「唐津くんち」は毎年11月2日から4日に開催される唐津神社の秋の例大祭で16世紀に始まったと伝えられています。豪華絢爛な曳山が町を練り歩く様子は、まさに圧巻で見応えたっぷり。そんな「唐津くんち」の日程と楽しむための見どころを紹介します。
「唐津くんち」のスケジュール
11月2日(土) 宵曳山 19:30~22:00
各町内から翌日の御旅所神幸に備え出発し、旧城下町を巡行しながら14台の曳山が合流し、唐津神社を目指します。
かつては各町が提灯をつけて真夜中から明け方にかけてばらばらに各道順を選び、大手門の前、あるいは明治維新後は神社前に集合していました。明治時代半ばにに唐津神社の参道が整備されて、曳山小屋が設置されてからは御旅所神幸前日の夜には小屋の前に各曳山が集合するようになりました。
行列による宵曳山が行われるようになったのは戦後の1962年。現在では夜7時半に、刀町の曳山が大手口から曳き出されて、旧城下町を練り歩いている間に、 各町の曳山が加わって、最後に唐津神社前に勢ぞろいします。
巡行コース
大手口(全14台中6台巡行開始)~旧城下町を巡行しながら各町から他8台の曳山合流~曳山展示場へ
11月3日(日・祝) 御旅所神幸 9:30~16:30
「唐津くんち」の最大の見どころ。早朝5時頃に唐津神社境内で獅子舞「神田(こうだ)かぶかぶ獅子」が唐津神社に奉納されます。
午前9時30分を回ると、神輿を中心として前後に曳山が従い、西の浜にあるお旅所までの巡行が始まります。曳山は一番曳山の刀町・赤獅子から十四番曳山の江川町・七宝丸まで、制作年代順に並んで、旧城下町をまわります。お旅所への曳き込み、曳き出しが最大の見せ場です。
西の浜での曳込みでは2~3トンにもなる曳山は車輪が砂地に埋もれ、なかなか進まず、曳子たちの掛け声も最高潮に達します。その豪快な様子はまさに圧巻です。
巡行コース
唐津神社~旧城下町一巡~御旅所(昼休憩)~各町へ
11月4日(月) 翌日祭 10:00~17:30
前日の御神幸とほぼ同じ巡路で、曳山が旧城下の東西約8キロを回ります 。
各町ごとに揃いの鉢巻き、江戸腹、パッチ(股引)、腕ヌキに身を固め、いなせな曳子たちが、ヤマに乗り込んだ囃子方の奏でる緩急自在の典雅なリズムに合わ せて曳き廻ります。
エンヤ、エンヤ」「ヨイサ、ヨイサ」の掛声とともに、フィナーレへと高まっていき、最後は曳山展示場に格納されます。
唐津くんちの歴史
唐津神社は奈良時代に創建されたといわれる由緒ある神社。住吉三神と神田宗次とを祀っています。
唐津神社の秋季例大祭である「唐津くんち」。御神輿の渡御は江戸時代の寛文年間(1661~1673)頃に始まったといわれています。曳山は御神輿にお供して神様を警護する目的で造られました。現在伝わる曳山が誕生したのは氏子町の一つである刀町が赤獅子を1819年に唐津神社へ奉納したのが始まりで、それ以後に5台の曳山が製作されました。その内の一台は残念ながら明治中期に損滅し、現在14台が現存しています。
国の重要無形民俗文化財に指定されていて、ユネスコ無形文化遺産「日本の山・鉾・屋台行事」の構成資産の一つです。
唐津くんちの曳山
祭りを彩る絢爛豪華な曳山。木組みに粘土で型を作り、その上に和紙を1~3cmの厚さまで100~200枚近くを蕨糊(わらびのり)や渋柿などで張り重ね、型を抜き取り、竜骨を組んでいます。麻布と漆で固めて下地を造り、粉屎漆(こくそうるし)で形状を整え最後に色漆を塗り金箔で仕上げていきます。本体は木製の4輪台車に心柱1本で支えられています。重さは2トン〜5トンあります。
「唐津くんち」の曳山一覧
- 刀町「赤獅子」
- 中町「青獅子」
- 材木町「亀と浦島太郎」
- 呉服町「源義経の兜」
- 魚屋町「鯛」
- 大石町「鳳凰丸」
- 新町「飛龍」
- 本町「金獅子」
- 木綿町「武田信玄の兜」
- 平野町「上杉謙信の兜」
- 米屋町「酒呑童子と源頼光の兜」
- 京町「珠取獅子」
- 水主町「鯱」
- 江川町「七宝丸」
一年を通じて祭りの感動を体験!曳山展示場
「唐津くんち」で町内を巡行する14台の曳山を一堂に公開している曳山展示場。祭りのビデオも流されていて、祭りの期間中以外でも祭りの熱気を感じることができます。各町それぞれ趣向を凝らした絢爛豪華な曳山は、見ているだけでも圧巻です。
住所:唐津市新興町2881-1(ふるさと会館アルピノ旧多目的ホール)
料金:一般 310円 小・中学生 150円
開館時間:9:00~17:00(入館は16:40まで)
定休日:11月3日、4日(唐津くんち巡行のため) 12月29日から12月31日まで
アクセス:JR唐津駅より徒歩約2分
あわせて楽しみたい!呼子朝市
大正時代から開かれているという呼子の朝市。石川県の輪島、岐阜県の高山と並ぶ日本三大朝市の一つです。 呼子港の東側の朝市通りで、朝7時30分から12時まで毎日開かれています。約200mの朝市通りには、50軒近くの露店が並び、新鮮な魚介類や加工品、野菜や花が販売されています。
呼子といえばイカ。絶品の「イカの活きづくり」をぜひ堪能してみてください。
参考リンク
まとめ
「唐津くんち」のスケジュールと見どころ、祭りの歴史や祭りを彩る曳山について紹介しました。唐津には福岡市営地下鉄がJR筑肥線にも乗り入れていて、福岡空港や博多駅から乗り換えなしで足を運べるアクセスの良さも魅力。
2024年の「唐津くんち」はちょうど3連休にあたって、混雑必至。唐津市内のホテル・旅館はほぼ満室になること間違いなし。糸島エリア、福岡市内のホテルを探した方がいいと思います。
絢爛豪華な曳山と、玄界灘の新鮮な海の幸を楽しんでみてはいかがでしょうか。