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【世界遺産登録20周年・熊野古道】おすすめスポット、モデルコースを厳選紹介【ノリッポ】

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世界遺産に登録されている熊野古道。古くから信仰の対象として人々から崇められ、厳しい修行を行うことによって功徳のしるしである「験力」を得て、衆生の救済を目指す山岳修行の場となりました。

そんな「パワースポット」として人気の熊野古道の魅力と、ここだけは外せないおすすめスポット、そして熊野古道を歩くモデルコースなどを紹介します。

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」

概要

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」は「吉野・大峰」、「熊野三山」、「高野山」の3つの霊場と参詣道である「熊野参詣道」、「大峯奥駈道」、「高野参詣道」を構成資産としています。平成16(2004)年に世界遺産に登録。令和6(2024)年は世界遺産登録20周年です。

紀伊山地は、神話の時代から神々が宿る特別な地域として信仰の対象とされてきました。6世紀の仏教伝来以降、古くからの山岳信仰と仏教が融合して自然にひそむ神秘的な力を身に付けるための山岳修行の地となり、9世紀に伝わった真言密教は高野山、10世紀から11世紀にかけて盛んになった修験道は吉野・大峰や熊野三山が主な修行の場となりました。

熊野三山とは?

世界遺産の構成資産の中で最も人気が高いのは熊野三山。「熊野本宮大社」、「熊野速玉大社」、「熊野那智大社」の3つの神社と「青岸渡寺」と「補陀洛山寺」の2つの寺からなります。熊野本宮大社は家都美御子大神、熊野速玉大社は熊野速玉大神、熊野那智大社は熊野夫須美大神をそれぞれ主祭神として祀っています。

それぞれの祭神は熊野三所権現と呼ばれていて相互に祀ることで連帯をしています。青岸渡寺と補陀洛山寺は平安時代以降、神仏習合が進む中で熊野那智大社と密接な関係を持つようになった寺です。

熊野古道とは?

熊野古道とは、紀伊半島南部にある熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)と、伊勢や大阪・和歌山、高野及び吉野とを結ぶ古い街道の総称です。古代から中世にかけて、本宮・新宮・那智の熊野三山の信仰が高まり、上皇や法皇、貴族から庶民にいたるまで、多くの人々が熊野に参詣しました。

熊野古道には

  • 田辺から海岸線沿いに那智・新宮へ向かう「大辺路(おおへち)」
  • 高野山から熊野へ向かう「小辺路(こへち)」
  • 伊勢と熊野を結ぶ「伊勢路」、京都から大阪・和歌山を経て田辺に至る「紀伊路」
  • 吉野・大峯と熊野本宮をつなぐ山岳修験道「大峯奥駈道」

などのルートがありますが、多くの旅人が歩いて、現在も最も人気のあるコースは田辺から山中に分け入り熊野本宮を経て那智・新宮へ向かう後鳥羽院・藤原定家・和泉式部も歩いたとされる「中辺路(なかへち)」です。

ここだけは外せない!熊野古道のおすすめスポット厳選紹介

那智山青岸渡寺

如意輪観世音を祀る青岸渡寺は、1,000日(3年間)の滝篭りをされた花山法皇が永延2年(988)に御幸され西国33ヶ所観音巡り1番札所として定めたとされ、全国より、多くの信者や参詣者が訪れます。
現在の本堂は天正18年(1590)に豊臣秀吉が再建したもので、桃山時代の特徴を色濃く残し、国の重要文化財に指定されています。

住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字那智山8
アクセス:Rきのくに線紀伊勝浦駅下車 バスで約30分「那智山」徒歩15分

那智の滝

水柱は日本一の落差を誇る133m。銚子口の幅13m、滝つぼの深さ10m、落下する水量は毎秒1tと言われる日本三大名瀑のひとつです。熊野那智大社の別宮、飛瀧神社がこの那智の滝を御神体としてお祀りしています。

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熊野本宮大社

熊野三山の一つで、社殿が国の重要文化財。家津御子大神(素蓋鳴大神)を主祭神とし、勝運、厄除、商売繁昌、開運招福、衆災消除、無病息災、交通安全、大漁満足のほか、特に心願成就にご利益があります。

