ドナウクルーズを楽しもう!
ドイツに端を発して、黒海に注ぐドナウ川は中欧、東欧を流れる国際河川です。ヨハン・シュトラウスの作曲した「美しき青きドナウ」は耳にしたこともある人は多いと思います。また作家の宮本輝の小説「ドナウの旅人」を読んだこともある人は多いと思います。かつてハプスブルク帝国が栄華を極め、19世紀から20世紀にかけて国際情勢に翻弄され続けた中欧、東欧を流れるドナウ川。国土が狭く、山がちな日本では味わえない名曲や小説の世界に浸った旅の感動はいかがでしょうか。今回はドナウ川流域の最大の見どころといっても過言でないヴァッハウ渓谷について案内します。
ヴァッハウ渓谷の文化的景観
ドナウ川流域に広がる牧歌的な景観を楽しめる地域です。流域にはブドウ畑が広がり、ワインの生産も行われています。また修道院や古城が立ち並び、船上からの景観を楽しみながら移動することができます。2000年に「ヴァッハウ渓谷の文化的景観」の名前で世界遺産に登録されています。
メルク修道院
ヴァッハウ渓谷に立ち並ぶ数々の修道院の中で人気が高いのがメルク修道院。修道院は1089年に設立されて、18世紀前半にバロック建築に改築されました。教会の天井に描かれたフレスコ画と図書室が見どころ。崖の上にそびえたつ修道院の建物は目を見張るものがあります。
ドナウ川に面した可愛らしい街デュルンシュタイン
バロック様式やルネサンス様式の民家が立ち並ぶ流域の町、デュルンシュタイン。ヴァッハウ渓谷はワインの産地でもありますが、この町では「ウィーン風の居酒屋」ホイリゲもあり、この地で作られたワインも飲めたり、ちょっとした可愛らしい雑貨なども買えるお店があります。町全体がメルヘンな雰囲気です。もちろん、船上からでもその可愛らしい街を楽しむことができます。
ヴァッハウ渓谷への個人旅行はリバークルーズがおすすめ
ヴァッハウ渓谷は地理的にはウィーンとザルツブルクの中間。陸路で移動する場合、例えばザルツブルクから出発する場合、鉄道でザンクトペルテンで乗り換えてメルクで下車。メルク修道院を観光後、船着場から船に乗って。デュルンシュタインまで乗船。その後、クレムスまでバスに乗って、クレムスから鉄道でウィーンのフランツ・ヨーゼフ駅まで。1日あれば移動ができますが、ここで問題になるのが大きなスーツケースです。メルク修道院から船着場まで距離もあり、荷物を持っての移動はかなりの負担。オーストリアには宅急便もありません。ヴァッハウ渓谷に行く場合、ウィーンから日帰りで行く人も多いところが実情です。船での移動なら、移動途中に素晴らしい景観を楽しむことができます。またワインテイスティングもできるコースもあります。ぜひドナウクルーズで流域随一の景観を楽しみましょう!