日本各地の城郭や城跡は日本を代表する歴史・文化遺産であり、地域のシンボルでもあります。かつてお殿様が住んでいただけあって、城跡は実は絶好の展望スポット。町並や景観を楽しむことができるお城もたくさんあります。また公園として整備されている城跡は桜をはじめ、有名なお花の見どころだったり、「市民の憩いの場」となっているところもあります。天守や石垣、お堀や庭園など城郭そのものの魅力に加えて、色んな楽しみ方できるにお城。日本各地のお城で旅好きに特に人気の高い5つの城を厳選して紹介します。
姫路城
シラサギが羽を広げたような優美な姿から「白鷺城」の愛称で親しまれています。白漆喰総塗籠造りの鮮やかな白の城壁や5層6階の大天守と東、西、乾の小天守が渡櫓で連結された連立式天守が特徴です。大天守は江戸時代以前に建築されて、現在も残っている「現存十二天守」の一つで国宝に指定されています。また新幹線の車内からも見ることができるその美しい雄姿は見る人の心を惹きつけます。平成5年12月、奈良の法隆寺とともに、日本で初の世界文化遺産に指定されました。太平洋戦争の戦火もくぐり抜けて美しい姿を私たちに見せてくれる姫路城。姫路は神戸や大阪からもアクセスがしやすく、関西観光の際にはぜひ足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
アクセス:姫路駅北口から神姫バスに乗車し「大手門前」で下車。バス停から徒歩約5分。またはJR姫路駅、山陽姫路駅から徒歩約20分
松本城
特徴のある黒い壁から「烏城」とも呼ばれて市民から親しまれている松本城。5層6階の天守は現存する日本の天守で最古といわれていて、国宝に指定されています。もちろん、「現存十二天守」の一つです。黒と白のコントラストがアルプスの山々に映えていて、まさに「インスタ映え」する見事な景観。お堀に映し出される天守もなかなか見ごたえがあります。松本市は特急「あずさ」の発着駅で上高地や蓼科といった日本を代表する高原リゾートが周囲にあります。リゾート地でのひとときのついでにちょっと立ち寄るだけの見ごたえがあります。
アクセス:JR篠ノ井線「松本駅」から徒歩約20分
松山城
松山市の中心部、標高132mの勝山に築かれた松山城。「現存十二天守」の一つで、城内にはなんと21棟の重要文化財があります。天守は三重三階地下一階の層塔型天守。天守と小天守、隅櫓を渡櫓で結ぶ天守建造物群は連立式天守と呼ばれますが、松山城はその代表とされています。松山城は他にも見どころいっぱい。「登り石垣」と呼ばれる山腹から侵入しようとする敵を阻止する目的のため、ふもとの館と山頂の天守を、山の斜面を登る2本の石垣で連結させた珍しい石垣を見ることができます。また本丸の北に位置する野原櫓は日本で唯一現存する望楼型二重櫓で天守の原型といわれています。小高い丘の上のある松山城は絶好の展望スポット。瀬戸内海を望むこともできます。また松山といえば「女子旅」でも人気の道後温泉。道後温泉とあわせた観光がお薦めです。
アクセス:JR松山駅から「道後温泉行き」市内電車で約10分、「大街道」下車徒歩5分
松江城
宍道湖畔にそびえる松江城。4層5階の天守は「現存十二天守」の一つで国宝に指定されています。外壁の大部分が黒塗りの下見板張りになっていて、入母屋破風の屋根が羽を広げたように見えることから別名「千鳥城」と呼ばれています。天守の最上階からは松江市街や宍道湖を一望することができます。城を取り囲む堀川には観光遊覧船が巡っていて、堀端には武家屋敷も残されていて、城下町の風情を堪能することができます。また松江藩主のお気に入りだった茶室で抹茶や和菓子を楽しむこともできます。「縁結びの神様」としてもおなじみの出雲大社も近く。出雲大社とあわせた観光がおすすめです。
アクセス:JR山陰本線「松江駅」からレイクラインバス10分、松江城「大手前」下車、もしくは一畑電鉄「松江しんじ湖温泉駅」から徒歩20分
二条城
二条城は徳川家康が、天皇の住む京都御所の守護と将軍上洛の際の宿泊所とするために築城されました。幕末に15代将軍慶喜が二の丸御殿の大広間で「大政奉還」の意思を表明したことで知られています。国宝に指定されている二の丸御殿をはじめ、二の丸庭園、唐門など、約400年の時を経た今も絢爛たる桃山文化の遺構を見ることができます。世界遺産「古都京都の文化財」の構成資産の一つです。歴史が変わった瞬間に思いを馳せながら歩いてみてはいかがでしょうか。
アクセス:地下鉄東西線二条城前駅下車、もしくは京都駅から市バス9・50・101系統乗車、「二条城前」下車
ここで紹介した5つのお城はお城そのものの魅力はもちろん、周囲の観光地、スポットとあわせて旅することができます。日本各地のお城の中には石垣のみしか残されていないけれど、その石垣が勇壮であったり、お城によって「十城十色」の魅力があります。日本各地のお城を巡る旅はいかがでしょうか。