフェリー運航日のみ)
17:50発 (19:30発→秋田港・新潟港・敦賀港行きフェリー運航日のみ)
21:50発 (23:30発→敦賀港行きフェリー運航日のみ)
苫小牧東港フェリーターミナル前からJR南千歳駅への連絡バスはフェリー運航日のみ運行、フェリー入港後、乗車完了次第出発します。
苫小牧 フェリー 予約
北海道を発着するフェリーの予約開始はフェリー会社によって異なります。
- 太平洋フェリー 乗船日の2ヶ月前の同日午前9時
- 新日本海フェリー 乗船日の3ヶ月前の同日午前9時
- 商船三井フェリー 乗船日の2ヶ月前の同日(日曜日・祝祭日の場合は翌営業日)の午前9時
- シルバーフェリー 乗船日の2か月前の午前9時
月末で翌月に該当日がない場合、月初めの日が予約開始日になります。
苫小牧 フェリー 料金
フェリーの料金は季節によって異なります。ゴールデンウィークやお盆、年末年始など繁忙期と呼ばれる時期は料金が高めになります。またマイカーでフェリーに乗る時は車の長さに応じた航送料金という料金がかかります。またフェリーの用意されている客室も多彩。客室によっても差があります。例えば東京から近い、関東の大洗から北海道の苫小牧まで商船三井フェリーで夕方出発するフェリーに乗船した場合、料金は10,740円(ツーリスト/A期間)~55,860円(スイート/D期間)と差があります。フェリー会社各社でお得な割引プラン、格安でフェリーに乗船できるプランが用意されています。格安でお得な料金プランは期間限定だったりするので、予約する時に問い合わせてみるといいでしょう。
まとめ
東京から北海道までフェリーで移動した場合、フェリーに乗っている時間だけで約18時間、港までの移動時間を加えると24時間以上かかる長旅になります。寝台列車がほとんど姿を消した現在、船の中に宿泊して夜通しで海上を移動するフェリーの旅は非日常を感じることができる貴重な体験。旅のロマンも感じることができること間違いなしです。愛犬家にとっては旅先にも「家族の一員」ワンちゃんは連れていきたいところ。飛行機では大きい制約もフェリーでの移動なら心配無用。マイカーやバイクも乗せることができるフェリーは、レンタカー利用の場合、現地での貸し借りの手続きの手間、慣れない車を運転する心配も軽減できます。フェリーだからできる旅もあります。フェリーで移動する「北の大地」の旅はいかがでしょうか。