琉球王国のグスク及び関連遺産群
沖縄は琉球王国として日本本土とは異なる独自の文化を持っています。琉球王国が数世紀もの間、東南アジア、中国、朝鮮半島、日本と経済的、文化的交流の中心地となり、その文化を発展させてきたことがうかがえる歴史遺産が「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されています。世界遺産の構成遺産は9つ。その中の一つが中城城跡です。
「城(グスク)」って何?
「グスク」は「城」と書きますが、本来、グスクの役割は私たちが持っている「城」とは異なります。「グスク」には「御嶽(うたき)」や「遙拝所」と呼ばれる信仰の場所が設けられていて、本来は集落の聖域など「聖なる場所」としての役割を持っていたと考えられています。中城城をはじめ、沖縄のグスクは小高い丘に設けられています。沖縄本島では13世紀ごろから按司(あじ)と呼ばれる領主が表れて14世紀には南山、中山、北山の3つの国が成立する三山時代を経て最終的には中山の尚氏が統一しました。その過程で戦闘が起こり、信仰の対象となった「グスク」が防御機能を持つようになったといわれています。
紺碧の海を見渡す中城城
中城城は中城湾に沿った高台上に、東北から西南に一直線に連郭式に築かれた城です。裏門から入っていって三の丸、二の丸、本丸と堅牢で優美な曲線美の石垣で囲まれています。それぞれの郭には石の階段と門で繋がっています。特に見ごたえのあるのが三の丸。城壁のように外側から目立つ石組は五角形の石が積み上げられていてアーチ状の門の周りは大きな切り石が用いられていて丸みを帯びています。本土の城郭の石垣とは一味違った曲線美と堅牢さは目を見張るものがあります。お城からは沖縄のコバルトブルーの美しい海岸を見ることができます。中城城は「日本の100名城」の一つに数えられています。
利用案内
中城城は基本的に年中無休で営業しています。営業時間は8:30~17:00 、5月から9月は8:30~18:00です。観覧料は大人400円、中高生300円、小学生200円です。