上五島は長崎県五島列島の北部に位置し、7つの有人島と60の無人島から構成されています。白砂の自然海浜が数多く点在していて、複雑で変化に富んだ地形が特徴です。遣唐使の時代には、国内最後の寄港地として、大陸の情報や文化がいち早くもたらされました。島には29のカトリック教会が点在していて、江戸時代に300年にも及ぶキリシタン禁教令に基づく弾圧に耐えて信仰を守り続けてきた島の人々の信仰の証を窺い知ることができます。近年、人気の高まっている上五島のおすすめスポットを紹介します。
世界遺産 頭ヶ島の集落
江戸時代に幕府による禁教令の下、厳しい弾圧に耐えながら信仰を続けた潜伏キリシタンの伝統のあかしとなる遺産群は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産に登録されました。頭ヶ島の集落は世界遺産の構成資産となっている集落の一つです。
頭ヶ島天主堂
頭ヶ島天主堂は1917年に完成、2年後の1919年にコンパス司教により祝別・献堂された石造りの天主堂です。鉄川与助の設計・施工、大崎八重神父の指導により、島内の石を切り出して積み上げて建設れました。内観の造形は、船底天井と五島列島の椿を模した花装飾と、青を基調とした華やかな雰囲気が美しい教会で「花の御堂」とも呼ばれています。2001年に国の重要文化財に登録されています。天主堂の見学には事前の連絡が必要です。
アクセス:港から車で約20分
青砂ヶ浦天主堂
青砂ヶ浦天主堂は中通島にある教会。現在残る天主堂はやはり鉄川与助によって設計・施工された天主堂で1910年に完成しました。赤煉瓦造及び木造,重層構成の教会堂で,屋根は桟瓦葺となっています。。主体部は三廊式バシリカ型で,身廊部・側廊部とも四分割リブボールト天井です。世界遺産の構成資産ではないものの、「世界遺産の構成資産と一体的に保存・継承していく資産」とされています。2001年に国の重要文化財に指定されました。
アクセス:有川港から車で約20分
蛤浜海水浴場
青い松をバックにどこまでも続く遠浅の白い砂浜。そして目の前に広がる紺碧の海が見どころの海水浴場です。毎年、7月に「蛤浜で遊ぼデー&白砂の芸術祭」が海開きのイベントとして開催されています。泳がなくても歩いているだけで心が癒される美しい砂浜です。
アクセス:有川港から車で10分
旧 鯛ノ浦教会
鯛ノ浦は外海の出津から移住して来たキリシタンの子孫にはじまる集落です。明治13年(1880)にブレル神父が赴任して上五島の司牧の拠点となりました教会堂は明治36年(1903)に建立されました。老朽化によって昭和54(1979)年に旧教会堂の下の)幼稚園跡地に新しい教会堂が建てられました。旧教会堂は昭和24年(1949)に増築されましたが、その際、旧浦上天主堂の被爆煉瓦を一部使用しています。
大曽教会
明治12年(1879)に木造で教会が建てられ、大正5年(1916)に現在のレンガ造りの教会堂になりました。八角形ドーム型の鐘楼や、色の異なる2種類のレンガを使った壁面などに特徴がある。
公共交通機関があまりない上五島での移動は車が中心になります。奈良尾港と有川港にはトヨタレンタカーの営業所があります。運転に自信がない人は観光タクシーなどの活用がおすすめです。