四方を海で囲まれている日本は古くから海上交通も盛んに行われてきました。現在も日本には北海道から九州まで多くの中・長距離フェリー航路があります。近年は設備も充実してきて、クルーズに引けを取らない乗り心地や豪華な施設があるフェリーもあります。マイカーやバイクでの乗船、ペット同伴など多様なニーズに対応しています。記事では大阪から別府のフェリーの予約・料金・航路・乗り場について紹介します。
大阪から別府フェリー 航路・スケジュール
大阪から別府のフェリーを運航しているのは「フェリーさんふらわあ」。大小700の島々が浮かぶ瀬戸内海を航行します。瀬戸内海は古代から日本の重要な海上交通路として利用されてきました。遣隋使、遣唐使の時代には都を出発した使節は瀬戸内海を通って大陸へ向かいました。正倉院にあるシルクロードを通じて西域からもたらされて海を渡ってきた収蔵品は瀬戸内海を通って都に持ち込まれました。船は「明石海峡大橋」「瀬戸大橋」「来島海峡大橋」の3つの橋のきらびやかな夜景など瀬戸内海の情景を楽しみながら移動することができます。「フェリーさんふらわあ」の大阪~別府航路のスケジュールは下記の通りです。
大阪発 別府行き(下り) | 別府発 大阪行き(上り) | |||
日曜日~木曜日 | 19:05 発 | 翌朝 06:55 着 | 18:45 発 | 翌朝 06:35 着 |
金曜日・土曜日 | 19:55 発 | 翌朝 07:45 着 | 19:35 発 | 翌朝 07:35 着 |
大阪から別府 フェリー 客船・船内設備
使用している船は「さんふらわあ あいぼり」「さんふらわあ こばると」の2隻です。客室はデラックスが8室、デラックスシングルが6室、ファーストが19室、スタンダードが2名用10室、1名用8室、ツーリストベッドは個室・4名定員タイプが8室、8名定員タイプが7室、12名定員タイプが9室、大部屋のツーリストと用意があります。「さんふらわあ」には展望大浴場があり、夕方と朝に入浴することができます。また「ハローキティ」をテーマにしたハローキティールーム、「くまもん」をテーマにしたくまモンと夢見る船旅ルームといった小さな子供が喜びそうな家族旅行におすすめの部屋もあります。
大阪から別府 フェリー 予約・料金
予約について
大阪から別府のフェリーを運航する「フェリーさんふらわあ」の予約は乗船予定日の3ヶ月前の同日午前9時より受付します。予約開始日が日曜・祭日及び会社の休業日に当たる場合は、その翌営業日を開始日となります。往復で利用する場合、復路乗船日が3ヶ月以内に入っていなくても往路乗船日を含めて30日以内なら往路予約時に一緒に予約することができます。
料金について
フェリーの運賃は時期によって、そして客室カテゴリーによって異なります。参考までに令和4年(2022)4月1日~6月30日の通常運賃を紹介します。(カッコ内は繁忙期運賃)
大人 (中学生以上)1名につき(小人は大人の半額)
ツーリスト 13,270円(14,080円)/ツーリストベッド8名・12名部屋(相部屋) 16,930円(17,750円)/ツーリストベッド4名部屋(個室) 18,360円(20,190円)/スタンダード1名部屋 19,990円(23,660円)/スタンダード2名部屋 19,790円(22,840円)/ファースト 21,420円(23,860円)/
デラックスシングル 28,750円(31,600円)/デラックス 29,360円(32,210円)
キャラクター料金使用料金
ハローキティルーム使用料金 2,040円/ くまモンと夢見る船旅ルーム使用料金 1,020円(ファースト:1名あたりの追加料金)
乗用車 ~4m未満 34,940円(35,750円)/ 4m以上~6m未満 39,820円(40,640円)
ペット ペットケージ(1ケージ) 2,040円
特殊手荷物 自転車 2,840円(3,040円)/原付自転車(125cc未満) 5,080円(5,290円)/自動二輪車 8,340円(8,540円)
「フェリーさんふらわあ」は通常運賃に加えて、割引運賃が充実しています。片道だけの利用や、同一航路の往復で利用できる基本割引プラン、往復で往復で、瀬戸内海航路(大阪⇔別府航路または神戸⇔大分航路)と、太平洋航路(大阪⇔志布志航路)を利用する九州を縦断する旅行におすすめの舟遊®プラン、現地0泊、船中2泊。とんぼがえりの往復プランで相部屋利用の弾丸フェリー®、個室利用の弾丸クルーズ®といった運賃が用意されていて、それぞれの割引運賃にマイカープラン、バイクプラン、徒歩プランが用意されています。
