日本一の桜名所・吉野山 エリアごとの見どころ完全ガイドとおすすめバスツアー〜2025年版〜【ノリッポ】 |【ノリッポ】移動こそ旅の醍醐味!一歩先ゆく旅行の移動手段メディア

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日本一の桜名所・吉野山 エリアごとの見どころ完全ガイドとおすすめバスツアー〜2025年版〜【ノリッポ】

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吉野山の桜は、約1300年前に始まる深い歴史と信仰に根ざした特別な存在です。その起源は、修験道の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)が山桜の木に蔵王権現(ざおうごんげん)を刻んだことに遡ります。この行為により、桜は御神木として崇められ、信仰と共に植え継がれてきました。

吉野山の桜について

桜の特徴と数

吉野山の桜は、主に固有種のシロヤマザクラで構成されています。現在、その数は約3万本に及び、4月上旬から中旬にかけて豪華絢爛に咲き誇ります。シロヤマザクラは、赤い葉を付けた後に花を咲かせる特徴があり、江戸時代に誕生したソメイヨシノとは異なり、寿命が長く大木になることで知られています。

歴史的な出来事

吉野山の桜は、多くの歴史的な出来事と共に歩んできました。

701年までに、持統天皇が32回も吉野に行幸しました。
1594年には、豊臣秀吉が徳川家康や前田利家など、当時の有力武将を引き連れて大規模な花見を行いました。
1578年頃から、参詣者による桜の献木植樹が盛んになり、現在の桜の景観の基礎が作られました。

文化的な影響

吉野山の桜は、多くの文人墨客にも影響を与えてきました。

  • 西行法師が庵を結び、多くの歌を残しました。
  • 松尾芭蕉が西行を慕って2度訪れ、俳句を詠みました。
  • 国学者の本居宣長も吉野を訪れ、その様子を「菅笠日記」に記しています。

現代の保護活動

明治時代の廃仏毀釈や第二次世界大戦により一時衰退しましたが、吉野山保勝会をはじめとする関係者の努力により、現在では往時の勢いを取り戻しつつあります。2004年には、ユネスコ世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録され、その価値が国際的にも認められています。

吉野山の桜は下千本、中千本、上千本、奥千本と呼ばれる4つのエリアに分かれています。それぞれのエリアで異なる景観を楽しむことができます。エリア別に見どころを紹介していきます。

吉野山_桜

下千本

下千本の概要

下千本は吉野山の入り口付近に位置し、標高約230m~350mに広がります。吉野山の玄関口として知られ、多くの観光客が最初に訪れるエリアです。ここには約3万本ある吉野山の桜の一部が集中していて、比較的アクセスが容易なことから人気のスポットとなっています。

主要な桜スポット

御野立ち

下千本駐車場のすぐ近くにあり、明治天皇の皇后・昭憲皇太后がこの場所から桜を鑑賞したことから名付けられています。ここからは「七曲り坂」と呼ばれる曲がりくねった坂道を彩る桜の景観を一望できます。この光景は圧巻で、多くの観光客を魅了しています。

下千本展望所

一面に咲き誇る桜の海を望むことができます。桜の圧倒的な美しさと壮大さを体感できる、下千本を代表する絶景スポットです。

大橋周辺

吉野川に架かる大橋周辺も、桜の名所として知られています。川面に映る桜の姿が美しく、多くの写真愛好家も訪れる人気スポットです。

下千本の名桜

関屋の桜


ロープウェイ山上駅から黒門付近に咲く桜で、かつてこの地が関所だったことから名付けられました。

花園山の桜


丹治川を隔てた花園山に咲く桜群で、静かで落ち着いた雰囲気が魅力です。

嵐山の桜


嵐山の地名が付けられた名桜で、吉野山ならではの風景を彩ります。嵐山という名前は京都にも関連がありますが、ここでは吉野山内の地域を指します。

吉野山_下千本

中千本

中千本の概要

中千本は吉野山の中腹に位置し、標高約350m~370mに広がる桜の名所エリアです。

吉野山の中心地として知られ、多くの社寺や観光スポットが集中しています。約3万本ある吉野山の桜の一部がこのエリアに密集しており、「一目千本」と呼ばれる壮大な桜の景観を楽しむことができます。

世界遺産の社寺と桜が織りなす景観は圧巻。散策路を歩くたびに異なる表情を見せる桜の風景が楽しめます。例年、3月下旬から4月下旬にかけて夜間ライトアップが実施され、幻想的な夜桜を楽しむことができます。

