古くからの重要な海上交通路 瀬戸内海
瀬戸内海は本州と四国および九州に囲まれ、紀伊水道と豊後水道で太平洋に、関門海峡で日本海に通じています。大小約 700 の島々が浮かんでいます。古代から日本の重要な海上交通路として利用されてきました。遣隋使、遣唐使の時代には都を出発した使節は瀬戸内海を通って大陸へ向かいました。奈良県の正倉院にはシルクロードを通じて西域からもたらされて海を渡ってきた収蔵品もありますが、こうした収蔵品も大陸から瀬戸内海を通って都に持ち込まれました。現在は本州と四国を結ぶ三本の大きな橋が架けられています。瀬戸内海は日本で最初に国立公園に指定されました。海に浮かぶ個性的な島々とともに本州と四国を結ぶ交通の大動脈である三本の橋の姿を見ながら船の旅を楽しめます。瀬戸内海に架かる三本の架橋について紹介していきます。
明石海峡大橋
明石海峡大橋は、兵庫県神戸市と淡路島の間の明石海峡に架かる、橋長3,911m、中央支間長1,991mの世界最大の吊橋です。平成10年(1998)4月に橋は完成しました。ケーブルには光の三原色のイルミネーションランプが 1,084組取り付けられています。時間帯や季節によって様々な彩りを見せてくれます。特に30分ごとに光の変化で時刻を知らせるライトアップは月ごとにその月の誕生石をイメージした光の変化を見ることができます。
瀬戸大橋
瀬戸大橋は鉄道と併用されている架橋。昭和63年(1988)に全線開通しました。岡山駅からは四国方面の列車が運行されていて、瀬戸大橋を通って四国へと向かいます。下津井瀬戸大橋、櫃石島橋、岩黒島橋、与島橋、北備讃瀬戸大橋、南備讃瀬戸大橋の6つの橋を総称して、「瀬戸大橋」と呼びます。吊橋、斜張橋、トラス橋など、世界最大級の橋梁が連なる姿は見ごたえ抜群です。瀬戸大橋でもライトアップは行われていますが、土日祝日、ゴールデンウィーク、年末年始なの19時から22時までの間の限られた時間になります。
来島海峡大橋
来島海峡大橋は、大島と今治の間約4kmの来島海峡に架かる総延長4.1kmの3つの吊橋の総称です。来島海峡は昔から鳴門海峡、関門海峡と並んで海の難所として有名です。3つの長大な橋梁により構成された世界初の三連架橋です。芸予諸島の多島海景観が広がる景勝地であり、修景に配慮して橋は架けられています。来島海峡大橋も含めて広島県の尾道から愛媛県の今治まで架けられている橋は「しまなみ海道」として自転車でも通行することができます。
日本の重要な海上ルートであり続けて中央と地方、そして大陸と結んできた瀬戸内海。本州と四国を結ぶ現代の土木技術を集積した架橋も見ながらの船の旅はいかがでしょうか。