クルーズ寄港で沸く石巻
2011年3月の東日本大震災は石巻でも大きな被害をもたらしました。現在もまだ復興の途上ではありますが、近年、石巻港でダイヤモンド・プリンセスなどのクルーズ船の入港が相次いでいます。ひとりでも多くの方に訪れていただいて石巻を拠点に観光を楽しんでいただいて活性化につながればと願っています。今回は石巻発着の寄港地観光ツアーも組まれていて仙石線でもアクセスができる日本三景・松島について見どころを紹介します。
松尾芭蕉が絶句した見事な景観
「松島や ああ松島や 松島や」江戸時代に俳人松尾芭蕉があまりの景色のすばらしさに思わず口ずさんだといわれる松島の景観を示す有名な句です。広島の宮島、京都府北部丹後地方の天橋立と並ぶ日本三景の一つ、松島。松尾芭蕉が絶賛した景観に加えて宮城の海の幸を楽しめる「松島さかな市場」などが見どころです。ただやはりせっかく松島を訪れたのですから、初めての松島には欠かせないといった見どころを案内します。
湾内を遊覧船で島めぐり
松島湾には約260もの島々が点在しているといわれています。松島の観光遊覧船はいくつか運航している会社がありコースもそれぞれ用意されています。仁王島、鐘島、千貫島、雄島、双子島をはじめ、船上から特徴的な島々を船上から眺めることができます。一般的なコースで乗船時間は約50分です。
松島のシンボル 五大堂
五大堂は、大同2年(807年)に坂上田村麻呂が征夷大将軍として東北に出征した際に毘沙門堂を建立したのが最初であるといわれています。その後、慈覚大師が瑞巌寺の前身である延福寺を開基した際に大聖不動明王を中心に、左右降三世、軍荼利、大威徳、金剛夜叉の五大明王像を安置したことから五大堂と呼ばれるようになりました。
現在の建物は伊達政宗が再建したものです。また慈覚大師が五大明王を安置したところ、坂上田村麻呂が祀った毘沙門天は光を発して沖合の小島に飛び去り、その島は毘沙門島といわれるようになったという伝承があります。国の重要文化財に指定されています。
伊達政宗ゆかりの瑞巌寺
瑞巌寺は天長5年(828年)慈覚大師によって創建されたと伝えられています。現在の建物は慶長14年(1609年)から伊達政宗が5年の月日をかけて再建しました。伊達政宗の菩提寺です。本堂は南東に面していて、南西端に御成玄関を伴なっています。南東端は庫裡に続く回廊に接続しています。正面39m、奥行き25.2m、入母屋造、本瓦葺で部屋は10室に分かれています。建物は国宝に指定されています。瑞巌寺の西隣には、伊達家二代藩主忠宗の次男である光宗の墓所、「バラ寺」の愛称がある円通院があります。厨子の右扉の内部に描かれたバラにヒントを得て院内に色とりどりのバラが植えられました。
寄港地石巻から松島へのアクセス
寄港地観光ツアーもありますが、時間に余裕があれば鉄道で移動してもよいかと思います。1時間に1本、石巻からJR仙石線の仙台行の直通列車が出ていて、所要時間は50分です。