主要な桜スポット

金峯山寺

世界遺産に登録されている修験道の総本山。金峯山寺の本堂である蔵王堂は国宝。木造古建築としては、東大寺大仏殿に次ぐ大きさを誇っています。吉野山の桜の歴史と深く結びついています。境内には古木の桜が多く、春には美しい花を咲かせます。

吉野朝宮跡

たくさんの桜が植えられていて、歴史と自然の融合を感じられるスポットです。

吉水神社

世界遺産に登録されている吉水神社は、中千本の代表的な桜スポットです。ここからは「一目千本」と呼ばれる絶景を望むことができ、中千本と上千本の桜を一度に見渡せます。

東南院

東南院は、美しいシダレザクラで有名です。境内の桜は、古木の風格と繊細な枝垂れの美しさを兼ね備えています。

如意輪寺周辺

後醍醐天皇陵があり、太平記にも登場する如意輪寺の周辺も、桜の名所として知られています。歴史的な雰囲気と桜の美しさが融合した景観を楽しめます。

中千本の名桜

御所桜

静御前が舞を舞ったと伝えられる勝手神社に咲く桜で、歴史的な背景を持つ美しい桜です。

四本桜

金峯山寺蔵王堂の正面にある名桜で、4本の桜が並び立つ姿が特徴的です。

吉野山_一目八景

上千本

上千本の概要

上千本は吉野山の上部に位置し、標高約370m~600mに広がるエリアです。吉野山の中でも特に眺望が素晴らしく、大パノラマと共に桜風景を楽しめるエリアです。急な坂道が多くなりますが、その分、壮大な桜の景観を堪能できます。

主要な桜スポット

花矢倉展望台

標高約600mに位置する花矢倉展望台は、上千本を代表する絶景ポイントです。ここからは吉野山全体の桜を一望できます。

竹林院

吉野山に佇む由緒ある寺院。最大の特徴は、その美しい庭園「群芳園」。この庭園は大和三庭園の一つに数えられる名園で、借景式の庭園として四季折々の美しさを見せます。

上千本の名桜

滝桜

花矢倉付近一帯の桜群。花の盛りに中千本から見上げると、満開の桜花が滝の一時にたぎり落ちるような壮観を呈するのでこの名前が付けられました。

布引の桜

上千本、天王橋から猿引坂にかけての左右にある桜並木。春の花盛りになると、布を引いたような優雅な枝垂れ方をしていることから、この名前が付けられました。

天人桜

天人桜は竹林院群芳園にある樹齢300年以上の名桜です。淡紅白色のしだれ彼岸桜で、小さな池のほとりに凛とした姿で立っています。名園の景観を一層引き立てる存在として知られています。

夢見桜

桜本坊にある大海人皇子(天武天皇)が夢に見たといわれている桜。冬の夜に桜花爛漫の夢を見、翌朝起きてみると吉野山でこの桜1本だけが咲いており、これは吉兆と占い、その後壬申の乱に勝利した天武天皇が、この桜木の下に寺を建てて桜本坊としました。

吉野山_上千本

奥千本

奥千本は吉野山の最も標高の高い地域で、標高約600m~750mに位置しています。吉野山で最も山奥に位置するエリアで、静寂な雰囲気の中で桜を楽しむことができます。2015年に1,000本の桜苗が新たに植樹され、年々見応えが増しているエリアです。

主要な桜スポット

高城山展望台

標高702mに位置し、元弘3年(1333)に大塔宮護良親王が鎌倉幕府倒幕の兵を挙げた際の吉野城の詰め城として使われた歴史的な場所です。展望台に咲く桜を楽しむことができ、絶景ポイントです。

金峯神社

吉野山から大峯山上ヶ岳一帯の地主神である金山毘古神(かなやまひこのかみ)を主祭神とする神社。社殿の少し下には、源義経が追っ手から身を隠したという「義経隠れ塔」があります。古木の桜が多く、神聖な雰囲気の中で桜を楽しめます。

西行庵

平安~鎌倉時代に活躍した歌人「西行法師」ゆかりの地で、静かな山奥でしっとりと咲く桜を観賞できます。

花供会式

花供会式は金峯山寺の伝統的な行事で、毎年4月10日から12日にかけて行われます。この行事は約1000年の歴史を持ち、蔵王権現のご神木である山桜の満開を御本尊に報告する重要な儀式です。

主な行事内容:

4月10日:

  • 花供千本搗き:伊勢音頭に合わせて大勢の人々がお米を餅に搗き上げます。
  • 女人採灯大護摩供:女性行者が中心となって行う特別な護摩供養です。

4月11日・12日:

