八代海を望む海沿いの温泉地
日奈久温泉は対岸に天草諸島を望む海沿いの温泉地。旅館街には木造三階建ての建物が点在していて、細い路地には昭和の香りが漂うどこか懐かしい雰囲気を持ち合わせています。合計16の泉源が集中していて、温泉協同組合が結成されていて一部の温泉を除いて共同管理されています。湧出量は毎時140トン、ほとんどの旅館がかけ流しです。明治末期から昭和初期に相次いで建てられた木造三階建て、二階建て旅館群は、九州内では最も多く密集しており、細部に至る数奇屋細工や和小屋・洋小屋掛け、浴場の変遷などを見ることができます。また国の登録有形文化財に登録されている旅館もあります。海沿いの温泉地ということもあり、海の幸も豊富。日奈久ちくわは名産です。
温泉街の歴史
日奈久温泉の由来は南北朝時代まで遡ります。肥後守に命ぜられた北朝の甲斐重村と難聴の菊池武重が戦い甲斐重村が敗北、部下の浜田右近は傷を負いながら日奈久の近くへ辿りつきました。右近は日奈久へ 移り住み、やがて村の娘と結婚し、子・六郎左衛門に恵まれます。六郎左衛門は 父の刀傷の平癒を安芸の厳島明神に祈り続け、満願の日にあった神のお告げに従って海の浅瀬を掘ると温泉が湧き出ました。これが日奈久温泉の始まりです。お告げで発見された温泉で刀傷が治った噂は広まり、多くの湯治客が訪ねてくるようになりました。温泉が発見されたとする場所には温泉神社が建てられ、温泉を発見した六郎左衛門を祀る六郎神社もすぐ傍にあります。
路地裏ツーリズムで古き良き温泉情緒を堪能
温泉街は細長い路地が入り組んでいて、古建築が建ち並んでいて、建築学の上でも貴重な建造物が残されています。今も利用されている木造旅館やなまこ壁の建物やいj元の地元の人との心温まるコミュニケーションもあって心温まるひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。立ち寄り湯も楽しむことができます。また名物のちくわを頬張りながらの街歩きも楽しいかもしれません。
日奈久温泉へのアクセス
日奈久温泉には第三セクターの肥薩おれんじ鉄道でアクセスできます。八代駅から日奈久温泉駅まで約10分です。ただ本数が少なく、列車は1時間に1本程度です。八代に寄港したクルーズでの下船観光、個人で足を運ぶ場合、帰りの列車の時刻の確認は必要です。また寄港地観光ツアーで日奈久温泉での日帰り温泉も楽しめるツアーもあります。開発から取り残されたことが幸いとなって今も残る懐かしさを感じることができる温泉街の散策をお楽しみください。