2020年10月1日から東京都在住者および東京都を目的とした旅行についても「Go To トラベル」キャンペーンが開始されました。遠出を避けて、近場ですませる「近場旅」が人気がありますが、「三密を避ける」「コロナ疲れ」という観点から「自然」や「癒し」を求める旅もニーズがあるようです。古くから人々の信仰を集めた熊野古道をはじめとする紀伊山地は豊かな自然に恵まれ、信仰が根付いた歴史と文化が今も受け継がれている、悠久の時の流れを感じることができるスポットです。
目次
世界遺産 紀伊山地の霊場と参詣道
概要
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」は「吉野・大峰」、「熊野三山」、「高野山」の3つの霊場と参詣道である「熊野参詣道」、「大峯奥駈道」、「高野参詣道」を構成資産としています。平成16(2004)年に世界遺産に登録されました。紀伊山地は、神話の時代から神々が宿る特別な地域として信仰の対象とされてきました。6世紀の仏教伝来以降、古くからの山岳信仰と仏教が融合して自然にひそむ神秘的な力を身に付けるための山岳修行の地となり、9世紀に伝わった真言密教は高野山、10世紀から11世紀にかけて盛んになった修験道は吉野・大峰や熊野三山が主な修行の場となりました。
熊野三山とは?
世界遺産の構成資産の中で最も人気が高いのは熊野三山。「熊野本宮大社」、「熊野速玉大社」、「熊野那智大社」の3つの神社と「青岸渡寺」と「補陀洛山寺」の2つの寺からなります。熊野本宮大社は家都美御子大神、熊野速玉大社は熊野速玉大神、熊野那智大社は熊野夫須美大神をそれぞれ主祭神として祀っています。それぞれの祭神は熊野三所権現と呼ばれていて相互に祀ることで連帯をしています。青岸渡寺と補陀洛山寺は平安時代以降、神仏習合が進む中で熊野那智大社と密接な関係を持つようになった寺です。
熊野古道とは?
熊野古道とは、紀伊半島南部にある熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)と、伊勢や大阪・和歌山、高野及び吉野とを結ぶ古い街道の総称です。古代から中世にかけて、本宮・新宮・那智の熊野三山の信仰が高まり、上皇や法皇、貴族から庶民にいたるまで、多くの人々が熊野に参詣しました。熊野古道には田辺から海岸線沿いに那智・新宮へ向かう「大辺路(おおへち)」、高野山から熊野へ向かう「小辺路(こへち)」、伊勢と熊野を結ぶ「伊勢路」、京都から大阪・和歌山を経て田辺に至る「紀伊路」、吉野・大峯と熊野本宮をつなぐ山岳修験道「大峯奥駈道」などのルートがありますが、多くの旅人が歩いて、現在も最も人気のあるコースは田辺から山中に分け入り熊野本宮を経て那智・新宮へ向かう後鳥羽院・藤原定家・和泉式部も歩いたとされる「中辺路(なかへち)」です。
飛鳥Ⅱ 熊野古道を訪ねるおすすめクルーズ
2020年11月から運航を再開する飛鳥Ⅱ。11月に熊野を訪ねる2つのコースが催行されます。
秋の熊野ウィークエンドクルーズ
横浜発着のクルーズ。2020年11月14日(土)に出発して、11月16日(月)に帰港します。11月15日(日)は和歌山県の新宮に停泊、下船中に熊野三山を訪ねることができます。
秋の連休 新宮・四日市クルーズ
横浜発着のクルーズ。2020年11月20日(金)に出発して、11月23日(月)に帰港します。11月21日(土)は新宮、11月22日(日)は三重県の四日市に停泊します。四日市では「日本人のふるさと」といっても過言でない伊勢神宮に足を運ぶことができます。
他にもJRや飛行機といった往復交通機関と宿がセットになった旅行商品もたくさん発売されています。古来から多くの人々の心を惹きつけてやまない信仰が根付いた地・熊野で家族や夫婦、カップル、友達同士で寛ぎのひとときを過ごしてはいかがでしょうか。