大阪から別府 フェリー 乗り場
大阪南港 さんふらわあフェリーターミナル
「フェリーさんふらわあ」の大阪~別府航路の大阪の発着港は大阪南港の「さんふらわあフェリーターミナル」第1ターミナル。「アジア太平洋トレードセンター(ATC)」に併設しています。「ATC」はITM棟とO’s棟からなる大型複合商業施設です。レストラン街やショップなどが入った「O’s(オズ)」、各種イベントや展示会などが開催される「ATCホール」「ATCウミエールキューブ」などがあります。正式名称は「大阪南港コスモフェリーターミナル」。「フェリーさんふらわあ」が命名権を買い取って、「さんふらわあフェリーターミナル」として運営しています。飲食店やショップも多く、船の乗下船前後も楽しめます。
アクセス
大阪メトロ中央線終点コスモスクエア駅もしくは四つ橋線終点住之江公園駅でニュートラム南港ポートタウン線に乗り継いで、トレードセンター前駅下車、徒歩5分です
別府国際観光港
「フェリーさんふらわあ」の大阪~別府航路の大阪の発着港は別府国際観光港。大分県の沿岸部、瀬戸内海の東側に面している別府国際観光港は「おんせん県おおいた」を代表する源泉数、湧出量ともに日本一の温泉都市別府にある港。「九州の東の玄関口」として昭和26年(1951)に重要港湾の指定を受けました。現在は国際観光船を対象とした水深12m岸壁をはじめとして8バースが整備され、定期フェリー、客船航路を中心に観光客や車両輸送に利用されています。観光都市・別府だけあって別府国際観光港は乗下船後に楽しめる施設も充実しています。そんな別府国際観光港の施設を紹介します。
別府交通センター
別府国際観光港にある「別府交通センター」は大分の焼酎・お酒や豊後水道が育んだ関アジなどの魚の加工品、大分銘菓、かぼすこしょう醤油や味噌、柚子こしょうなどをはじめ九州各県のお土産が揃うお土産コーナー、大分を代表する郷土料理「だんご汁」などが食べられる海に面した風光明媚なレストランなどがあります。建物は3階建て。1階は別府を中心に九州各県の名産や特産を数多く取り揃えている販売コーナーに、大分県のふるさとの味を堪能できる竹のレストラン「ちくし」、そしてバスターミナルがあります。2階は別府を一望できる海辺のレストラン「しおさい」、全国一を誇る別府の竹工芸の文化が体験出来る竹未来館、3階はイベントが開催可能な70畳の70畳、180名収容の大ホール、100名収容の中ホールがあります。
上人ヶ浜公園
「上人ヶ浜公園」は別府国際観光港に隣接する公園。「踊り念仏」で知られる時宗の開祖、一遍上人が建治2年(1276)に九州に立ち寄る際に初めて上陸した場所といわれ、そのために上人ヶ浜と呼ばれるようになりました。公園の北側は高さ20mを超す松が自生する公園となっており、南側は芝生広場の中に、ワシントンパーム、フェニックスなど南国的な雰囲気をかもし出す樹木が植えられています。「上人ヶ浜公園」の一角にあるのが「別府海浜砂湯」。昭和61年(1986)に別府市がここに海浜砂湯を始めました。1度に約10名が入浴できグループの方もいっしょに砂湯を楽しむことができます。温泉熱で暖められた砂の中に全身をスッポリ包み込み、心も体もリフレッシュできます。
アクセス
別府国際観光港は東九州の大動脈、国道10号線沿いに港があります。バス停もあり、JR大分駅からは大分交通、JR別府駅からは大分交通もしくは亀の井バスの路線バスが運行されています。また大分空港と大分市内、別府市内を結ぶ「空港特急バスエアライナー」も停車します。別府国際観光港からは「別府地獄めぐり」や別府と並ぶ温泉地・由布院温泉にも乗り換えることなくバスで移動することが可能。足回りの良さが魅力です。
まとめ
寝台列車がほとんど姿を消した現在、船の中に宿泊して夜通しで海上を移動するフェリーの旅は非日常を感じることができる貴重な体験。旅のロマンも感じることができること間違いなしです。フェリーを使うメリットはやはりマイカーと一緒に旅ができること。公共交通機関では必ずしもアクセスがよいとはいえないスポットも車なら容易に移動することができます。レンタカーもありますが、やはり日頃から乗り慣れている車での移動は安心感も大きいです。「ドア・ツー・ドア」で自分たちのペースで、自由度の高い旅を楽しむことができます。もちろん、家族旅行にもおススメです。また内海を航行する瀬戸内海は波が少なく、船の揺れも少ないので船酔いの心配も少ないです。大阪から別府のフェリーの乗って「瀬戸内クルージング」を楽しんでみてはいかがでしょうか。