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奈良の伝統行事「お水取り」の魅力を堪能!歴史と勇壮な行事に感動〜2025年版〜【ノリッポ】

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「お水取り」で知られる東大寺修二会は、日本の伝統的な仏教行事として知られる荘厳な儀式です。この行事は1250年以上もの長い歴史を持ち、毎年3月1日から14日までの2週間にわたって執り行われます。そんな東大寺修二会について紹介します。

「修二会」とは?

修二会は天平勝宝4年(752年)に、東大寺開山良弁僧正の高弟である実忠和尚によって創始されました。当初は旧暦の2月1日から行われていたため、「修二会」という名称がつけられました。

正式名称は「十一面悔過(じゅういちめんけか)法要」です。この儀式では、人々が日常的に犯す様々な過ちを、二月堂の本尊である十一面観世音菩薩の前で懺悔します。

修二会は「不退の行法」として知られています。平安時代の平氏による南都炎上や江戸時代の二月堂の焼失など幾多の困難を乗り越えて、1250年以上もの間、一度も途切れることなく続けられてきました。2025年は1274回目になります。

「東大寺修二会」の準備は前年から

12月16日は良弁僧正の命日。この日の朝、翌年の修二会を勤める11名の練行衆(れんぎょうしゅう)が発表されます。

修二会の本行に先立つ前行「別火(べっか)」

2月20日から「別火」と呼ばれる前行が始まります。「別火」は東大寺修二会の本行に先立って行われる重要な準備段階です。この期間中、練行衆と呼ばれる僧侶たちは、厳格な精進潔斎の生活を送ります。

別火は、戒壇院の庫裡(別火坊)で行われます。この期間中、練行衆は世俗の生活から完全に隔絶され、特別な環境で過ごします。練行衆は、世間の火を一切使用せず、火打ち石でおこした特別の火のみを利用して生活します。

2月20日から通常始まる別火ですが、新入(しんにゅう)と呼ばれる初めての練行衆や、初めて大導師を務める者は、2月15日から別火に入ります。

別火は「試別火(ころべっか)」と「総別火(そうべっか)」の2つの期間に分かれています。新入や新大導師は10日間、それ以外の練行衆は5日間にわたって「試別火」を行い、その後、「総別火」を行います。

本行の流れ

3月1日の深夜1時に行授戒が行われて、3月14日までの2週間に及ぶ本行が始まります。

本行では修二会の中心となる悔過法要が行われます。これは十一面観音菩薩の前で、日常的に犯す様々な過ちを懺悔し、国家の安泰や天下泰平、五穀豊穣などを祈願するものです。「六時の行法」と呼ばれる日々の法行が日中、日没、初夜、半夜、後夜、晨朝の6つの時間帯で行われます。

法要は上七日・下七日の計14日間行われ、練行衆は厳しい修行を通じて自らを清め、同時に国家や万民のための祈りを捧げます。

3月12日の深夜(13日の午前1時30分頃)に有名な「お水取り」が行われ、6人の練行衆が若狭井(わかさい)という井戸から香水(こうずい)を汲み上げ、本尊にお供えします。

汲まれたお香水は13日に神名帳、大導師の祈りの間に晒の布を用いて濾され、内陣須弥壇下の石敷きに埋め込まれた甕(かめ)の中に納められます。
3月15日に満行を迎え、修二会のすべての行事が終了します。

期間中、二月堂では 練行衆の道明かりとして、毎晩大きな松明に火がともされる「お松明」が行われます。

「お水取り」

「お水取り」とは?

