バスツアーは季節に応じた話題の絶景スポットや、グルメや温泉ほか、旅の旬を熟知している旅行会社の「こだわり」が詰まったバラエティに富んだ商品がいっぱい。普段は見ることができない「特別御開帳」や「特別拝観」はその時しか楽しめない貴重な機会。バスツアーでもコースに組まれています。「善光寺前立本尊御開帳」は7年に一度の行事。全国各地から善光寺を訪ねるツアーが組まれています。
善光寺とは
「牛にひかれて善光寺参り」の話でもおなじみの善光寺。寺の創建は7世紀半ばといわれています。「一生に一度お参りするだけで、極楽往生が叶う」といわれ、古くから人々の信仰を集めてきました。日本最古の仏像といわれる「一光三尊阿弥陀如来」を本尊としています。像はひとつの光背の中央に阿弥陀如来、向かって右に観音菩薩、左に勢至菩薩が並ぶという善光寺独特の姿です。国宝に指定されている現在の本堂は宝永4年(1707)に建てられました。建物は善光寺独特の「撞木(しゅもく)造り」という構造で日本建築史上、貴重な建物です。日本全国各地から訪れた参詣者が一晩の「お籠もり」をした習慣を今に伝えています。特定の宗派に属さない無宗派の寺であり、全ての人々を受け入れる寺として知られています。
7年に一度!善光寺前立本尊御開帳
善光寺前立本尊御開帳の概要
善光寺の本尊「一光三尊阿弥陀如来」は「絶対秘仏」とされていて拝むことができません。その御身代わりとして鎌倉時代に「前立本尊」が造られました。普段は宝庫に保管されていますが、数え年で7年に一度の御開帳の時だけその姿を拝むことができます。中央の阿弥陀如来の右手に結ばれた金糸は五色の糸にかわり、白い善の綱として、本堂前の回向柱に結ばれます。その回向柱に触れることは、前立本尊に触れるのと同じこととされ、ありがたいご縁が生まれるとされています。回向柱は長野県の松代から寄進されます。これは宝永4年(1707)に現在の本堂が再建された際、松代藩が幕府から普請の監督を任されたことが縁となっています。
善光寺前立本尊御開帳の期間
令和4年(2022)の善光寺前立本尊御開帳は4月3日(日)から6月29日(水)まで開催されます。本来は5月29日(日)までの予定でしたが、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、密を避けるため、期間を1ヶ月延長しました。期間が長くなった分、余裕を持って善光寺を訪ねる予定を組むことができますね。
善光寺前立本尊御開帳期間中の主な行事
3月27日(日) 回向柱受入式
松代から寄進された回向柱を受け入れる儀式です、回向柱は期間中に本堂の前に立ち、高さは10mに及びます。
4月2日(土) 前立本尊御遷座式
御開帳前日の午後に行われる儀式です。白装束の男性たちが前立本尊が入った厨子をのせて、御宝庫から本堂まで運びます。本堂では、一山住職がその厨子を担いで内々陣にお遷しします。
4月3日(日) 開闢大法要
善光寺では天台宗と浄土宗の僧侶たちが毎朝お朝事を行っていますが、御開帳初日は特別な意味を持ちます。当日の朝6時、住職の手によって前立本尊の厨子が開かれます。その後、午前10時から善光寺を善光寺を護持している天台宗、浄土宗のそれぞれの宗派の僧侶により、開闢大法要が営まれて、いよいよ御開帳が始まります。
中日庭儀大法要 浄土宗:4月23日(土)/ 天台宗:5月7日(土)
御開帳の中でもっとも重要な法要です。豪華な衣装をまとったお稚児さんを先頭に、一山住職の行列が前庭へと進み、本堂前に立つ回向柱の前で法要を執り行います。僧侶に差し掛けられる真っ赤な傘、蓮の花をかたどった散華(さんげ)など、極楽を思わせる世界が広がります。
6月29日(水) 結願大法要
善光寺御開帳の「結願大法要」によって終わりを告げる行事です。善光寺を護る天台宗と浄土宗それぞれの僧侶によって法要が営まれ、同日午後5時の夕座法要にて人々と縁を結び、極楽浄土への道を授けた前立本尊の厨子の扉が静かに閉められます。
