令和3年(2021)に世界自然遺産に登録されたことで、今後、ますます注目度が高まるであろう奄美群島。奄美群島の島の一つが喜界島。喜界島には喜界空港に日本エアコミューターの定期便が就航しているほか、フェリーの定期航路も就航しています。この記事では喜界島港と喜界島の魅力を紹介します。
喜界島について
フェリーが寄港する喜界島は奄美大島の東に位置する周囲約50kmの隆起珊瑚の平坦な島で、サトウキビやごまの生産が盛んです。島内の国指定史跡の城久遺跡からは多数の掘立柱建物や製鉄炉の跡および奄美群島内で質・量ともに突出すべき遺物が発掘されていて、古くは奄美・沖縄地域の交易圏の中心的役割を担っていたと考えられ、大宰府とのつながりも推測されます。喜界島は硫黄島とともに平安時代末期の治承元年(1177)の平家打倒を企てた鹿ケ谷の陰謀が発覚して俊寛、平康頼、藤原成経が流罪にされた「鬼界ヶ島」だったのではないかと比定されています。喜界島には赦免されることなく、一人取り残されて絶命した俊寛の墓とされる場所があります。しかし「平家物語」の記述とは異なり、喜界島には硫黄が取れる火山はおろか、高い山もなく、高い滝ができるほどの川も見られません。また壇ノ浦の戦いに敗れた平家一族がこの地に立ち寄ったという言い伝えも残されています。喜界島は鹿児島県大島郡喜界町に属しています。
喜界島港フェリー乗り場
基本情報
喜界島を発着するフェリーの定期航路の乗り場は北西岸に位置する「湾港」と呼ばれる港です。
住所:〒891-6201大島郡喜界町赤連2901-14
電話番号:0997-65-4361
フェリーの定期航路
喜界島を発着するフェリーの定期航路はマルエーフェリー系列の「奄美海運」が運航しています。使用している船は「フェリーあまみ」と「フェリーきかい」の2隻です。「フェリーあまみ」の航路は鹿児島~喜界(喜界島)~名瀬(奄美大島)~古仁屋(奄美大島)~平土野(徳之島)間、「フェリーきかい」の航路は鹿児島~喜界(喜界島)~名瀬(奄美大島)~古仁屋(奄美大島)~平土野(徳之島)~知名(沖永良部島)間です。詳しい運行情報については下記リンクを参照してください。
港へのアクセス
湾港は喜界町の中心部にあります。喜界町役場から徒歩10分程度。喜界空港も近くにあります。
喜界島 観光スポットおすすめ3選
小野津海岸
小野津海岸は喜界島の北東部にあるビーチです。真っ白い砂浜と、喜界島一の青さをほこるといわれる透き通る海が魅力的です。ウミガメの産卵地にもなっていて、時期よってはウミガメが産卵する姿に出会うこともあります。
アクセス:湾港から車で約15分
阿伝集落
台風対策として防風防潮のために建てられたサンゴの石垣が多く残っています。島の集落の多くが自動車の普及とともに道路が拡張されて、ブロック塀に変わっていく中で、昔ながらの石垣が今も残されています。
アクセス:湾港から車で約15分
百之台国立公園
「百之台国立公園」は島の東南部にある標高203m、広さ約700ヘクタールの広大な隆起サンゴ礁高台地です。のどかなサトウキビ畑と丸い水平線が美しいサンゴ礁の海岸の景色が眺めることができる「インスタ映え」する絶景スポットです。
アクセス:港湾から車で約20分
奄美群島国立公園
喜界島は「奄美群島国立公園」の一部に属しています。奄美群島の島々は世界的にも数少なく国内では最大規模の亜熱帯照葉樹林や、固有動植物及び希少動植物が生育・生息していることに加えて、今もなお世界有数の速度で隆起するサンゴ礁段丘、琉球石灰岩の海食崖やカルスト地形、世界の北限に位置するとされるサンゴ礁、マングローブや干潟といった多様な自然に恵まれています。人々の生活が豊かな自然と密接な関わりを持ってきたため、集落内外にそのことを示す痕跡を見ることができます。
世界自然遺産「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」
令和3年(2021)に日本で5番目の世界自然遺産として登録されました。奄美大島、徳之島は大陸などとの分離、近隣島しょとの分離・結合を繰り返して形成された独特の地史を背景に、アマミノクロウサギに代表される希少種を含む多様な生物が生息・生育しています。沖縄本島の北部の「やんばるの森」は生物多様性の宝庫です。亜熱帯照葉樹林の森は世界的にも数少なく、やんばる特有の生態系の基盤となっています。ヤンバルクイナやノグチゲラをはじめ、やんばるにしかいない生き物たちが数多く生息しています。こうした自然環境が評価されて世界自然遺産への登録につながりました。
世界遺産に登録されたことで、今後、注目度も高まることが予想される奄美群島。喜界島は世界遺産の構成資産ではないものの、奄美群島国立公園に属していて、南国情緒溢れる島です。奄美海運のフェリーに乗って、歴史のロマンも秘めた喜界島を訪ねてみてはいかがでしょうか。