3月12日の深夜(13日の午前1時30分頃)に行われる「お水取り」について紹介します。修二会の中で行われる悔過作法の一部で、井戸から水を汲み、十一面観音にお供えする習わしから「お水取り」と呼ばれるようになりました。

「お水取り」は新年(旧暦では2月)を迎えるにあたり、新たな1年間の邪気を祓うため、初めて汲む水(若水)を神仏に供えて除災や五穀豊穣を願う意味があります。仏教の悔過法要と日本の伝統的な新年の習わしが融合した行事として、1250年以上もの間、途切れることなく続けられています。

「お水取り」の流れ

準備: 深夜1時頃、練行衆が二月堂に集まります。

出発: 咒師、練行衆、堂童子などが二月堂の南側の石段を下り、閼伽井屋(若狭井)へ向かいます。

水汲み: 咒師、庄駈士、堂童子のみが閼伽井屋に入り、若狭井という井戸から香水(こうずい)を汲み上げます

待機: 他の水取衆は閼伽井屋の前で待機します。

水の運搬: 汲み上げられた香水は「閼伽桶(あかおけ)」に入れられ、練行衆に護られながら二月堂へ戻ります。

奉納: 香水は二月堂の内陣に運ばれ、須弥壇下の香水壺に蓄えられます。

若狭おばまのお水送り

福井県小浜市では毎年3月2日に「お水送り」という神事が行われます。この行事では、若狭神宮寺の閼伽井から汲んだ水を松明行列で運び、「鵜の瀬」から遠敷川に流します。この水が10日間かけて奈良の若狭井に届きます。

伝説によると、若狭の遠敷明神が魚釣りをしていて、東大寺で行われる神様の集まりに遅刻したため、そのお詫びとして奈良の二月堂に清水を送る約束をしたことが、お水取りとお水送りの起源とされています。

東大寺初代別当の良弁和尚が若狭の小浜出身であることが知られています。また、実忠和尚も若狭神宮寺に滞在していたことがあり、東大寺と若狭国の繋がりの深さを感じさせます。

迫力満点!「お松明」

練行衆の道明かりとして行われる「お松明」。大きな松明に火がともされ、二月堂の欄干から振り回されます。儀式は3月1日〜14日の間、東大寺二月堂で19時から行われます。(3月12日は19時30分、14日は18時30分から)

二月堂の灯りが落とされて、辺りは暗闇に包まれると大な松明の灯りに照らされて練行衆が祈りを捧げるためにお堂に入っていきます。行衆を見送った後、松明が回廊からせり出し、高速回転を始めます。

松明を振り回すことで、火の粉が参拝者に降り注ぎます。約30分間にわたって、10本の松明が順番に回廊を渡ります。

3月12日は「籠松明(かごたいまつ)」と呼ばれ、通常よりも大きい 約8メートル(通常の松明は約6メートル)、重さ:約80キログラム(通常の松明は約60キログラム)の松明が使用されます。全ての練行衆が上堂するため、本数も11本と通常より1本多く、時間も約45分間と長めです。

3月14日は約10分間という短い時間で、お松明が連続して上がっていきます。そして10本のお松明が同時に並び回転し、通常以上の迫力を見せます。

火の粉を浴びると無病息災のご利益があると言われています。火の粉をまき散らしながら舞台を歩く松明の姿は、参拝者に大きな興奮をもたらします。また松明の燃える匂いやパチパチと爆ぜる音が、参拝者の五感を刺激します。

お松明

奈良国立博物館 特別陳列「お水取り」

奈良公園内にある奈良国立博物館では東大寺二月堂の「お水取り」(正式名称は「修二会」)にあわせて開催される恒例の特別展示が2025年も開催。非公開の行法である修二会について、その歴史と信仰を紹介する貴重な機会となります。

開催情報
期間: 2025年2月8日(土) ~ 2025年3月16日(日)
時間: 9:30~17:00 (入館は16:30まで)
場所: 奈良国立博物館 西新館
休館日: 2月10日(月)、17日(月)、25日(火)

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ホテル、外資系航空会社勤務を経て、個人旅行に特化した旅行会社で企画を担当、お客様の希望に応じた「オーダーメイドの旅」の企画・提案に携わり、ヨーロッパ各地の音楽祭、オペラ・クラシック公演鑑賞、音楽家ゆかりの地巡りなど音楽旅行を中心に手掛ける。現在は「日本再発見」をテーマに西日本を中心に各地に残る歴史・文化遺産の魅力を発信している。過去に手掛けた旅行は1000件以上。奈良大学文学部文化財歴史学科卒業。博物館学芸員資格。日本考古学協会賛助会員。2020年度「吉野アンバサダー」。大分県生まれ、福岡市育ち。

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