6月30日(木)前立本尊御還座式
前立本尊が御宝庫にお還りになるための儀式です。これまで前立本尊に成り代わり、人々に御利益を授けてきた回向柱の前で、法要が執り行われます。
そして白装束の男性が担ぐ輿に前立本尊をのせて御宝庫へと向かい、扉が閉められて再び封印が成されます。
善光寺 仲見世通り ぶらり散歩
「仲見世通り」は善光寺の山門につながる石畳の道で道路沿いに古民家を利用した食事処やカフェ、お土産屋さんなどが建ち並んでいます。この通りから本堂へ続く石畳はおよそ7,777枚あると言われています。自由時間が長いコースでは「仲見世通り」散策も楽しみの一つ。古くから全国各地の参拝者を迎えた「おもてなしの心」も感じることができます。
善光寺前立本尊御開帳 バスツアー 出発地
広く信仰を集めている善光寺。7年に一度の行事だけあって、全国各地からバスツアーが訪れます。東京、新宿、さいたま新都心、横浜、西船橋といった首都圏各地をはじめ、愛知県の名古屋、春日井、大阪の梅田、東北の仙台など。日帰り、宿泊付きともにバスツアーが組まれています。
善光寺前立本尊御開帳 バスツアー 主な立ち寄りスポット
「善光寺前立本尊御開帳」バスツアーで宿泊付きのツアーでは善光寺以外の観光スポットを訪ねます。ここではツアーでよく立ち寄るスポットを紹介します。
上高地
長野県の上高地は日本を代表する山岳リゾート。手つかずの自然が多く残り、国の「特別名勝」ならびに「特別天然記念物」に指定されています。雄大な穂高連峰の眺望を間近に望眺めることができて、日帰りから宿泊までと様々な滞在スタイルで自然を満喫することができます。一年を通して平均気温が低く、真夏でも平均気温は20度以下。東京や大阪の気温と比べ、涼しく快適に過ごせます。主な見どころは大正池、明神池、河童橋などです。
立山・黒部アルペンルート
富山県立山町の立山駅と長野県大町市の扇沢駅とを結ぶ山岳観光ルートです。立山連峰の景観を望む立山ロープウェイ、全線地下式のケーブルカー、黒部ダム建設に用いられたトンネルを通るトロリーバス、国内一の堤高を持つ黒部ダムの堰堤上の徒歩での移動など、雲上に広がる立山黒部の雄大な景観と四季折々の自然を楽しみながらさまざまな乗り物を乗り継いで移動します。
戸隠神社
戸隠山の麓に、奥社・中社・宝光社・火之御子社・九頭龍社の5つの社からなる神社。戸隠山は「天岩戸」が飛来してきて、現在の姿になったとの言い伝えがあります。奥社は天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)、中社は天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)・宝光社は天表春命(あめのうわはるのみこと)、火之御子社は天鈿女命(あめのうずめのみこと)と「天の岩戸開き」にゆかりのある神々が、そして九頭龍社には古くからのこの土地の神である九頭龍大神が祀られています。創建2000年以上といわれ、戸隠山への山岳信仰を背景に信仰の拠点として発展してきた長野を代表するパワースポットです。
まとめ
バスツアーの大きな魅力は何といっても移動が楽ということではないでしょうか。公共交通機関ではアクセスが不便な場所でも「バスツアー」なら直行することができます。またマイカーで行く場合、カーナビが普及しているとはいえ、慣れない道の運転でありがちなのが道迷い。道に迷って、大幅に時間をロスすることも少なくないです。道路事情にも精通した「運転のプロ」が運転する「バスツアー」ならそんな心配もありません。またアルコールも楽しめます。宿泊付きのバスツアーでは温泉地や高原のリゾートホテルに宿泊。善光寺以外の見どころも訪れます。「善光寺前立本尊御開帳」はバスツアーで出かけるのがおすすめです。