エーゲ海は紺碧の青々とした海に美しい島々が点在しているクルーズ旅行でも人気のエリアの一つ。日本でもおなじみのミュージカル「マンマミーア」はエーゲ海の架空の島を舞台にしています。ヴェネチアなどイタリアの都市を出発するコースも多く、アドリア海沿岸の魅力的な都市にも寄港します。そんなアドリア海沿岸の寄港地の一つ、クロアチアとの国境に近いモンテネグロの町、コトルを紹介します。
世界遺産「城塞都市コトル」
コトルは美しい旧市街の街並みとアドリア海の青い海のある世界遺産の街。ヴェネツィアの影響を持つ建築のオレンジと青い空と海のコントラストが印象的です。古くから天然の要塞都市として知られたコトルは東西のさまざまな大国に支配されてきました。ベネチア共和国の統治下に交易で富を得た貴族たちの邸宅が古い石畳の路地に残されています。小さく入り組んだコトル湾は「世界一美しい湾」と言われています。
コトルのおすすめ観光スポット
聖トリプン大聖堂
聖トリプン大聖堂はコトルを代表するカトリック教会。教会にはヴェネチア商人が東ローマ帝国の首都コンスタンチノープル(現在のイスタンブール)から持ち込んだ歴史的に貴重な遺物が多く残されています。ロマネスク・ゴシック様式で、美しい形の窓枠とモノリスの支柱が特徴的な教会です。教会の一番の見どころは大聖堂で1番の見所は、チボリウムと呼ばれる天蓋付き祭壇。天蓋の部分には街の守護聖人で教会の名前の由来にもなった聖トリプンの生涯が描かれています。
コトル城壁
総延長約4.5kmのコトル城壁は、ヴェネツィア共和国によって築城されました。コトルの旧市街地で中世の町並みを楽しむだけでなく、標高約260mの裏山の城壁の頂上からコトルの絶景を見渡すことができます。裏山の要塞への入口を入って頂上までの時間は約1時間。赤レンガの建物や海の絶景を眺めながら石の階段を登っていきます。歩きやすい靴と水分の持参は必須。夏場は帽子やタオルもあった方がいいです。頂上までは大変かもしれないですが、言葉にできないほどの素晴らしい絶景を眺めることができます。
時計塔
コトルの時計塔は1602年に建てられたゴシック・バロック様式の4階造りの塔。旧市街正門から入ると正面に建っているのコトルのランドマークです。時計塔の前にはオルジャ広場がありお洒落なカフェなどが建ち並んでいます。ちなみに時計は現在も動いています。
聖ルカ教会
教会広場と呼ばれる広場の一角に、建っている小さな教会が聖ルカ教会。1195年に建造されたという教会は、当初カトリックだったが、その後モンテネグロ正教会(セルビア正教会)の教会に変わりました。19世紀まで両者の祭壇が共存していたという経歴を持っている。
交通アクセスがあまりよくないこともあって、まだまだ日本での知名度はあまり高くないモンテネグロのコトル。「百聞は一見にしかず」といいますが、一度、訪ねるとその素晴らしさに魅了されること間違いなしです。