世界遺産の「熊野古道」が続き、山里の暮らしが感じられる情緒豊かな雰囲気が漂っています。旧社地・大斎原(おおゆのはら)には、日本一の大鳥居が立っています。

熊野本宮大社

熊野速玉大社

熊野三山の一つで、お燈祭や御船祭など古式ゆかしい特殊神事が色濃く伝わる古社。

太古に神倉神社のご神体ゴトビキ岩を、原始信仰の中心として崇め祀り、その後、景行天皇58年(128年)に現在の社地に初めてお社を建て、熊野の神々を祀りました。

境内にある「熊野神宝館」は、古神宝など国宝を多数含む1200点余りを収蔵しています。また樹齢千年のご神木、梛(なぎ)がそびえています。

住所:和歌山県新宮市新宮1
アクセス:JRきのくに線「新宮駅」から徒歩15分もしくはバス「速玉大社前」より徒歩3分

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熊野那智大社

熊野三山の一つで、主神「熊野夫須美大神」ほか十二柱の神々を祀る神社。

那智の滝を神と崇める自然信仰が起源であり、滝の神様とともに熊野の神々も元は滝もとに祀られていましたが、仁徳天皇5年(317年)に現在の場所に社殿を創建し、遷されたとされています。山の緑に6棟からなる朱塗りの社殿や礼殿が映え、神聖な雰囲気が漂います。

境内には、神武天皇を大和に導いた三本足の烏 「八咫烏(やたがらす)」が大任を終えて石になったといわれる「烏石」や樹齢約850年の大楠が茂っています。

住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1
アクセス:JRきのくに線「紀伊勝浦駅」からバス約30分「那智山」バス停下車、徒歩15分

熊野那智大社

熊野古道 モデルコース 厳選3選

熊野古道を歩くコースはたくさんありますが、その中でもあまり歩き慣れてなくても歩くことができて、おすすめスポットもしっかりを見ることができるコースを厳選して紹介します。

発心門王子~熊野本宮大社

熊野本宮大社の神域の入口とされる「発心門王子(ほっしんもんおうじ)」から熊野本宮大社へのコース。
コースのアクセスも良くガイドツアーもあって、熊野古道No.1の人気コースです。
美しい山里の集落をたどるように古道が残り、上り下りも緩やかで手軽に歩けるコースです。

距離:約6.9km 標準歩行時間:約2時間30分

大門坂~熊野那智大社・那智の滝

石畳が美しい「大門坂」を上り、熊野那智大社、那智の滝へと向かう「おいしいとこ取り」のコース。
大門坂入口から熊野那智大社へは石段の上りとなりますが、約1.3km・約40分と距離も短く、杉木立に囲まれた苔むした石段は、熊野古道の雰囲気も満点。勝浦温泉街から近く、バスのアクセスも良く歩きやすいコースになっています。

距離:約2.7km 標準歩行時間:約1時間

高野坂

熊野本宮大社から川の参詣道・熊野川を舟で下り、熊野速玉大社に参拝した後、熊野古道は海沿いの道を熊野那智大社へと向かいます。新宮の高野坂では、古道の雰囲気が色濃く残り、苔生した石畳や熊野灘の雄大な眺めをゆっくり楽しめます。

熊野速玉大社から高野坂登り口までは、阿須賀神社(阿須賀王子跡)、浜王子(王子神社)を経由するルートと、神倉神社を通る近世の熊野古道ルートがあります。

距離:約6.5km 標準歩行時間:約2時間

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まとめ

熊野古道の魅力と、おすすめの観光スポット、そして初めての人でも安心して歩けるモデルコースを紹介しました。歩くのは体力的に不安、だけど熊野古道を楽しみたいという人は、現地のバス会社が催行している定期観光バスがおすすめ。それぞれにあったスタイルで熊野古道を楽しんではいかがでしょうか。

熊野古道観光の参考になると幸いです。

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ホテル、外資系航空会社勤務を経て、個人旅行に特化した旅行会社で企画を担当、お客様の希望に応じた「オーダーメイドの旅」の企画・提案に携わり、ヨーロッパ各地の音楽祭、オペラ・クラシック公演鑑賞、音楽家ゆかりの地巡りなど音楽旅行を中心に手掛ける。現在は「日本再発見」をテーマに西日本を中心に各地に残る歴史・文化遺産の魅力を発信している。過去に手掛けた旅行は1000件以上。奈良大学文学部文化財歴史学科卒業。博物館学芸員資格。日本考古学協会賛助会員。2020年度「吉野アンバサダー」。大分県生まれ、福岡市育ち。

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