  • 大名行列:奴行列、金峯山の鬼、お稚児さん、山伏、僧侶、そして管長猊下が乗る大名籠が、10万石の格式を持った行列を組みます。
  • 花供懺法会:本尊・蔵王権現に桜を供え、開花を報告します。
  • 採灯大護摩供:護摩供養が行われます。
  • 御供撒き:千本搗きで作られた餅が参拝者に撒かれます。

この行事の起源は、高算上人が白河天皇の后宮の病を治したことに由来します。その際、天皇から許可を得て諸国から一穂一畝の寄進を受け、餅を作って蔵王権現に供えたとされています。花供会式は単なる宗教行事ではなく、吉野山の桜と深く結びついた文化的にも重要な行事となっています。

世界遺産金峯山寺蔵王堂 秘仏ご本尊特別ご開帳

金峯山寺蔵王堂では、秘仏本尊「金剛蔵王大権現」の特別ご開帳が行われます。この行事は、国宝仁王門の大修理勧進を目的として開催されるもので、普段は公開されない重要文化財の3体の金剛蔵王大権現像を間近で拝観できる貴重な機会です。

期間:2025年3月28日(金)~5月6日(火・祝)
拝観時間:8:30~16:00
拝観料:大人 1,600円、中高生 1,200円、小学生 800円

また、宿泊者限定で、「声明と闇に浮かぶ秘仏蔵王権現」をテーマにした夜間拝感が実施されます。夜間拝感では、ライトアップされた蔵王堂と秘仏の荘厳な姿を五感で感じられる特別な時間が提供されます。

日程:2025年3月30日、4月17日、19日、23日、26日、29日、5月3日、5日(全8回)
時間:20:00~21:00(集合19:45)
拝観料:5,000円(中学生以上)、小学生無料(小学生未満は入堂不可)

吉野山の桜はツアーがおすすめ

毎年、吉野山は桜のシーズンになると多くの人出で賑わって、ツアーも沢山催行されます。ツアー参加のメリットを紹介します。

移動の利便性

交通の複雑さから解放

吉野山の桜観光シーズンは交通規制が行われ、歩行者天国となるため、移動が制限されます。観桜期は以下のような複雑な交通事情があります:

  • シャトルバス運行時の交通規制
  • 周辺駐車場の満車による吉野山進入制限
  • 警察と連携した交通管理

添乗員付きで安心な移動が可能

  • ツアーでは、世界遺産「吉野山」にたっぷり3時間滞在できるプランなどが用意されています
  • 添乗員付きで安心な移動が可能

駐車場探しの心配がない

駐車場の複雑な状況

  1. 下千本駐車場は観桜期は有料(3/23~4/14は1台2,000円、4/15~GW最終日は1,500円)、400台収容ですが、特に4月第1・第2土日は非常に混雑します。
  2. マイカーは郊外の駐車場に誘導されてシャトルバスで移動することも珍しくありません

ツアーのメリット

旅行会社のツアーは交通手段や駐車場を事前に確保していて、宿泊施設も手配済み。
さらに地元の名所や食事も含まれるため、トータルな旅行体験が可能です。

これらの理由から、吉野山の桜観光は旅行会社のツアーを利用することで、移動の煩わしさから解放され、より快適に桜を楽しむことができます。

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【梅田発】【京都発】【三宮発】コースもあります。

\4/12(土)催行決定!/【広島駅発】桜舞う日本随一の桜の名所『吉野山』と『金閣寺』&『嵐山』気軽に京都・奈良2日間

まとめ

吉野山の桜は、単なる観光名所ではなく、日本の歴史と文化、そして信仰が織りなす貴重な遺産として、今も人々の心を魅了し続けています。

 

 

 

 

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ホテル、外資系航空会社勤務を経て、個人旅行に特化した旅行会社で企画を担当、お客様の希望に応じた「オーダーメイドの旅」の企画・提案に携わり、ヨーロッパ各地の音楽祭、オペラ・クラシック公演鑑賞、音楽家ゆかりの地巡りなど音楽旅行を中心に手掛ける。現在は「日本再発見」をテーマに西日本を中心に各地に残る歴史・文化遺産の魅力を発信している。過去に手掛けた旅行は1000件以上。奈良大学文学部文化財歴史学科卒業。博物館学芸員資格。日本考古学協会賛助会員。2020年度「吉野アンバサダー」。大分県生まれ、福岡市育ち。

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